山口×着物

山口県には代表的な着物である「柳井縞」「玖珂縮」があります。

• 柳井縞

  柳井縞は山口県で親しまれてきた伝統的な木綿織物です。
  木綿ならではの素朴な手触りと、ざっくりとした生地が特徴で、主に縦縞模様が入った反物が多く出回っていました。
  柳井縞は柳生が商業で栄えた江戸時代に発達していった技術で、当時の岩国藩からも高い評価を受けていたようです。
  しかし、明治以降は徐々に生産が減少し、大正時代にはほとんど出回らなくなってしまいました。
  近年になって、幻の織物となった柳井縞の技術を再現しようと地元で「柳井縞の会」が創設されました。

• 玖珂縮

  玖珂縮は古くから山口県で作られてきた木綿縮緬の技法です。
  横糸に強撚糸を使用することで生地に緩みが生まれ、凹凸のある風合いに仕上がるのが特徴です。
  他の縮緬が絹製のものが多いのに対し、玖珂縮は木綿を使用しているため、縮緬とは少し違った雰囲気を持っています。
  玖珂縮の起源は今から600年ほど前といわれており、江戸から明治期にかけては盛んに生産されました。
  昭和以降は生産がほとんどなくなっていましたが、最近になって再び復興の動きが出ています。

• 玖珂縮の会

  玖珂縮の会は、玖珂地区の人々が創立した会。
  失われた玖珂縮の技法研究や作品制作を行なっています。
  玖珂縮の会は、1996年に町おこしの一環として始まった郷土資料の調査が発端となって創立されました。
  京都から手織研究指導家・吉田紘三氏も迎え、残っている玖珂縮の分析や再現を進めました。
  現在も代表の豊川育子氏のもとで技法研究や、伝承活動が続けられています。