青森×食器

青森県には代表的な伝統工芸品「津軽焼」と「八戸焼」があります。

• 津軽焼

  青森県弘前市で製作される伝統工芸品の一つです。
  1697年に、藩主・津軽信政が名工を集めて築いた陶器（平清水焼・大沢焼・下川原焼・悪戸焼）を総称して「津軽焼」といいます。
  廃藩の影響を受けて一時は全ての窯が無くなりましたが、1936年に復興されたことで歴史が受け継がれています。
  こうして今に至る津軽焼は、「りんご釉」や「天目釉」を用いた独特の色合いが魅力的です。
  林檎の木灰が原料となる「りんご釉」は、飾り気のない素朴な味わいを表現、黒色の輝きを放つ「天目釉」は上品さを感じさせる特徴をもっています。

• 八戸焼

  青森県八戸市で製作される伝統工芸品の一つです。
  起源は未だ不明ですが、江戸時代末期まで八戸市の蟹沢山中で製造されていたことから「蟹沢焼」と呼ばれることもあり、庶民に馴染みのある存在を誇っていました。
  一時は衰退していく中で、「幻の焼き物」とされていましたが、1975年に渡辺昭山が窯を開き、息を吹き返しました。
  現在は、工夫された粘土を用いて元来の八戸焼を実現しており、特徴的な緑色からは自然の豊かさを感じることができます。

• 渡辺　昭山

  八戸焼を復興した第一人者
  元々は、無名異焼（新潟県佐渡市の焼き物）国三窯の長男として生まれました。
  「江戸時代の日本の諸窯」など複数の著書を読む中で「八戸焼」に興味をもつようになりましたが、十分な情報が得られず、八戸市を訪れて情報収集にあたりました。
  その甲斐があり、1975年に蟹沢山中で窯跡を発見することができました。
  そしてその窯跡の発見が、現在の八戸焼の歴史に繋がります。
  昭山窯で製造される八戸焼は、「三陸の荒波に揉まれた海草の色」と表現される独特な緑色が特徴的で、芸術展にも多数入選するなど全国的にも評価されています。