岩手×食器

岩手県には代表的な伝統工芸品「小久慈焼」と「鍛冶丁焼」があります。

• 小久慈焼

  岩手県久慈市で製作される伝統工芸品の一つです。
  起源は約200年前とされており、由緒ある陶器で知られています。
  江戸時代後期、小久慈焼の生みの親である「熊谷甚右衛門」が相馬から陶工「嘉蔵」を招き、手法を学びました。
  その後、久慈から採取した粘土を用いた焼物が現在の小久慈焼に繋がり、民藝運動の父「柳宗悦」からも評されたこの陶器は、日常的に使える雑器として長年多くの人々に親しまれています。

• 鍛冶丁焼

  岩手県花巻市で製作される伝統工芸品の一つです。
  今から約200年前（文政）、「古舘伊織」という人物によって窯が開かれたのち、明治末期には本家の窯が廃止され、しばらく衰退していました。
  しかし昭和22年に、陶器保存を志し修行していた「阿部勝義」によって見事に息を吹き返し、現在も伝統的な陶器として受け継がれています。
  鍛冶丁焼の特徴は、地元花巻市の土を用いた優しい色合いです。

• 阿部　勝義

  鍛冶丁焼を復興した第一人者
  陶器保存を目的に栃木県の益子で修行したのち、昭和22年に石神町で鍛冶丁焼の窯を開き復興させました。
  初めの頃は、元来の釉薬で渋い色を出していました。
  しかし現在は、時代に沿って独自の配合で緑系を作っており、これまで製作していた甕（かめ）ではなく、日常使いできる作品を生み出していることも阿部勝義の特徴の一つです。