香川×食器

香川県には代表的な伝統工芸品「理平焼」「神懸焼」「岡本焼」があります。

• 理平焼

  理平焼（りへいやき）は、香川県高松市で作られている焼き物で、「高松焼」の名称でも呼ばれています。
  初代高松藩主の松平頼重が、京都の陶工であった森島作兵衛を招き、1649年に現在の栗林公園の北門近くに築窯したことから始まりました。
  作兵衛はのちに名を紀太理兵衛とし、その名は代々受け継がれ、明治維新後には理平と改められたため、以降は理平焼の名で呼ばれています。
  藩の御用窯として受け継がれ、明治維新後は民窯となり、季節感のある絵付けが施された茶器や花器などが普及し現在にも継承されています。

• 神懸焼

  神懸焼（かんかけやき）は、香川県小豆島で作られている焼き物です。
  明治時代の初期、平賀源内の源内焼を源とした陶工の久保祖舜が、小豆島の神懸山（寒霞渓）の麓で開窯したことから始まったと言われています。
  発色が異なる二種の釉薬を重ねてかけ、焼成中に混じり合うことで絶妙な色合いを表現しているのが特徴的です。
  現在でも茶道具を中心に、日用雑器が作られています。

• 岡本焼

  岡本焼は、香川県三豊市豊中町岡本地区で採れる土を使って作られている焼き物です。
  その始まりは定かではありませんが、1300年頃に製陶技術が伝わったと言われています。
  釉薬を使用せずに焼き上げ、薪として使われる赤松の煤（すす）が器の表面に付着して自然釉となるのが特徴です。
  土の温かみを感じさせる素朴な風合いの岡本焼は、長い年月を経て現在でも親しまれています。

• 紀太理兵衛

  紀太理兵衛は、理平焼を始めてその名を代々受け継いだ陶芸家で、理平焼の名前の由来になっています。
  初代紀太理兵衛は、森島作兵衛重利の名で京都にて作陶をしていましたが、1649年に高松藩主の御用焼き物師となり、改名しました。
  その後、藩窯として紀太理兵衛の名は代々受け継がれ、明治維新後に民窯となった際、紀太理平に改名されました。
  現在でも、紀太理平の名で理平焼の窯が受け継がれています。