高知×食器

高知県には代表的な伝統工芸品「内原野焼」「尾戸焼」があります。

• 内原野焼

  内原野焼は、高知県安芸市で作られている焼き物です。
  1829年、内原野に陶土として最適な粘土があることが発見され、京都から陶工を招いて地域に製陶技術を伝え、開窯したのが始まりとされています。
  内原野は陶芸の地となって甕など大型の陶器を中心に作り、時代に合わせて日用雑器が主流となっていきました。
  木灰やワラ灰を原料とする釉薬を使用した素朴な風合いが特徴的ですが、現在では伝統を受け継ぎつつ作家それぞれに新たな作風を生み出しています。

• 尾戸焼

  尾戸焼（おどやき）は、高知県高知市で作られている焼き物です。
  二代目土佐藩主、山内忠義のときに藩内で製陶が行われていないことを憂えた宰相が、1653年に大阪の陶工、久野正伯（くのしょうはく）を招いたことから始まったといわれています。
  高知城の北側にある尾戸（現小津町）に築窯し、1820年頃には能茶山（のうさやま）へ移って陶器に加えて磁器も焼き始めました。
  現在でも尾戸焼、能茶山焼として伝わり、日用雑器などが作られています。

• 森田久右衛門

  森田久右衛門（もりたきゅうえもん）は、尾戸焼を始めた久野正伯に師事したとされている陶芸家です。
  正伯の最初の弟子として、尾戸焼窯元の森田氏初代を務めました。
  正伯は1653年の築窯後わずか5年で大阪へ帰り、土佐での滞在は短く作品も多くはなかったため、実質的に尾戸焼を始め、広めたのは初代森田久右衛門、また相弟子の山崎平内（やまざきへいない）らであるといえます。
  土佐藩の御用窯として、多くの贈答品などを手掛けて尾戸焼の発展に貢献しました。