長崎×食器

長崎県には代表的な伝統工芸品「三川内焼」「波佐見焼」があります。

• 三川内焼

  三川内焼（みかわちやき）は、長崎県佐世保市で作られている焼き物です。
  16世紀末、朝鮮出兵において朝鮮から陶工を連れ帰り、平戸島中野村の中野窯で作陶させたことから始まったといわれ、「平戸焼」の呼び名もあります。
  その後、中野村の陶土が不足したため三川内山に移り、明治維新頃まで平戸藩の御用窯として発展しました。
  献上品としての側面が大きかった三川内焼ですが、現在では高級品以外にも庶民向けの食器など多様に作られています。

• 波佐見焼

  波佐見焼（はさみやき）は、長崎県の波佐見町周辺で作られている焼き物です。
  1599年、朝鮮出兵で朝鮮から連れ帰った陶工らと、波佐見町に三箇所の登り窯を築いたことから始まりました。
  江戸時代中期、庶民向けの食器として普及し、大量生産のために大きな登り窯が作られました。
  かつては「有田焼」として流通しましたが、2000年頃の食品産地偽装問題を契機に、生産地が明確な波佐見焼の名を用いるようになりました。
  白磁に繊細な藍の染付が施されているのが特徴で、現在も伝統を継承しつつニーズに合った食器を展開しています。

• 中里末太郎

  中里末太郎（なかざとすえたろう）は、中里陽山の名で知られる、三川内焼を代表する陶芸家です。
  1924年、実家にて作陶に励むようになり、以降、多くの献上品や輸出品などを作り出しました。
  1950年代からは国内向けの作品を手掛け、「卵殻手（らんかくで）」という、薄い白磁に模様を彫る技術により、1974年に「薄手白磁成形焼成技術保持者」として指定されました。