沖縄×食器

沖縄県には代表的な伝統工芸品「琉球ガラス」と「やちむん」「琉球漆器」があります。

• 琉球ガラス

  琉球ガラスは、沖縄本島を中心に作られているガラス工芸品です。
  戦後、原材料が足りない状況に陥った際、職人たちが米軍施設に廃棄されていたコーラやビールの空き瓶を溶かし、再生ガラスを原材料としたのが始まりです。
  ガラスの厚みと気泡が特徴的で、本来気泡があるガラス製品は不良品として扱われてしまいますが、琉球ガラスはその気泡が味として受け入れられました。
  こうして沖縄独自のガラス文化が生まれたのです。
  その鮮やかな色合いとシンプルなデザインから、沖縄土産の定番として親しまれています。

• やちむん

  やちむんとは、沖縄の方言で焼き物のことをいいます。
  沖縄の家庭で一般的に使われている茶碗や平皿などの陶器のことです。
  やちむんは大きく分けて「上焼（じょうやち）」と「荒焼（あらやち）」の2種類あります。
  「上焼」は茶碗や酒器などが多く、「荒焼」は貯蔵用の壺などを中心に作られています。
  厚い形状に力強い絵付けが印象的で、沖縄の家庭だけでなく、士産物としても人気のある伝統工芸品です。

• 琉球漆器

  琉球漆器は、琉球王朝時代から作られている伝統工芸品です。
  中国から伝わってきた漆器技法を、自国の技法に取り入れながら独自の作風へと発展させました。
  今では沖縄の伝統工芸品の一つとなっています。
  琉球漆器は、加飾技法が多種多様であるのが特徴です。
  芸術性が高い高価な美術工芸品から、日常でも使える落ち着いた雰囲気のものもあるので、人気が高い食器です。

• 稲嶺盛吉

  稲嶺盛吉（いなみねせいきち）は、現代の琉球ガラスを代表する名工の一人です。
  1954年に奥原硝子製造所に入社した後、牧港ガラス、ぎやまん館、琉球ガラス村で技術の向上に努めました。
  その独特な作風で、1994年には厚生労働省より「卓越した技術者（現代の名工）」に選出されます。
  ヨーロッパや中国などの世界各地でも認められ、その後も数多くの賞を受賞。
  常に新しい物を追いかけ創作し続けることで、多くの新しい作品を生み出す琉球ガラス作家です。

• 前田孝允

  前田孝允（まえだこういん）は、現代の琉球漆器を代表する作家の一人です。
  琉球大学美術工芸科を卒業後、株式会社紅房にデザイナーとして入社しました。
  1968年に前田漆芸アトリエを開設し、1991年に県指定無形文化財保持者に認定されました。
  また首里城の復元作業にも携わり、琉球国王の椅子を復元したことでも知られています。
  代表的な作品は、「朱漆螺鈿飾箱」や「黒漆芭蕉沈金料紙箱」などです。