【プロが解説】エルメスに刻印がないのは本物?偽物?見分け方と対処法は?

エルメスのアイテムを手に入れたとき、刻印が見当たらないと「本物なのか、それとも偽物なのか」と不安に思うことがあるかもしれません。エルメスの製品が持つ特徴として、アルファベットや記号による刻印は製造年・職人情報などを示す重要な要素です。
しかし、刻印が見当たらないからと言って一概に「偽物」と断定することはできません。
この記事では、エルメスに刻印がない場合でも正規品である可能性がある理由や、そもそもの刻印の役割、さらに刻印以外に注目すべきポイントや対処法について詳しく解説します。
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目次
刻印なしのエルメスは本物?偽物?

エルメス製品を手にすると多くの方がチェックする刻印ですが、実は刻印がない製品も珍しくありません。
刻印は製造年や素材、職人を示す大切な情報源であるため、多くの正規エルメス製品に入っています。しかし、製作年代や素材の特性によっては、最初から刻印が施されていない製品や、薄くて見えづらいものも存在します。
一方で、刻印の有無だけで偽物を断定するのは危険です。製造工程や製品のデザインによって刻印の配置・有無が異なる場合もあり、高い技術を持つ模造品では刻印を模倣していることもあるため、複数の基準から検証することが求められます。
刻印なしのエルメスでも本物の可能性がある4つの理由

正規品なのに刻印が一切見当たらないケースには、いくつかの要因が考えられます。
エルメスの多彩な刻印は基本的に製造年や職人、素材などを表すものですが、すべての製品に規則的に入っているわけではありません。製作の時代や工程で、刻印の在り方が変化することもあるからです。
本物でも刻印がないケースは以下の通りです。
- ・職人の裁量によるもの
- ・デザイン上の理由
- ・経年劣化
- ・製造年代が古い
ここでは、刻印がない理由として代表的な4つの要因を挙げて解説します。
職人の裁量によるもの
エルメスのものづくりは、高い技術を持つ職人が一貫して製作を行う点が特徴です。そのため、職人の判断やデザインに合わせて、刻印の有無や位置が異なる場合があります。
刻印システムが現在ほど厳格に確立されていなかった古い時代のヴィンテージ品では、職人のイニシャル刻印以外の情報が記載されないこともありました。その結果、外見上は刻印がまったくないように見える個体も存在します。
このため、刻印がない製品でも、縫製の精密さ、素材の質感、金具の仕上がりなど、他の品質指標が高水準であれば、正規品である可能性が十分に考えられます。
刻印の有無は、年代による刻印ルールの違いとして理解する必要があります。
デザイン上の理由
バッグや財布などのアイテムにおいて、形状やサイズ、素材の特性によっては刻印を入れる場所が限定されます。たとえば、エキゾチックレザーのように素材が特殊で、型押しが難しい場合には、デザインを優先して刻印を省略するケースが考えられます。
コラボレーションや限定アイテムなどでは、特別仕様として一般的な刻印をあえて付与しないこともあるため、外見上刻印がないように見えることもあります。
製品サイズによる制約も重要な要因です。非常に小さなアクセサリーや革小物では、刻印を施すスペースが物理的に確保できない場合があります。複雑な立体構造を持つ製品では、刻印を打つための平面部分が不足していることもあります。
このようなデザイン上の理由による刻印の省略は、エルメスの美学的価値観の表れでもあり、製品の品質や正当性を疑う理由にはなりません。
経年劣化
ヴィンテージのエルメス製品では、長年の使用によって刻印が薄れ、判読が難しくなることがあります。特にレザーがやわらかくなると刻印部分が摩耗したり、クリーニングなどのメンテナンス過程で塗料が消えたりしてしまうこともあるのです。
革の経年変化は避けることができない自然現象であり、特に頻繁に使用される部分では摩擦によって刻印が徐々に薄れていきます。
バッグの場合、持ち手部分や底面、開閉部分など、手や他の物体との接触が多い箇所では、刻印の劣化が特に顕著に現れます。こうした劣化や修理が重なると、「最初は刻印があったのに、時間の経過とともに消えてしまった」という場合もあります。
経年劣化による刻印の消失は、製品の正当性を疑う根拠にはならず、むしろ長年愛用されてきた証拠として捉えるべきです。
製造年代が古い
1960年代以前のエルメス製品には、そもそも現在のように製造年を示すアルファベット刻印が存在しないものも少なくありません。当時は刻印の規格自体が一貫しておらず、職人のイニシャルのみで製作年を特定できないケースも多かったのです。
初期の刻印システムが導入された1964年から1970年代にかけても、現在ほど厳格な刻印ルールは確立されていませんでした。
この時期の製品では、職人や工房によって刻印の扱いが大きく異なり、同じ年代の製品でも刻印の有無や位置にばらつきが見られます。当時の刻印技術は現在ほど精密ではなく、刻印自体が浅かったり不鮮明だったりすることもありました。
このため、上質なヴィンテージアイテムであっても、製品上にはっきりとした年号の刻印が見られないことがある点には注意が必要です。
エルメスの刻印の製造年代一覧

エルメスではアルファベットを使って製造年を示す方法が導入されています。そのアルファベットには丸や四角などの囲みの有無があり、それぞれの年代を判別できるようになっています。
年代による違いは以下の通りです。
- ・囲みなしのアルファベット(1964年〜1970年)
- ・丸囲みのアルファベット(1971年〜1996年)
- ・四角囲みのアルファベット(1997年〜2014年)
- ・囲みなしのアルファベット(2015年〜現在)
ここでは、製造年代別のエルメスの刻印について詳しく解説します。
囲みなしのアルファベット(1964年〜1970年)
1964年以降のアルファベット刻印は、囲みがなく単にアルファベットだけが刻まれていました。まだ規則が固まっていない時期もあるため、刻印の場所や字体に若干のばらつきがあるともいわれます。
この時代の刻印は、現在のエルメス製品と比較すると非常にシンプルな構造となっており、装飾的な要素は一切含まれていません。
刻印技術も現在ほど高度ではなく、手作業による部分が多かったため、同じ年代の製品でも刻印の深さや鮮明さに個体差が見られることが特徴です。
この年代の製品はヴィンテージとして希少価値が高い反面、刻印自体がかすれてしまっている場合も多いため、真贋判定には注意が必要です。
年代 | 刻印 |
1964年 | T |
1965年 | U |
1966年 | V |
1967年 | W |
1968年 | X |
1969年 | Y |
1970年 | Z |
丸囲みのアルファベット(1971年〜1996年)
1971年からはアルファベットを丸で囲む形式が導入され、より判別しやすくなりました。この期間はエルメスの生産量も徐々に増え、多くのアイテムが流通しています。
丸囲み刻印が入っているアイテムであれば、製造年の特定がスムーズに行えるケースが多く、ヴィンテージ市場でもよく見られる年代です。
丸囲み刻印の特徴として、円の太さや大きさが比較的統一されており、偽造品では この精密さを再現することが困難とされています。
年代 | 刻印 | 年代 | 刻印 | 年代 | 刻印 |
1971年 | Ⓐ | 1980年 | Ⓙ | 1989年 | Ⓢ |
1972年 | Ⓑ | 1981年 | Ⓚ | 1990年 | Ⓣ |
1973年 | Ⓒ | 1982年 | Ⓛ | 1991年 | Ⓤ |
1974年 | Ⓓ | 1983年 | Ⓜ | 1992年 | Ⓥ |
1975年 | Ⓔ | 1984年 | Ⓝ | 1993年 | Ⓦ |
1976年 | Ⓕ | 1985年 | Ⓞ | 1994年 | Ⓧ |
1977年 | Ⓖ | 1986年 | Ⓟ | 1995年 | Ⓨ |
1978年 | Ⓗ | 1987年 | Ⓠ | 1996年 | Ⓩ |
1979年 | Ⓘ | 1988年 | Ⓡ |
四角囲みのアルファベット(1997年〜2014年)
1997年以降は、アルファベットを四角で囲むスタイルが登場しました。これにより、前の時期とははっきり一目で区別できるようになっています。
四角囲み刻印があるバッグや財布などは、比較的新しい部類に入るため、コンディションの良いものが多いのも特徴です。
真贋判定においては、四角囲みの角の鋭さや線の太さの均一性が重要なポイントとなり、偽造品ではこれらの精密さを再現することが困難とされています。
年代 | 刻印 | 年代 | 刻印 | 年代 | 刻印 |
1997年 | A | 2003年 | G | 2009年 | M |
1998年 | B | 2004年 | H | 2010年 | N |
1999年 | C | 2005年 | I | 2011年 | O |
2000年 | D | 2006年 | J | 2012年 | P |
2001年 | E | 2007年 | K | 2013年 | Q |
2002年 | F | 2008年 | L | 2014年 | R |
※四角囲みとして読み替えてください
囲みなしのアルファベット(2015年〜現在)
2015年以降は再びアルファベット刻印に囲みがなくなり、新たなスタイルになっています。ただし、アルファベットの進行が規則どおりとは限らず、順不同で設定されています。
このため、従来の方法とは異なる新ルールが採用されているケースもあり、近年製造されたアイテムの年式を確認する際は、最新情報をチェックすることが大切です.。
現代の刻印技術は過去最高水準に達しており、レーザー技術やコンピューター制御による精密加工により、極めて正確で美しい刻印が実現されています。この技術革新により、偽造品との差がより明確になり、真贋判定の精度も向上しています。
年代 | 刻印 | 年代 | 刻印 |
2015年 | T | 2020年 | Y |
2016年 | X | 2021年 | Z |
2017年 | A | 2022年 | U |
2018年 | C | 2023年 | B |
2019年 | D | 2024年 | W |
エルメスの製造年以外の特殊な刻印と特徴

エルメスの刻印は、関係者や特別注文の証明となるものもあるため、コレクターやマニアにとっては製品の希少価値を測る重要な手掛かりと言えます。
特殊な刻印と特徴は以下の通りです。
- ・素材を示す刻印
- ・スペシャルオーダー品を示す刻印
- ・関係者向け製品を示す刻印
- ・アウトレット品を示す刻印
- ・特定の職人を示す刻印
- ・アトリエを示す刻印
ここでは、エルメスの製造年以外の特殊な刻印と特徴について詳しく解説します。
素材を示す刻印
エキゾチックレザーなどの特殊な素材を使用する場合、素材を示す記号が刻印として入れられることがあります。例えばクロコダイル・ポロサスを示す記号や、リザードを表す印など、素材ごとに異なる刻印が取り入れられています。
最も代表的なものがクロコダイル・ポロサスを示す「∧」マークです。ポロサスはクロコダイルの中でも最高級とされる素材で、ウロコの細かさと美しい光沢が特徴です。
クロコダイル・ニロティカスには「••」の刻印が施されます。ニロティカスはナイル川流域に生息するクロコダイルから採取される革で、ポロサスと比較してやや大きめのウロコ模様が特徴です。
アリゲーターを使用した製品には「□」マークが刻印されます。北アメリカ産のアリゲーターは耐久性に優れており、使い込むほどに柔らかくなる特性があります。
スペシャルオーダー品を示す刻印
顧客が特別にオーダーしたバッグには、馬蹄マークなどの専用刻印が入っています。一般的なラインナップにはないカラーや素材を組み合わせるスペシャルオーダー品は、特別感が際立つアイテムといえます。
この馬蹄マークは、エルメスの創業当初の馬具製造業としての歴史を象徴する特別な意味を持っています。刻印位置は通常、「HERMES PARIS MADE IN FRANCE」ロゴの左側に配置されることが多く、製品によってはロゴの下部の場合もあります。
馬蹄刻印が入っている製品はコレクターの注目を集めることも多く、リセールバリューも高めです。特に、人気の高いカラーコンビネーションや希少素材を使用したものでは、さらに高い価格設定となることもあります。
ただし、偽造のターゲットにもなりやすいため、真贋判定には特に慎重な検証が必要です。
関係者向け製品を示す刻印
エルメス社内のスタッフや関係者向けに限定生産された製品には、一般流通するアイテムとは異なる刻印が見られる場合があります。これらは正規品の一種ですが、通常の流通経路ではまず見かけない希少アイテムといえます。
商業的な販売を目的とせず、ブランドの内部関係者への特別な贈り物や功労者への表彰品として製作されるため、一般消費者が正規ルートで入手することは不可能です。
刻印は社内向けだけのコードが用いられることがあり、稀少性が高い分、二次流通では非常に注目されます。
真贋判定においては、スターマークの形状、大きさ、刻印の深さ、位置などが重要なポイントとなります。偽造品では、単純な星型記号で代用されることが多く、本物の流れ星を模した繊細な造形を再現することは困難とされています。
アウトレット品を示す刻印
エルメスのアウトレット品には「S」の刻印がつけられることがあり、通常ラインの製品と区別されています。ただし、エルメスでは公式アウトレットストアの取り扱いが極めて少ないため、市場に流通する頻度はあまり高くありません。
限定的に開催される会員向けセール「エルメス・ソルド」は、ブランドの優良顧客のみを対象とした非公開のセールイベントで、年に1〜2回程度、特定の期間と場所で開催されます。
このセールに参加できるのは、エルメスから直接招待を受けた顧客のみであり、一般の消費者が自由に参加することはできません。S刻印は「Solde(ソルド)」の頭文字から来ており、フランス語でセールや特価販売を意味します。
アウトレット用の刻印がある場合も正規品には変わりないため、買い手側は商品の背景をしっかり確認する必要があります。
特定の職人を示す刻印
エルメスでは、一つのバッグを一人の職人が仕上げる「ワン・クラフツマン・ワンバッグ」という哲学を貫いています。そのため、職人を識別するためのイニシャル刻印や英数字が施されることがあります。
これらのコードは、アルファベットと数字を組み合わせた複雑な記号で構成されており、一般消費者はもちろん、販売店のスタッフでさえもその詳細な意味を知ることはできません。
刻印の構成は時代によって変化しており、2015年以前は比較的単純な英数字の組み合わせでしたが、現在はより複雑なシステムが採用されています。
こうした職人刻印が入っていると、修理やアフターケアの際にも特定のアトリエや職人と連絡を取りやすくなり、一貫したサービスが受けられる点が魅力です。
アトリエを示す刻印
エルメスはフランス国内を中心に複数のアトリエを保有しており、それぞれの工房にはコードが存在します。そのコードが組み合わさった刻印が、製品に入っている場合があります。
このアトリエ刻印は、エルメス内部の生産管理や品質管理のためにも重要です。コレクター視点ではどの工房で仕立てられたかが分かるため、製品の背景やストーリーをより深く知るきっかけにもなります。
刻印の形式は時代とともに進化しており、初期には単純な文字コードでしたが、現在はより複雑で偽造困難なシステムが採用されています。
一般的には、地域を示すアルファベットと工房番号を示す数字の組み合わせで構成されることが多く、場合によっては製造ラインや使用設備を示す追加コードも含まれることがあります。
【モデル別】エルメスの刻印の位置

エルメスの人気モデルは刻印の入り方や位置が異なるため、どこをチェックすればよいのか事前に知っておくと便利です。バーキンやケリーなどの代表的なバッグはもちろん、ボリードなどの比較的カジュアルなラインにも刻印が入っています。
エルメスの代表的なモデルは以下の通りです。
- ・バーキン・ケリー
- ・ボリード
- ・ピコタン
- ・エヴリン
- ・リンディ
ここでは代表的なモデルを取り上げ、実際にどのあたりに刻印が施されているかを紹介します。
バーキン・ケリー
バーキンやケリーはフラップ裏やベルト裏に刻印が入ることが多いモデルです。フラップをめくった部分や金具付近を丁寧に見てみると、アルファベットや記号が確認できます。
特にケリーはベルト部分とバッグ本体の間に隠れるように刻印があり、慣れないと見逃してしまうこともあるため注意が必要です。
2014年以前のバーキンとケリーでは、正面中央のクロアベルト(留め具のベルト)の裏側に刻印が施されていました。この位置は、バッグを開閉する際に自然に見える場所であり、所有者が刻印を確認しやすい配置です。
2015年以降、刻印位置は大幅に変更され、バッグ内部の左側マチ部分上部に移動しています。この変更により、刻印の確認はより困難になり、懐中電灯などの照明器具を使用しなければ見えない場合も多くなりました。
ボリード
ボリードは内側のポケット付近や、ファスナー近くに刻印が入っている場合が多いです。モデル自体がカジュアルな印象ながらも、定番として長年人気があります。
近年人気の高いボリード1923では、従来のボリードと若干異なる刻印位置が採用される場合があります。具体的には、従来の右側タブに加えて、内部のオープンポケット内に刻印される場合もあります。
素材による刻印位置の違いも注意が必要です。エキゾチックレザーを使用したボリードでは、革の特性や加工の制約により、通常とは異なる位置に刻印される場合があります。
特にクロコダイルやアリゲーターを使用した製品では、ウロコの配置を考慮して刻印位置が調整されることがあります。刻印の位置は複数のパターンがあるため、ボリードを確認するときは内側を丁寧にチェックすると良いです。
ピコタン
ピコタンはシンプルなデザインで開口部が広いのが特徴です。開口部付近の内側など、あまり目立たない場所に刻印があることが多いので、見落としに注意です。丸型のフォルムに合うよう配慮されており、刻印が小さめの場合もあります。
最も一般的な刻印位置は、バッグ内側の中央部分、特にバッグを正面から見た際の中心線付近にあるレザー部分です。この位置は、バッグの構造上最も安定した部分であり、日常的な使用による摩耗の影響を受けにくい場所として選ばれています。
刻印は縫い合わせ部分の近くに配置されることが多く、バッグの内部構造と調和するよう配慮されています。
ピコタンロックというバージョンでは、カデナ(南京錠)の取り付け部分周辺に刻印が配置される場合もあります。この位置は、カデナの金具と干渉しないよう慎重に計算されています。
エヴリン
エヴリンは、背面にホースのマークをあしらったデザインが有名です。刻印はフラップ裏や背面に近い部分に入れられることが多く、外観からは目立ちにくい位置にあります。
この位置は、正面のHデザインとは反対側にあたり、バッグを使用している際には見えない場所です。具体的には、ショルダーストラップの取り付け部分から少し下がった位置で、縫製ラインに沿って刻印されることが一般的です。
普段の使用では気付きにくい場所のため、しっかり確認すると良いです。
素材による刻印位置の変化も重要な要素です。通常のレザー製品では背面配置が基本ですが、キャンバス素材を使用したバージョンでは、レザー部分が限定されるため、ストラップの根元付近やバッグの底部など、代替位置の場合があります。
リンディ
リンディは機能的なポケットやハンドルの取り付け方が特徴的です。リンディの製造年刻印は、バッグ内部のサイドレザー部分や縫製付近に打刻されるのが一般的です。確認しづらい位置ですが、真贋判定の際には必ずチェックしておきたいポイントです。
リンディには通常モデルとリンディミニという極小サイズも存在します。リンディミニでは、バッグ内側の側面や底部近くなど、代替位置に刻印される場合があります。
素材による刻印位置の違いも重要な考慮点です。エキゾチックレザーを使用したリンディでは、革の特性やウロコの配置を考慮して、刻印位置が微調整される場合があります。
特にクロコダイルやリザードを使用した製品では、美しいウロコ模様を損なわないよう、最適な位置が慎重に選択されます。
刻印なしのエルメスが本物かどうか見分ける方法

刻印を頼りにできないときでも、エルメス製品の真贋を見極めるためにチェックできるポイントはたくさんあります。
以下の項目を確認しながら、全体の完成度や使い心地を比較検証すると、より確度の高い真贋判定ができます。
- ・素材の質感
- ・縫製
- ・金具のクオリティ
- ・刻印以外のロゴ
- ・コバ(縁)の仕上げ
- ・ファスナー
- ・ハンドル
- ・付属品
ここでは、刻印なしのエルメスが本物かどうか見分ける方法について詳しく解説します。
素材の質感
エルメスのレザーは、触ったときに独特のしっとり感や柔らかさがあり、上質な香りがすることも多いです。合成皮革や質の低いレザーとは雰囲気が異なり、長く使うほど味わいが増すのも特徴です。
代表的なトゴレザーを例に挙げると、本物は自然な革の持つ独特の血筋や毛穴、シボ(しわ模様)が不規則に入っており、一つとして同じ表情を持つものはありません。この自然な不均一性こそが、本物の革の証明となります。
エキゾチックレザーを使用した製品では、さらに顕著な違いが現れます。クロコダイル・ポロサスの場合、本物は一つ一つのウロコが立体的で、光の当たり方により美しい陰影を生み出します。
年代による革質の変化も見逃せません。ヴィンテージのエルメス製品では、経年による自然な色の変化や質感の向上が見られ、これは時間をかけてのみ生み出される本物の証拠となります。
縫製
職人の技術が詰まった縫製は、細かなステッチのピッチが正確で、歪みや糸のほつれがほとんどありません。特に曲線部分や角のステッチが均一かどうかはチェックするポイントになります。
エルメスの縫製で最も特徴的なのは、手縫いとミシン縫いの使い分けです。手縫い部分は職人が二本の針を使って行う「サドルステッチ」という伝統技法で仕上げられ、糸が右下がりの角度で配置されるのが特徴です。
一方、ミシン縫いの部分は糸が右上がりになり、この違いを理解することで手縫い箇所を正確に識別できます。
縫い目の間隔も重要な判定ポイントです。手縫い部分では、1センチメートルあたり約3〜4針という細かい間隔で縫製されており、この密度は長年の経験を積んだ職人でなければ実現できません。
金具のクオリティ
エルメスの金具にはメッキのムラが少なく、角の仕上げが滑らかで、触れたときに上質な重みを感じるものがほとんどです。
パラジウムメッキの金具は、シルバーよりも白く、プラチナに近い上品な光沢を持ち、経年変化に強い特性があります。
ゴールドメッキは深みのある金色で、使用とともに味わい深い色合いに変化していきます。これらの金属処理は特殊な技術により施されており、偽造品では同等の品質を実現することは困難です。
ロゴの刻印や微細な部分も丁寧に作り込まれています。エルメスの金具には「HERMÈS PARIS」の刻印が施されていますが、非常に精密で深く、文字の輪郭が鮮明です。
レーザー刻印技術により実現された本物の刻印は、光の角度を変えても文字がはっきりと読み取れます。偽造品では、刻印が浅かったり、文字が潰れていたりすることが多くあります。
刻印以外のロゴ
エルメスのロゴはフォントやサイズが比較的一貫しており、文字間のバランスも整っています。特に「È」の上部にあるアクサングラーブ(`)の角度と位置は非常に特徴的です。
偽物はこの部分に違和感があったり、文字の細部が雑に処理されていたりするケースが多いです。文字間のスペーシングも精密に計算されており、「HERMÈS」と「PARIS」の間隔、「MADE」「IN」「FRANCE」の各単語間隔も規則性があります。
ロゴの刻印深度は、革の厚さや質感に応じて調整されています。トゴレザーのような厚手の革では深めに、薄いレザーでは浅めに刻印されるなど、職人の技術と判断により最適な深さが選択されます。
これは革の特性を熟知した職人でなければ不可能であり、偽造品では一律の深さで刻印されることが多く、不自然な仕上がりとなります。
コバ(縁)の仕上げ
コバと呼ばれるレザーの切り口部分は、きれいに磨かれ塗料が丁寧に塗り込まれているのがエルメスの特徴です。雑な仕上げや塗りムラが見られる場合は、精巧な偽物の可能性を疑う必要があります。
コバの色合いも重要な特徴です。エルメスでは、製品の革色に調和するよう、コバの色が慎重に選択されています。黒い革製品では濃い茶色や黒色のコバ、明るい色の革では革色に近いトーンのコバが使用されます。
コバの厚みと均一性も注目すべきポイントです。熟練した職人により仕上げられたコバは、全周にわたって均一な厚みを保っており、どの角度から見ても美しいラインを描いています。
各工程での処理跡は、熟練者であれば識別可能であり、偽造品との明確な差別化要因となります。
ファスナー
エルメスのファスナーはスムーズな開閉だけでなく、金具部分にも高品質な材質が用いられています。過去の製品にはスイスのリリ(riri)社製のものが多く見られましたが、近年ではエルメス独自の「H」マークが入ったファスナーが主流となっています。
これらのファスナーは、エルメスの品質基準に適合するよう特別に製造されています。ファスナーエレメント(歯)の形状や大きさ、材質も特別仕様となっており、開閉の感触がスムーズで引っかかりがなく、摩擦音が少ないことが多いです。
ファスナーの引き手部分には、エルメスのロゴが刻印されており、この刻印の品質も真贋判定の重要なポイントです。
本物の刻印は非常に精密で、文字の輪郭が鮮明に表現されています。引き手の形状も独特で、握りやすさと美観を両立させたデザインとなっています。
ハンドル
バッグを支えるハンドルはレザーの選定や縫製にこだわりが感じられ、しっかりと強度があります。偽物は持ち上げたときに不自然に柔らかかったり、すぐに型崩れしたりしてしまう場合があります。
ハンドルの断面形状は、握りやすさを追求した独特のデザインとなっています。単純な円形ではなく、手のひらの形状に合わせて微妙に楕円形に調整されており、長時間の使用でも疲れにくい設計です。
この形状は、革の裁断から成形まで高度な技術を要するもので、熟練した職人でなければ実現できません。偽造品では、コスト削減のため単純な円形断面で製作されることが多く、握り心地に明らかな差が現れます。
ハンドルの革の厚みも重要な要素です。エルメスでは、使用する革の厚みを製品の用途やサイズに応じて最適化しており、必要な強度を確保しながらも過度に重くならないよう配慮されています。
付属品
エルメスのカデナやクロシェットには刻印やシリアルが入っている場合があり、付属の保護袋にも上質な素材が使われています。これらの付属品まで丁寧に作り込まれているかどうかも重要なポイントです。
本物の保護袋は、高品質なコットン100%の生地で製造されており、適度な厚みと柔らかな手触りが特徴です。縫製も丁寧で、縫い目が直線的で美しく、糸端の処理も完璧です。
偽造品の保存袋では、生地の品質が劣り、ざらつきがあったり、縫製が雑だったりすることが多くあります。
保存袋に印刷されたロゴも重要な判定要素です。本物のロゴは、深い茶色で鮮明に印刷されており、馬と人物の細部まで精密に表現されています。印刷の位置も正確で、袋の中央に適切に配置されています。
偽造品では、ロゴの色が薄かったり、印刷がぼやけていたり、位置がずれていたりすることがあります。
刻印なしのエルメスが本物かどうかわからない場合の対処法

自力で判断するのが難しい場合には、いくつかのステップを踏むことでリスクを抑えることができます。まずは購入元の信頼度を確認したり、購入前にできる限り実物を細部までチェックしたりします。
オンラインでの取引の場合、高解像度の写真を確認し、疑問点は出品者に尋ねます。証明書や購入証明がついているかどうかも大きな手がかりになります。
それでも確信が持てない場合には、豊富な知識を持つ専門業者やブランド鑑定機関に依頼するのが得策です。一度有料鑑定を受ければ、仮に購入後のトラブルが起きてもスムーズに対処しやすくなります。
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刻印の有無や状態に関わらず、エルメス製品の真贋鑑定には専門知識と多くの経験が欠かせません。
買取ウリエルでは、エルメスの査定経験が豊富なスタッフが、製造年刻印はもちろん、素材や縫製、金具などあらゆるディテールから真贋を見極めます。
丁寧な対応と豊富な実績で、信頼度の高い査定を実施していますので、初めての方でも安心して相談いただけます。
エルメスのアイテムを売却・鑑定する際は、ぜひ買取ウリエルまで問い合わせてみてください。
まとめ
エルメス製品の真贋を左右するのは、単に刻印の有無だけではありません。製造年や素材に応じた特殊な事情で刻印が入っていなかったり、経年で消えたり、もともと薄かったりとさまざまな理由が考えられます。
どうしても判断がつかない場合は、専門鑑定サービスを利用し、確実な情報を得ると安心です。
お手持ちのエルメス製品の価値が気になる方や、真贋に不安を感じる方は、ぜひ買取ウリエルにご相談ください。経験豊富な査定士が、刻印だけでなく製品を総合的に評価し、適正な価値判定を行います。
無料査定も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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