着物買取2021年11月03日

白山紬の着物の特徴や歴史、買取価格は?牛首紬との違いも紹介

日本三代紬の一つ、牛首紬と並ぶ品質を誇る着物が白山紬です。

品質の高さは一級で手放すのはもったいないものですが、着る機会が減って買取を希望している人もいるのではないでしょか。

この記事では白山紬の歴史や特徴、さらに買取相場について解説します。

着物の買取は見る側の目が大切です。高値での売却を望むなら、着物の専門知識をもつウリエルへご相談ください。

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白山紬(はくさんつむぎ)とは

白山紬

ここでは白山紬の概要とその由来を解説します。

牛首紬と同じ起源をもつ

白山紬の発祥は石川県の白峰村です。

日本三代紬の一つである牛首紬も白峰村に由来する紬で、白山紬は牛首紬と同じルーツをもちます。

すべて手作業で織られる牛首紬は高価なのに対して、白山紬は力織機と呼ばれる機械を使って作られるので、比較的手に取りやすい紬です。

機械織りだからといって白山紬の質が劣るわけではなく、白山紬は生地の締まりがよく丈夫で、染めたときの艶やかさなどは牛首紬と並ぶ質の高さを誇ります。

光沢のある華やかさと深みと重みのある気品の両方を味わえる紬(絹で作られた織物のこと)です。

染色した絹糸を使って織るので、個性豊かな柄を表現できます。

紬は色落ちしづらく、またハリがあって傷みに強いのが特徴です。

生地の丈夫さもあって、江戸時代には下級武士、上流階級の町人・商人など多くの世代の人たちが着用していました。

着たときにパリッとして引き締まるような着心地、それが白山紬の魅力です。

金沢市近郊で独自の進化を遂げる

白山紬も牛首紬も起点は同じ石川県の白峰村で、白山紬ももとを辿れば牛首紬です。

牛首紬は手作りであるため量産が難しく、また作り手である職人の技術に頼るため、品質が安定しないといった課題がありました。

こうした困難を乗り越える形で、白山紬は牛首紬の伝統製法を継承しつつ、機械織りによって生産を安定させていくのです。

ちなみに現在、牛首紬の工場は加藤機業場と白山工房の2軒です。

白山工房では近代化が進められ、一部機械を導入しつつ、あくまで伝統的な牛首紬の生産を行なっています。

一方の加藤機業場は、人の力以外のものは使わない製法にこだわった牛首紬を手がけています。

着物以外にも袱紗(ふくさ)や風呂敷が人気

白山紬の袱紗

引用:https://www.shisyu.net/product/%E7%99%BD%E5%B1%B1%E7%B4%AC%EF%BC%88%E8%A2%B1%E7%B4%97%E3%83%BB%E9%A2%A8%E5%91%82%E6%95%B7%EF%BC%89/

白山紬の魅力は華やかな風合い深く渋みのある雰囲気、このどちらも演出できることです。

白山紬の持ち味を活かして、着物のほかにも袱紗(ふくさ)や風呂敷としても使われています。

最近では化学繊維をはじめ、さまざまな素材を用いた袱紗や風呂敷がありますが、やはり伝統的な織物を選ぶ人もいるでしょう。

白山紬の質感と丈夫さは着物のみならず、袱紗や風呂敷でも評価されています。

白山紬の特徴

数種類の糸

生地の丈夫さと適度な艶感に定評がある白山紬ですが、特徴について詳しく見ていきましょう。

丈夫な生地

牛首紬は生地の強さに定評がありますが、その特性を備えた白山紬の生地もまた丈夫です。

強さの秘密は糸にあり、織物の縦糸には普通の生糸(絹糸)が使われますが、横糸に使われるのは玉繭からできる節糸を使用しています。

玉繭とは、2頭のカイコが作る繭が重なったものを指します。

繭が絡まり合っているので太めで節がありますが、できる糸は弾力があって丈夫です。

昔はクズ繭として不良品扱いされていたそうですが、今では2頭分の繭ということで希少性が高い繭の扱いに変化しました。

白山紬は人工的に節を作って太さを出したスラブヤーンと呼ばれる糸を使っています。

ちなみに牛首紬で使用されるのはカイコが生み出す玉繭です。

いずれにしても節のある糸を使って作られるのが両者の特徴でもあります。

特に、節糸を使って織られる白山紬はハリがあって丈夫です。

そもそも牛首紬は生地が強く、釘にかかっても破れずに釘を抜いてしまうほど、ということから「釘抜紬」との異名をもちます。

白山紬も牛首紬の特徴を受け継いでいるため、生地の強さはお墨付きです。

艶や光沢

白山紬は艶やかさが程よく、品がある織物だと言われます。

糸と糸の密度が高いため、生地はしっかりとしていますが、さらりとした肌触りです。

節糸のアクセントが相まって、華やかになり過ぎず、また暗過ぎずに適度な光沢が生まれます。

独特の風合い

それぞれ紬には特徴があり、風合いという言葉で表現されます。

生地の厚みや重さ、ハリやコシ、ドレープ性(体のラインに対するフィット感)などが作り出す布地の触感が風合いです。

光沢が強ければ華やかで豪華な印象になり、布地のトーンが落ち着いていれば清楚で優しい雰囲気が生まれます。

白山紬にはシボと呼ばれる凹凸があり、生地は波のようなうねりがあるのが特徴です。

革製品にもひび割れのような模様があるものがあり、これも同じくシボと呼びます。

白山紬のシボは節糸がつくりだす個性で、白山紬の風合いを生みます。

紬地に漂う節がつくり出す程よいシャリ感は華やかになり過ぎず、かといって暗くもありません。

白山紬は豪華と清楚のちょうど中間と言えるでしょう。

そのため、お祝いごとからお悔みごとまで幅広い場面で活躍してくれます。

力織機(りきしょっき)を使った機械織

牛首紬が手作業で織られるのに対して、白山紬は力織機と呼ばれる機械を使って織られます。

熟練した職人が手がける織物のほうが優れているようにも思えますが、機械織りだからといって価値が低いわけではありません。

機械織には質の均一感があり、人の力だけでは生み出せない安定した織物が生まれます。

また牛首紬と同じく節の波があり、優雅ながら素朴な風合いが健在です。

牛首紬との違いとは

牛首紬

引用:https://ushikubi-tsumugi.com/

牛首紬と比べられることの多い白山紬ですが、ここで2つの紬の違いについて見ていきます。

牛首紬とは?

歴史の深さと質の高さから、牛首紬は日本三大紬に数えられます。

大島紬(おおしまつむぎ)、結城紬(ゆうきつむぎ)に次ぐ日本の伝統紬と高い評価を得ています。

大島紬や結城紬に比べればやや知名度は落ちますが、日本紬として揺るぎない地位をもつ品物といっても過言ではありません。

牛首紬にしか生み出せない風合いを好む人も多く、着物通の人なら必ず知っている紬です。

牛首紬についてはこちらの記事をご覧ください。

牛首紬

作業工程の違い

白山紬と牛首紬は作業の工程が違います。

・白山紬は機械織り
・牛首紬は手織り

手織りと呼ばれる牛首紬は糸を作る段階から手作業です。

はじめは毛糸玉のように丸まっている繭を熱湯でほぐし、まるでクモの巣のように細い繊維を糸と呼ばれる束にしていきます。

熟練した職人が数人かかって糸を紡いでも、3日間で得られるのはわずか一反分(着物一着分)です。

それから糸を伸ばして乾かし絹糸に空気を含ませていくことにより、空気を含んだ絹糸はしなやかで大変丈夫です。

こうして作られた後に織物として編まれていきます。

織り機として使われるのは金属製の機械ではなく、「バッタン機」と呼ばれる木製の織り機です。

金属製だと布地の質感が固くなるため、木製の力織機が使われています。

工程を見ると、どれほど手間のかかる作業であるかがおわかりいただけるでしょう。

職人の技が込められた手織りは素晴らしい紬に違いありませんが、これらの技術を産業として残していくには量産が避けられない側面もあります。

このような作業工程に力織機を導入して織られるのが機械織りです。

生地や糸の違い

白山紬は牛首紬と同じように布地の節目や波・うねりがあります。

ただし手織りと機械織りの違いもあって、生地の質感は違うのでまったく同じではありません。

  白山紬 牛首紬
絹糸の由来
節糸 人工的に節をる節糸 本来の玉繭からる節糸
生地の厚み 薄め 厚め
生地の固さ やや固い やわらかい
生地の肌触り さらりとしている しっとりと吸い付く感じ

白山紬と牛首紬の違いは、着物を専門にしている人なら触れただけでわかると言われています。

しかし、一般の人には見分けるのが難しいかもしれません。

白山紬の買取価格の相場は?

電卓と海外通貨

ここで、白山紬の買取価格の相場について見ていきます。

白山紬は牛首紬に比べて購入しやすい価格帯

機械製なこともあり、もともと白山紬は購入しやすい価格帯です。

また中古の買取となれば価格は低めです。

牛首紬の買取価格の相場は3~5万円前後となるため、白山紬の場合は数千~高くても2万円ほどとなるでしょう。

販売価格にあわせて買取価格も安くなる傾向

着物の価値は需要によって相場感が変動します。

白山紬にしても牛首紬にしても、新品の価格が下降すれば中古価格も落ち、買取価格が大幅に下落する可能性は否めません。

一般に古物扱いとなれば、価格は落ちていく場合がほとんどです。

売るかどうか迷っている白山紬があるなら、早い段階で査定だけでも受けてみるとよいでしょう。

高く売るためのポイント

ひらめき

白山紬を高く売るためのポイントをまとめておきます。

証書の提示があると買取価格も上がる可能性も

手持ちの着物を売ろうと思うなら、まずは証紙や落款の所在を確認しておきましょう。

証紙は着物の制作元や品質を証明する書類で購入時に添付されています。

また落款も同じく着物の発祥を証明する証です。

こちらは布地に押印されています。

状態によって買取価格は変わる

着物はデリケートな品物なので、シワや汚れ、カビや虫食いなどがあると価値が落ちてしまいます。

ただし業者によっては買取をしてくれるお店もあるため、自己判断で諦めずにまずは査定に出してみましょう。

着物買取専門店に依頼する

同じ衣類であっても買取店によって査定額は変わるものです。

特に着物は目利きのプロでなくては確認できないポイントがいくつもあります。

着物の価値がわかる査定士であれば、銘柄や仕立て屋、販路、現在の相場感などをもとに適切な価格を付けることができます。

フリマや一般の中古店だと二束三文の査定額となる場合があるため、査定を受けるときは必ず着物専門の買取業者に依頼しましょう。

まとめ

白山紬は牛首紬に比べるとリーズナブルな着物ですが、それは決して価値が劣るというわけではありません。

一度袖を通した品物であっても、着物の状態や染め方、柄、そのときの相場などによって、売値は変わります。

また買取の場合は、査定士が着物に精通しているプロかどうか値付けにも影響するので、買取業者選びが大切です。

ウリエルは着物の専門知識をもつ経験豊富な査定士が対応いたします。

査定に関する費用は一切かからないので、まずはお気軽に無料査定をご利用ください。

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