ウイスキーに賞味期限はある?開封後10年経つと腐る?

「ウイスキーに賞味期限はあるの?」と疑問をお持ちの方がいると思います。
ウイスキーは銘柄にもよりますが、1本に700ml程度の容量があり、一度で飲み切ることは多くはないでしょう。開封後のウイスキーを美味しく召し上がるためにはいくつかのコツがあり、正しく保管していれば長く美味しく味わうことが可能です。
本記事では、ウイスキーの賞味期限や、正しい保管方法について詳しく解説していきます。
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目次
ウイスキーに賞味期限はあるのか?

ウイスキーのボトルやパッケージを確認しても、賞味期限や製造年月日の表示が見当たりません。これは単なる表記漏れではなく、ウイスキーという飲料の特性と法律的な背景に基づいた正当な理由があります。
- ・理由1:高アルコール度数で品質の劣化や腐敗の原因となる細菌が生息できないため
- ・理由2:法的な表示義務がないため
- ・【注意】缶のハイボールは賞味期限あり
ここでは、ウイスキーに賞味期限がない理由について詳しく解説します。
理由1:高アルコール度数で品質の劣化や腐敗の原因となる細菌が生息できないため
食品や飲料が腐敗したり品質が劣化したりする主な原因は、細菌や微生物の働きによるものです。これらの微生物は、食品中のタンパク質や糖質を栄養源として繁殖し、腐敗や発酵を引き起こします。
ウイスキーは蒸溜酒と呼ばれる種類のお酒で、醸造酒を加熱して出てきた蒸気を冷やし、液化させたものです。この製造過程で何度も加熱されるため、酵母などの発酵を促す微生物が瓶の中に残ることはありません。
また、細菌は高アルコール度の環境下では生息することができません。ウイスキーのアルコール度数は通常40度前後ありますが、この濃度では細菌やカビが繁殖する余地がほとんどないのです。
このため、ワインや日本酒といった醸造酒と比較すると、ウイスキーは品質の劣化が起こりにくいという特徴があります。
理由2:法的な表示義務がないため
ウイスキーに賞味期限の表示がないもう一つの理由は、法律によって表示義務が免除されていることです。
農林水産省が公表している「加工食品の表示に関する共通Q&A」では、期限表示の表示対象と省略が可能な品目について記載されており、「酒精飲料」は「省略可」となっています。
この法的免除の背景には、前述した高アルコール度数による保存性の高さがあります。
食品表示法は消費者の安全と適切な選択を目的としていますが、ウイスキーのような高アルコール飲料は微生物による腐敗のリスクが極めて低いため、期限表示の必要性がないとされています。
このように、ウイスキーに賞味期限表示がないのは、単に法律で免除されているだけでなく、科学的根拠に基づいた合理的な判断によるものです。
【注意】缶のハイボールは賞味期限あり
同じウイスキーを使用した製品でも缶のハイボールには賞味期限が設定されているため注意が必要です。
缶ハイボールには、通常1年程度の賞味期限が設定されています。缶ハイボールもアルコール飲料であるため腐敗する心配はありませんが、時間の経過とともに炭酸が抜けてしまい、品質が変化してしまうためです。
炭酸飲料の炭酸は、時間が経つと徐々に抜けていく性質があります。缶はペットボトルよりも密閉性が高い容器とされていますが、それでも完全に炭酸の抜けを防ぐことはできません。
そのため、缶ハイボールには炭酸が抜け始める時期を基準に、メーカーによる品質保証の観点から自主的に表示されています。このように、ボトル入りのウイスキーと缶ハイボールでは保存性が大きく異なります。
ウイスキーの正しい保存方法

ウイスキーは賞味期限がなく、長期間の保存が可能なため、10年後、20年後であっても腐ることはありません。芳醇な香りや風味を長く楽しむためには、正しい保存方法で管理することが重要です。
下記ではウイスキーの正しい保存方法を、未開封と開封済みの場合でそれぞれ詳しく解説していきます。
保存方法は、以下の2つの状態によって異なります。
- ・未開封の場合
- ・開封済みの場合
下記ではウイスキーの正しい保存方法を、未開封と開封済みの場合でそれぞれ詳しく解説していきます。
未開封の場合
未開封のウイスキーは、適切な環境で保存すれば非常に長い期間品質を保つことができますが、未開封であっても保管環境が悪ければ、ウイスキーの色や香り、味わいに変化が生じることがあります。
適切に保存するためには、以下の重要なポイントを守る必要があります。
- ・直射日光を避ける
- ・高温多湿を避ける
- ・縦置きで保管する
- ・においのあるものに近づけない
- ・密閉する
直射日光を避ける
ウイスキーを保存する際に最も注意すべき点の一つが、直射日光や紫外線から守ることです。
ウイスキーは紫外線のダメージに非常に弱い飲み物です。直射日光が当たる場所に保管すると、紫外線の影響でウイスキーの色が変化したり、香りや味わいが損なわれたりする可能性があります。
日光だけでなく部屋の蛍光灯や強い電気の光もガラス瓶を通り抜けてウイスキーの酒質に影響を与えることがあります。長時間照明の下に置いておくだけでも、少しずつダメージが蓄積されていきます。
ウイスキーを光から守るための最も効果的な方法は、暗い場所で保管することです。具体的には、扉付きの食器棚や納戸、床下収納、階段下のスペースなど、光が届かない場所が適しています。
高温多湿を避ける
ウイスキーの保存において、温度と湿度の管理は非常に重要です。
ウイスキーを保存する理想的な温度は15度から20度前後とされています。この温度帯を維持することで、ウイスキーの品質を長期間安定させることができます。
特に注意すべきなのは温度変化です。季節によって温度が大きく変動する場所や、暖房器具の近くなどは避ける必要があります。
温度が急激に上下すると、ボトル内で膨張と収縮が繰り返され、栓の隙間から空気が入り込んだり、逆にウイスキーの成分が揮発したりする原因となります。
湿度についても適度に保つ必要があります。理想的な湿度は50パーセントから70パーセント程度とされています。湿度が高すぎる環境では、ラベルや箱にカビが発生するリスクがあります。
キッチンシンクの下や床下収納は、湿気が溜まりやすく高湿度になりがちなため、絶対に避けるべきです。
縦置きで保管する
ワインの場合はボトルを横に寝かせて保管することが一般的ですが、ウイスキーの場合は全く逆です。この違いは、両者のアルコール度数と栓の材質に関係しています。
ウイスキーを横に寝かせると、液体が栓に長時間接触することになります。ウイスキーはアルコール度数が40度以上と高いため、栓の材質を劣化させる可能性があります。特にコルク栓の場合、この影響は非常に大きいです。
横置きにすると空気に触れる面積が大きくなってしまうという問題もあります。縦置きの場合、液面は円形の断面積のみですが、横置きにすると液面がボトルの側面全体に広がり、酸化が進みやすくなってしまいます。
保管スペースの都合で横置きにしたくなる気持ちもあるかもしれませんが、ウイスキーの品質を守るためには縦置きを徹底することが重要です。
においのあるものに近づけない
ウイスキーは木樽に移し替えて保存するだけで、樽材の香りや風味の影響を受けるほどデリケートなお酒です。このことからも分かるように、近くににおいの強いものがあると、その影響を受けやすい性質があります。
未開封の状態でも、長期間においの強い物の近くに置いておくと、ボトルを通してにおいが移る可能性があります。ガラス瓶は密閉性が高いように思えますが、完全ににおいを遮断できるわけではありません。
具体的に避けるべきにおいの強いものとして、まず香水や芳香剤が挙げられます。これらは強い香りを長時間放ち続けるため、ウイスキーと同じ空間に置いておくのは非常に危険です。
洗面所や脱衣所の近くに保存する場合は石けん・シャンプー・柔軟剤に、押し入れや納戸に保存する場合は防虫剤・消臭剤に注意する必要があります。
密閉する
ウイスキーの品質を長期間維持するためには、しっかりとした密閉状態を保つことが非常に重要です。ウイスキーはアルコール度数が高く糖質が少ないため酸化しづらいといえますが、揮発性の成分を多く含んでいます。
ウイスキーにとって大事な香りもアルコールも揮発性の成分です。つまり、わずかでも隙間があれば徐々に抜けていき、時間の経過とともに香りも味わいも変化してしまいます。
隙間から揮発成分が漏れていくだけではなく、外から空気が入り込めば、ゆっくりとですが酸化も進んでしまいます。酸化が進むと、ウイスキーの色が濃くなったり、香りが薄れたり、味わいが変化したりします。
特に注意が必要なのはコルク栓で、長期間保管するのであれば、コルク栓を閉めた上からパラフィルムを巻いておいた方が良いです。ボトルの栓部分に巻きつけることでしっかりとした密閉状態をつくることができます。
開封済みの場合
開封済みのウイスキーは、未開封の場合と比較して品質が変化しやすくなります。しかし、適切な保存方法を実践すれば1年から2年程度は品質を保つことができます。
適切に保存するためのポイントは以下の通りです。
- ・未開封と同様に密閉
- ・プライベート・プリザーブを使用してボトル内の空気を追い出す
- ・できるだけ早く飲み切る
未開封と同様に密閉
開封後のウイスキーの劣化を防ぐためには、空気との接触を最小限に抑えることが不可欠です。栓が緩んでいたり、完全に閉まっていなかったりすると、ボトル内に空気が入り込み、酸化が急速に進んでしまいます。
グラスに注いだ後、ついそのまま会話に夢中になって栓を開けっ放しにしてしまうことがあるかもしれませんが、これは避けるべきです。ウイスキーを開けっ放しにしておくと、アルコールや香り成分がどんどん揮発していきます。
スクリューキャップの場合は、しっかりと締まるまで回すことを心がけます。コルク栓の場合は、栓を差し込む際に正しい位置にまっすぐ入っているかを確認する必要があります。
開封後のウイスキーにも、パラフィルムの使用は非常に有効です。未開封の場合と同様に、栓の上からパラフィルムを巻きつけることで、密閉度を大幅に高めることができます。
プライベート・プリザーブを使用してボトル内の空気を追い出す
プライベート・プリザーブとは、ワインを保存する際に使われることの多い保存用のガスです。
窒素ガスや炭酸ガスなどの不活性ガスが入ったスプレーで、飲み残したボトルの中をガスで充満させることで、空気に触れにくくさせ風味を長持ちさせるという効果があります。
使用方法は非常に簡単で、ウイスキーを飲んだ後、ボトルの口から瓶の中に向けて数回スプレーします。これにより、ボトル内の空気がガスに置き換わり、ウイスキーが酸素に触れにくい状態になります。
スプレーした後は、速やかにしっかりと栓を閉め、その上からパラフィルムを巻いておけば、密封に近い状態をキープでき安心です。
ボトル内の残量が少なくなってきた場合は特に有効です。ボトル内の空気の割合が多くなるほど酸化が進みやすくなるため、残量が3分の1以下になったらプライベート・プリザーブの使用を検討すると良いです。
できるだけ早く飲み切る
開封したウイスキーは、できるだけ6ヶ月以内には飲むようにすることが推奨されます。これは、ウイスキーが本来の香りや味わいを保てる現実的な期間の目安です。
もちろん、保存状態が良好であれば1年から2年程度は品質を保つことができますが、未開封時の香りや味わいを楽しみたいのであれば、半年以内に飲み切るのが理想的です。
特に夏場は劣化が早く進む傾向にあります。気温や湿度が高くなりやすい時期は、ウイスキーの品質変化も速まります。
夏季をまたぐ場合は、いつもより早めに飲み切ることを心掛けることが大切です。エアコンで室温を管理していない部屋では、特に注意が必要です。
複数のウイスキーを同時に開封している場合は、高価なウイスキーや香りの繊細なウイスキーから優先的に飲み切るようにすると、品質劣化による損失を最小限に抑えることができます。
ウイスキーの保存に最適な2つの場所

ウイスキーは身の回りの環境で品質が大きく変化します。保存場所が不適切だった場合は、ウイスキーの劣化につながり、本来の香りや風味を損なってしまうため、注意が必要です。
ウイスキーの保存に適切な場所は以下の2つです。
- ・食器棚・納戸
- ・ワインセラー
また、ウイスキーの保存場所で避けた方が良い場所と、理由も一緒に解説していきます。
食器棚・納戸
ウイスキーの保存場所は、キッチンの扉付き食器棚や納戸のような冷暗所が適切です。ウイスキーは、日光による紫外線の影響で品質が変わってしまうため、光の届かない冷暗所に保存すると良いとされています。
もし、棚がガラス張りで日光を遮ることができないのであれば、ウイスキーを購入した際についてくる付属品の箱に入れて保存しておくと安心です。ウイスキーの箱は紫外線を通さないため、紫外線による劣化を防ぐことが可能です。
ほかにも床下収納や階段下、廊下などを活用する方法もあげられます。ただし、熱がこもりやすかったり、湿気が溜まりやすかったりする環境はウイスキーの保存に向いていないため、家の構造を理解した上で保存場所を選ぶと良いです。
ワインセラー
温度や湿度を一定に保つことが可能なワインセラーでの保存も良いでしょう。ウイスキーの保存に適した温度は15度〜20度であり、ワインも同様です。冷暗所での保存が向いている点も同じであり、ワインセラーはウイスキーの保存場所に最適と言えます。
しかし、ワインセラーで保存する際は、縦置きに対応しているセラーを選ぶことが重要です。コルク栓のウイスキーの場合、横置きで保存してしまうとコルクの劣化につながり、ウイスキーの蒸発や漏れの原因になります。
ワインセラーは、スペースをとってしまう点や電気代、購入コストがかかってしまう点などがありますが、ウイスキーを最も良い状態で保存できる方法と言えます。
ウイスキーの保存に向いていない場所

ウイスキーの保存場所を選ぶ際には、適した場所を知ることも大切ですが、それと同じくらい避けるべき場所を理解しておくことも重要です。
一見すると問題なさそうに見える以下の場所でも、実はウイスキーの品質を劣化させる要因が潜んでいることがあります。
- ・キッチンのコンロ周りや棚
- ・窓際やリビングの飾り棚
- ・冷蔵庫・冷凍庫
- ・冷蔵庫の上
ここでは、ウイスキーの保存に向いていない場所について詳しく解説します。
キッチンのコンロ周りや棚
キッチンは料理をする場所であり、一見するとお酒を保管するのに便利そうに思えますが、実はウイスキーの保管には最も不向きな場所の一つです。特にコンロ周りや調理スペースに近い棚は絶対に避けるべきです。
コンロ周りが不適切な最大の理由は、調理時の熱による温度上昇です。ウイスキーの理想的な保存温度は15度から20度程度ですが、コンロ周りでは調理中に40度や50度に達することも珍しくありません。
温度変化の頻度も問題です。コンロを使用するたびに温度が上昇し、使用後は下がるという急激な温度変化を繰り返すことになります。ボトル内で膨張と収縮が繰り返され、空気が入り込んだり、成分が揮発したりする原因となります。
さらに、コンロ周りは油煙や調理のにおいが充満する場所でもあります。揚げ物をした際の油のにおいや、魚を焼いた際のにおいなど、強いにおいがウイスキーに移る可能性があります。
窓際やリビングの飾り棚
窓際が不適切な理由は、直射日光に長時間さらされるためです。
太陽光には強い紫外線が含まれており、この紫外線がウイスキーの品質を劣化させる主要な原因となります。窓際に置かれたウイスキーは、毎日数時間にわたって直射日光を浴び続けることになります。
紫外線はウイスキーの色を変化させ、香りや味わいにも悪影響を与えます。特に透明なボトルに入ったウイスキーは、色付きのボトルよりも紫外線の影響を受けやすく、数週間窓際に置いておくだけで品質が大きく変化することがあります。
窓際は温度変化が非常に激しい場所でもあります。晴れた日の日中は太陽光によって高温になり、夜間や曇りの日は気温が下がります。
この温度変化により、ボトル内のウイスキーが膨張と収縮を繰り返し、栓の密閉性が失われる原因となります。
冷蔵庫・冷凍庫
冷暗所と聞くと冷蔵庫を思い浮かべる方も多いですが、実はウイスキーの保管場所として冷蔵庫や冷凍庫を使うのは良くありません。
ウイスキーは適度な温度で保存することで、香りや風味が最大限に引き出されます。冷やしすぎると、揮発性の香り成分が揮発しにくくなり、せっかくの芳醇な香りを楽しむことができなくなるのです。
冷蔵庫や冷凍庫から出した際の温度変化も問題です。極端な低温から常温への急激な変化は、ウイスキーに含まれる揮発性成分や香り成分のバランスを崩し、本来の風味を損なう原因となります。
ウイスキーは常温保存が基本であり、冷蔵や冷凍の必要は一切ありません。アルコール度数が高いため腐敗の心配がなく、常温でも長期間品質を保つことができます。
冷蔵庫の上
冷蔵庫の上は、一見すると便利で邪魔にならない場所のように思えますが、実はウイスキーにとって過酷な環境です。
冷蔵庫の上が不適切な最大の理由は、熱がこもりやすいことです。冷蔵庫は庫内を冷やすために、庫外に熱を放出する仕組みになっています。その熱が冷蔵庫の上部に集まるため、冷蔵庫の上は周囲よりも温度が高くなる傾向にあります。
具体的には、冷蔵庫の上の温度は室温よりも5度から10度程度高くなることがあります。これはウイスキーの理想的な保存温度である15度から20度を大きく上回る高温環境です。
冷蔵庫は24時間稼働し続けているため、常に熱を放出し続けています。つまり、冷蔵庫の上に置かれたウイスキーは、一日中高温環境にさらされることになります。
この状態が長期間続くと、ウイスキーの成分が変化し、香りや味わいが損なわれる可能性が非常に高くなります。
【注意】冷蔵庫保存は極力しない
冷蔵庫がウイスキーの保存場所として適していない理由は2つあります。
1つ目の理由は、設定温度が低い点です。前述したとおり、ウイスキーの保存に適した温度は15度〜20度なのに対し、冷蔵庫の温度設定は2度〜7度です。
冷蔵庫での保存はウイスキーを冷やしすぎることになり、ウイスキー本来の魅力である香りや風味を損ないやすく、品質に大きな影響を与えてしまいます。
冷蔵庫保存が向いていない2つ目の理由は、におい移りを起こしやすい点です。冷蔵庫内の食材は香りが強いものが多く、においが移ってしまうと風味に影響を及ぼす恐れがあるため、冷蔵庫での保存は極力避けた方が良いです。
ウイスキーが劣化しているかどうか見分ける方法

ウイスキーは、未開封の状態でも劣化をしていないか見分けることが可能です。
ボトルを一度開封するとどれほど対処しても少しずつ酸化は進み、ウイスキーが劣化してしまいます。人気の銘柄は、未開封の状態であれば高額買取が期待できるため、開封前に劣化を確認できると良いでしょう。
古くなった未開封のウイスキーが劣化していないか見分ける方法は、以下の2つの状態によって異なります。
- ・未開封
- ・開封済み
それぞれ詳しく解説していきます。
未開封
未開封のウイスキーの品質状態は、ボトルを開ける前に外側から確認することができます。以下の3つを確認すれば、視覚的に判断が可能です。
- ・液面低下
- ・液体の変色・濁り
- ・コルクの状態
液面低下
通常、未開封のウイスキーは製造時に適切な量が充填され、ボトルの首の上部近くまで液体が満たされています。しかし、時間の経過とともに液面が下がることがあります。
最も一般的な原因は、コルク栓からの蒸発です。コルクは天然素材であるため、完全な気密性を持っていません。長期間保管していると、コルクの微細な隙間からウイスキーの成分が少しずつ蒸発していき、液面が徐々に低下します。
高温環境で保管されていた場合も、液面低下が起こりやすくなります。高温ではアルコールの揮発が促進されるため、栓の隙間から成分が逃げやすくなります。
液面低下は、わずかな低下であればそれほど大きな問題ではない場合もあります。しかし、明らかに液面が低い場合、つまりボトルの首の部分よりもさらに下まで液面が下がっている場合は、品質が大きく劣化している可能性が高くなります。
液体の変色・濁り
通常、ウイスキーは透明度が高く、美しい琥珀色や黄金色を保っています。この色や透明度に異常が見られる場合は注意が必要です。
変色の兆候として最も分かりやすいのは、色が極端に濃くなっている状態です。ウイスキー本来の色よりも明らかに濃い茶色や黒っぽい色になっている場合は、酸化が進んでいる可能性があります。
逆に、色が薄くなりすぎている場合も問題です。通常、ウイスキーは熟成によって樽から色を得ています。この色が極端に薄い場合、何らかの原因で成分が変化している可能性があります。
ただし、もともと色の濃い・薄いウイスキーも存在するため、元々の色を知っておくことが重要です。
濁りは、より深刻な劣化の兆候です。通常、ウイスキーは完全に透明で、液体中に浮遊物や濁りは見られません。しかし、保管状態が悪いと、液体が濁ったり、白っぽくなったりすることがあります。
コルクの状態
コルクは天然素材であるため、時間の経過や保管環境によって劣化しやすい特性があります。
コルクの劣化を確認するポイントとして、まず外側から見える部分の色をチェックします。正常なコルクは、自然な茶色やベージュ色をしています。
しかし、劣化したコルクは変色していることがあります。極端に黒ずんでいたり、白っぽくなっていたりする場合は、カビが生えているか、変質している可能性があります。
コルクの乾燥も確認すべきポイントです。指で軽く押してみて、まったく弾力がない場合は、乾燥による劣化が進んでいる可能性があります。
逆に、コルクが湿りすぎている場合も問題です。コルクが濡れていたり、湿っぽい場合は、液漏れが起きている可能性があります。コルクの周りに液体の痕跡が見られる場合は、密閉性が失われている可能性が高いです。
開封済み
開封済みのウイスキーの品質状態を判断するには、実際に香りを嗅いだり、味わったりする必要があります。視覚的な判断だけでなく、以下の通り嗅覚や味覚を使って総合的に評価することが重要です。
- ・香りの変化
- ・見た目の変化
- ・味の変化
香りの変化
開封済みのウイスキーで最も分かりやすい劣化の兆候は、香りの変化です。
まずはグラスに少量のウイスキーを注いで香りを確認します。正常なウイスキーは、フルーティーな香り、スパイシーな香り、甘い香りなど、複雑で豊かな香りを持っています。
この香りが薄くなっていたり、ほとんど感じられなくなっていたりする場合は、劣化が進んでいる可能性があります。香り成分は揮発性であるため、空気に触れることで香りが飛んでしまい、本来の芳醇な香りが感じられなくなるのです。
不快なにおいがする場合は、さらに深刻な劣化の兆候です。ツンとした刺激的なにおい、酸っぱいにおい、カビ臭いにおいなどが感じられる場合は、飲用を控えるべきです。
アルコール臭だけが強く感じられる場合も注意が必要です。劣化したウイスキーは香り成分が失われ、アルコールの刺激だけが目立つようになることがあります。
見た目の変化
開封済みのウイスキーの劣化を判断するには、液体の色や透明度、沈殿物の有無など、視覚的に確認できるポイントがいくつかあります。
まずはウイスキーの色を確認します。開封前と比べて色が明らかに変化している場合は、劣化が進んでいる可能性があります。酸化によって色が濃くなることが多く、通常よりも濃い茶色や黒っぽい色になっている場合は注意が必要です。
透明度の低下も劣化の兆候です。劣化したウイスキーは透明感が失われ、濁ったり、くすんだりすることがあります。グラスに注いで光にかざしてみて、濁りや不透明感が感じられる場合は問題です。
沈殿物の有無も重要です。グラスの底に何か沈んでいるものがないか、よく観察します。沈殿物は、ウイスキーの成分が析出したものである可能性があります。澱(おり)と呼ばれる沈殿物は、温度変化によって生じることがあります。
味の変化
ウイスキーの劣化の最終判断は、実際に味わってみることです。
まずはごく少量を口に含んで味を確認します。一口目は少量にとどめ、異常な味がしないかを慎重に判断します。
味が極端に薄くなっている場合は、劣化の兆候です。ウイスキー本来の豊かな味わいが失われ、水っぽく感じられる場合は、揮発性成分が失われたり、アルコールが抜けたりしている可能性があります。
アルコールの刺激だけが強く感じられる場合も問題です。正常なウイスキーは、アルコールの刺激と様々な味の要素がバランスよく混ざり合っていますが、劣化したウイスキーはアルコールの刺激だけが目立つようになることがあります。
酸味が強くなっている場合は、酸化が進んでいる可能性があります。ウイスキーには本来わずかな酸味がありますが、それが不自然に強くなっている場合は注意が必要です。
ウイスキーを保存する際の4つの注意点

ウイスキーは、アルコール度数が高いため、品質の劣化や腐敗の原因となる成分が含まれておらず、長期保存が可能なお酒です。しかし、良い状態を維持したまま保存するには注意するべき点があります。
ウイスキーを保存する際の注意点は以下の4つです。
- ・温度変化に注意する
- ・直射日光に当てない
- ・空気に触れないように注意する
- ・におい移りに注意する
それぞれ詳しく解説していきます。
温度変化に注意する
ウイスキーを保存する際は、一定の温度環境の下で保存すると良いでしょう。激しい温度変化はウイスキーの劣化を進め、品質を損ねる原因になるからです。
日常的にエアコンをつける部屋での保存でも問題はありませんが、エアコンをつけていない時との温度差が大きいのであれば、ウイスキーの保存場所としてはおすすめではありません。
温度に伴って湿度の変化にも注意が必要です。ウイスキーは湿度からの影響も受けやすく、高くもなく低くもない、湿度60%〜70%ほどの環境下での保存がベストです。
直射日光に当てない
ウイスキーの保存場所には、光が届かない冷暗所を選ぶと良いでしょう。
光はお酒の成分を分解する性質があり、光を浴びることで品質に悪い影響を与えてしまいます。日光の紫外線だけでなく、電気の強い光はボトルを通り抜けてしまうため、光が少しでも当たる場所での保存は避けた方が良いでしょう。
家に適切な冷暗所がない場合は、ウイスキーの箱に入れて保存する方法や、ボトルにアルミホイルを巻いて保存する方法もあります。
空気に触れないように注意する
ウイスキーは、出来るだけ空気に触れさせないように保存することで、風味を残して最後まで美味しく召し上がれます。空気に触れると酸化が始まり、徐々に劣化していくため、気密性を高めることがウイスキーの保存において重要です。
パラフィルムでボトル内への空気の侵入を防いだり、プライベート・プリザーブを使用し、ボトル内の空気を追い出して気密性を高めたりすることで、空気に触れることを制御することが可能です。
ボトル内のウイスキーが少なくなったら、小瓶に移し替えて保存するのも良いでしょう。ウイスキーが酸素に触れる面積をできるだけ減らすことで、酸化を最小限に防げます。
におい移りに注意する
ウイスキーを保存する際は、におい移りを避けるために、香りの強いものを近くに置かないことが重要です。ウイスキーは芳醇な香りが魅力であり、におい移りを起こすことで品質に大きな影響を与えてしまいます。
ウイスキーを食器棚や納戸へ保存した際は、近くに石鹸や香水、芳香剤、防虫剤などのにおいの強いものを置くことは避けると良いでしょう。
とくに、開封後はにおい移りが起こりやすいため、においの強いものを避けることを徹底しつつ、パラフィルムを使用してボトルの気密性を高めることが大切です。
未開封のウイスキーであれば買取がおすすめ

古くなったウイスキーは、飲むことも可能ですが、買取に出してお金に替えるのも良いでしょう。ウイスキーには賞味期限がないため、状態の良いものであれば定価よりも高い価格で取引される可能性があります。
たとえば、ジャパニーズウイスキーの中でも人気で希少性の高い竹鶴や白州、響は高額査定対象です。特にヴィンテージウイスキーや製造が中止されたプレミアムウイスキーの中には、発売時の10倍以上の値段が付いているものもあります。
家に長期的に保管しているウイスキーがある場合は、信頼できる専門家に一度相談してみても良いでしょう。
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まとめ
ウイスキーは賞味期限がなく、状態が良いものであれば10年後、20年後であっても美味しく味わうことが可能なお酒です。
保存場所には、直射日光が当たらない食器棚や納戸などの冷暗所が良いとされています。ウイスキーの管理を徹底するのであれば、温度や湿気などを一定に保つことができるワインセラーでの保存が最も良いでしょう。
一度開封してしまうと、口栓のわずかな隙間から空気が入り込み、酸化やにおい移りが起こりやすくなってしまいます。パラフィルムやプライベート・プリザーブを使用して、ボトル内を密閉状態に近づけることで、酸化やにおい移りを防ぐことが可能です。
未開封のウイスキーは、銘柄によっては中古市場で需要が高く、高額買取される可能性があります。自宅に飲まないまま保存しているウイスキーがある場合は、開封する前に一度専門家に相談してみるのも良いでしょう。
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2つの買取方法

