永楽通宝とはいつの時代の銭貨?価値や種類別買取相場について解説
永楽通宝は、1408年永楽帝時代の中国で鋳造され始めた銭貨です。
種類によっては高い市場価値を誇るため、偽物も多く出回っているのが特徴です。
本記事では、永楽通宝の特徴について解説しています。
また、種類ごとの買取相場についても紹介しているので、永楽通宝をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
永楽通宝とは
引用:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Bitasen.jpg
永楽通宝は、中国・明朝の時代1408~1424年にかけて鋳造された銅銭です。
鋳造された当初から日本へ大量に移入され、江戸時代初期まで一般通貨として広く流通していました。
室町時代末期から日本での模鋳も盛んに行われるようになり、一時は他の銭貨の四倍通用が規定されたこともあります。
しかし流通量が増え、粗悪な模鋳銭が出回ることとなり、1608年に通用が禁止されました。
江戸時代初期に徳川家康によって廃止された永楽通宝ですが、廃止された理由は諸説あります。
最も有力なのが、徳川家康が所有していた永楽通宝が、選銭行為の相場変動で大きな損失を抱えてしまったからだといわれています。
永楽通宝の当時の価値
永楽通宝の当時の価値は、現在の日本円で50〜100円程度だったといわれています。
50〜100円と金額に大きな差があるのは、当時は粗悪なものや偽物も多く流通していたり、途中で使われなくなったりしたものが多くあるためです。
そのため、当時の正確な価値を測るのは非常に難しいのが現状です。
織田信長の旗印だった
永楽通宝は、戦国武将「織田信長」が家紋の旗印として掲げていたことでも有名です。
織田信長が永楽通宝を家紋として掲げていた理由は解明されていませんが、楽市楽座など自由な経済政策を打ち出していた人物だからこそ、貨幣流通にもいち早く注目していたからなのではといわれています。
永楽通宝の種類
永楽通宝は、金銭・銀銭・銅銭の3種類あります。
金銭 | 原材料も高価で市場に出回っている数も非常に少ない。 |
銀銭 | 金銭ほどではないが原材料の価値が高く、発行された枚数が少ない。 |
銅銭 | 日本・中国で製造され、大量に発行されていた。 |
上から順に発行数が多く、素材も安価になっています。
金銭
永楽通宝の一種である金銭は、金を素材として造られている銭貨です。
永楽通宝の中では最も価値が高い種類になるため、その高い価値を狙った偽物が多く出回っているのも特徴として挙げられます。
金本来の高い希少価値に加えて、偽物が多く混入していることから、永楽通宝の中でも本物が市場に出回ることの少ない種類です。
そのため、本物かつ状態の優れた品の場合は、数十万円を超えるような高額な金額で取引されることもあります。
銀銭
永楽通宝の一種である銀銭は、素材に銀が使われている銭貨で、銅銭よりも重さがあり、純度が高いのが特徴です。
豊臣秀吉が、手柄を挙げた兵への恩賞として授ける目的で製造された銭貨といわれています。
銀は、素材そのものの価値が高いことからコレクターの間でも人気が高く、永楽通宝では金銭に次ぐ評価を受けています。
また、素材の価値だけでなく、発行枚数が少ないことからも希少性が高いため、市場では高値で取引されています。
銅銭
永楽通宝の中では一般的な種類である銅銭は、銅を素材として造られているのが特徴です。
室町時代に中国から輸入していた古銭で、当時から大量に製造されていました。
そのことから、現存する数も多く、ほかの種類の永楽通宝と比較しても希少価値は低めです。
また、流通量が多かったことから、現存する銅銭は状態の良くないものが多い傾向にあります。
そのため、特殊な条件に合致するレアなコインでなければ、市場の需要は高くありません。
永楽通宝の買取相場
永楽通宝は、素材ごとに買取価格が変わってきます。
なかでも買取価格を期待できるのが金銭です。
永楽通宝は素材そのものの価値だけでなく、市場に出回っている枚数や発行された年によって買取相場は変わるため、それぞれの買取相場と価値を詳しくご紹介いたします。
金銭の買取相場
金銭の買取相場は1,000,000円〜となっています。
買取価格は金の買取相場の影響を受けますが、市場にほとんど出回っておらずプレミアが付いているため、非常に高額で取引されています。
また、高い価値が付くことから偽物が多く出回っているのも事実です。
もちろん偽物の金銭には価値が付きません。
銀銭の買取相場
銀銭の買取相場は〜300,000円と幅広いのが特徴です。
銀銭は金銭同様原材料の価値が高く、発行された枚数が少なかったことから高い価値が付きますが、刻まれている書体によって価値が大きく変動します。
特に「紀州」と「濶字」と書かれた銀銭は、状態がよければ300,000円ほどの高価買取が期待できます。
銅銭の買取相場
銅銭の買取相場は〜1,000円程度となっています。
銅銭は中国から大量に輸入していたため、市場に出回っている流通枚数が多く、保存状態がよい場合でも高価買取は期待できません。
しかし、字体が異なるものやエラーのあるものは数万円の価値が付くこともあります。
高価買取の対象となる永楽通宝とは?
ここでは、素材や流通枚数以外で高価買取の対象となる永楽通宝の特徴を具体的に紹介していきます。
特殊な字体の永楽通宝
日本で鋳造された永楽通宝は、製造年ごとに字体が異なります。
特に価値が高いとされている代表的な字体を紹介します。
字体 | 特徴 |
ノム樂 | 樂(楽)の右側の幺がカタカナのノとムになっているもの 寶(宝)のウ冠の左下が細く短いもの 通のしんにょうと「用」がついているもの 永の右側の先端が膨らんでいるもの |
重足宝 | 寶(宝)の八の字の部分がほぼ垂直に下を向いているもの |
曲永 | 永の字が斜めに曲がっているもの |
曲永大字 | 永の字が斜めに曲がっており、字が大きいもの |
中正 | 寶(宝)のウ冠の右側にある「尓」の横棒の右側がはねているもの |
流永 | 永の右側が波打っているもの |
ここで紹介した字体は流通枚数が少ないため、高価買取が期待できます。
ノム樂は〜30,000円、他は〜100,000円程度の買取相場となっています。
エラーコイン
エラーコインは、通常であれば製造過程で弾かれ、市場に出回ることはありません。
しかし、ごく稀に市場に出回ることがあります。
そのため、通常出回ることがないエラーコインには高い価値が付きます。
エラーコインの特徴はさまざまですが、高価買取の対象となりやすいのは以下の通りです。
・中心の穴がずれている ・字体が崩れている ・一部が欠けている ・穴が通常よりも大きい |
状態によっても変わりますが、エラーコインの場合、数万~数十万円の高価買取が期待できます。
しかし、エラーではなく劣化の場合もあるので注意しましょう。
※ここまで紹介した買取相場は目安であり、買取価格を保証するものではございません。
永楽通宝を高く売るコツ
ここでは、永楽通宝を高く売るコツとポイントを紹介します。
紹介するポイントは以下の4つです。
・丁寧に保管する ・他の古銭とセットで査定してもらう ・古銭鑑定書も査定に出す ・早めに買取査定してもらう |
これらを意識することで、買取価格を上げられます。
それぞれ詳しく解説します。
丁寧に保管する
古銭を高く売るには、文字や刻印がはっきりしていることが重要です。
同じ古銭でも、より未使用に近く状態のよいものが高値で取引されています。
そのため、正しいお手入れや保管方法を知っておくだけで、高く買い取ってもらえる可能性が上がるでしょう。
古銭のお手入れは、ほこりを落とす程度にとどめ、洗浄しないのが基本です。
手を加えることで価値が下がってしまうことがあるためです。
また保管方法は、「空気に触れさせない」・「触らない」・「光に当てない」ことが大切です。
他の古銭とセットで査定してもらう
永楽通宝を査定に出すのであれば、他の古銭もまとめて出すと買取価格が高くなる場合があります。
たくさんの量を一度に持ち込むと買取価格が上がる買取店舗もありますし、価格交渉も行いやすいでしょう。
永楽通宝を査定に出すときは、他にも売れる古銭がないか探してみるとよいでしょう。
古銭鑑定書も査定に出す
永楽通宝を買取に出す場合、古銭鑑定書も一緒に査定に出しましょう。
古銭鑑定書を付けることによって、永楽通宝の価値が保証されるためです。
もし、古銭鑑定書が探しても見つからない場合は、査定依頼予定の買取業者に問い合わせてみることをおすすめします。
鑑定書がなくても査定が可能か事前に確認しておきましょう。
早めに買取査定してもらう
永楽通宝は、売りたいと思ったタイミングでなるべく早く買取に出しましょう。
古銭の価値はコレクターの減少により年々低下しています。
そのため、手元に残しておいても現状より価値が下がる可能性が高いと言われています。
また、古銭は非常にデリケートで、時間が経てば経つほど品質が劣化し、買取価格が下がる可能性もあります。
永楽通宝に関する疑問
続いては、永楽通宝に関してよくある疑問について紹介します。
永楽通宝の現在の価値はいくら?
永楽通宝は、種類によって現在の価値は大きく異なります。
金銭が一番価値のある種類で、価値の高さは銀銭、銅銭と続きます。
金銭の場合は1,000,000円以上の価値が、銀銭は〜300,000円程度の価値がある一方で、一番一般的な銅銭は、保存状態が良くても現在の価値に換算して1,000円以下です。
しかし、異なる字体のものやエラーコインは、価値を高める傾向にあるため、手持ちに永楽通宝がある場合は、専門の買取業者でしっかり査定してもらうことが大切です。
永楽通宝の偽物を見極める方法は?
永楽通宝には多くの偽物が出回っていますが、本物と偽物は大きさや材質、書体の違いから見極めができます。
しかし、プロでも本物と偽物の判断は難しいため、素人が見極めるのは困難です。
それでも、買取専門のウリエルなら、古銭の知識と豊富な経験を持った査定士が在籍しているため、永楽通宝の価値を正しく判定できます。
永楽通宝を持っているが本物かどうかわからない場合は、ぜひ一度ウリエルに査定を出してみてはいかがでしょうか。
寛永通宝と永楽通宝の違いは何?
寛永通宝と永楽通宝は、発行された時代と国が異なります。
寛永通宝は日本の江戸時代に作られた通貨ですが、永楽通宝は室町時代に中国から輸入されました。
永楽通宝は金・銀・銅の異なる素材でできていますが、寛永通宝は銅や鉄でできています。
寛永通宝は多くの種類があり、その数は200種類にもおよぶといわれています。
価値の高いものもあるため、お持ちの方はぜひ一度査定に出してみてはいかがでしょうか。
永楽通宝の買取はウリエルへ!
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%
E6%A5%BD%E9%80%9A%E5%AE%9D
永楽通宝にはさまざまな種類があり、保存状態や素材、書体によって買取価格が異なります。
金銭は特に希少で高値が付く場合も多いので、お持ちの方はぜひ査定を利用して、価値を確かめてみてください。
ウリエルでは、古銭の専門知識をもった査定士が、買取市場の動向や永楽通宝の保存状態などを加味して買取価格を提示いたします。
本来の価値に見合った価格で「永楽通宝」の買取を希望する方は、ぜひウリエルにご相談ください。
まとめ
今回は、永楽通宝の特徴や買取相場について紹介しました。
永楽通宝は、中国・明朝の時代に鋳造された銭貨で、江戸時代初期まで一般通貨として流通していました。
当時の価値は、現在の日本円で50〜100円程度といわれていますが、希少価値の高い金銭なら1,000,000円以上の価値があるとされています。
このように、永楽通宝は種類によっては価値の高い銭貨なので、お手持ちにある方は、ぜひ買取専門店での売却を検討してみてください。
2つの買取方法