一分銀の価値や買取価格はどれくらい?高く売れる一分銀の種類や高価買取のコツも解説
一分銀は江戸~明治時代に流通した貨幣で、時代によってさまざまな種類が発行されました。
家の古い金庫から出てきた方や、家族から譲り受けた方のなかには使い道に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
一分銀は種類によっては希少性が高く、高価買取に期待できます。
この記事では、一分銀の価値を種類別に紹介するとともに、本物と偽物の見分け方を解説しています。
一分銀を高く売るコツも併せて紹介しているため、買取を検討している方はぜひ参考にしてください。
なお、ウリエルでは古銭の専門的な知識や買取経験が豊富な査定士が在籍し、一つひとつ丁寧に査定します。査定料や出張料など、手数料はすべて無料ですので、お気軽にご相談ください。
一分銀とは
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%88%86%E9%8A%80
一分銀は、江戸時代末期~明治期に流通した銀貨の一種です。
1837~1869年にかけて発行された金一分を額面としています。
形は長方形となっており、表面には「一分銀」の額面、裏面には「定 銀座 常是」の文字が刻印されているのが特徴です。
一分銀の当時の価値は?
発行された当時の貨幣価値は、金貨である一分金と等価とされていました。
つまり、1/4両に相当しており、一分銀が4個集まることで小判1枚相当の価値になったと言われています。
また、一分銀は一朱銀4枚の価値がありました。
一分銀の現在の価値は?
一分銀の現在の価値は7,000~100,000円ほどです。
江戸時代に発行された歴史ある貨幣として、自宅で大切にコレクションしている人が多いようです。
一分銀の種類と買取価格相場
以下では、代表的な4つの一分銀の種類と買取相場を解説していきます。
- ・天保一分銀
- ・庄内一分銀
- ・安政一分銀
- ・明治一分銀
家にある一分と照らし合わせて、価値を知るための参考にしてください。
天保一分銀
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%88%86%E9%8A%80
名称 | 天保一分銀 |
時代 | 1837年~ |
希少価値 | 高 |
買取相場 | ~100,000円前後 |
素材 | 銀 |
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
天保一分銀は、1837~1869年にかけて発行された金一分を額面とする計数銀貨です。
一般的な一分銀と同じく、4個で小判1枚に相当します。
短冊形で、表面と裏面それぞれに小桜花が20個並ぶ額縁模様があることが特徴です。
上銀が使われていて、発行は当初ほぼ純銀でしたが、改鋳されるたびに銀が含まれる割合は89%、81%と徐々に下がっていきました。
天保一分銀は、当時の金貨より大量に鋳造され、安政時代には日本の一般的な貨幣として用いられていたとも言われています。
庄内一分銀
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%88%86%E9%8A%80
名称 | 庄内一分銀 |
時代 | 1868年~ |
希少価値 | 高 |
買取相場 | ~30,000円前後 |
素材 | 銀 |
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
庄内一分銀は、1868年の5~6月にかけて作られた貴重な一分銀です。
もともと流通していた天保一分銀に、庄内藩が「庄」の文字を刻み込んだことで生まれました。
表面には天保一分銀と同様に「一分銀」の文字と、裏面には「定 銀座 常是」が刻まれています。
その表面に小さく「庄」の文字が刻まれているのが、庄内一分銀の大きな特徴です。
刻まれている理由は、他から流入してくる質の低い安政一分銀との差別化を図るためでした。
安政一分銀
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%88%86%E9%8A%80
名称 | 安政一分銀 |
時代 | 1859年~ |
希少価値 | 中 |
買取相場 | ~50,000円前後 |
素材 | 銀 |
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
安政一分銀は、江戸幕府とアメリカ政府によって締結された日米和親条約に基づいて横浜が開港されたことで生まれました。
開港によって、海外で用いられている洋銀から一分銀への両替需要が増え、洋銀の流通量が減ったために、一分銀の増鋳が求められたのです。
しかし従来の天保一分銀が備えていた純度99%は維持できず、より洋銀に品質を近づけた一分銀「安政一分銀」が発行されました。
裏面の「是」字の八画と九画が交差しておらず、側面の仕上げがやすり目になっていることが主な特徴です。
明治一分銀
名称 | 明治一分銀 |
時代 | 1868年~ |
希少価値 | 高 |
買取相場 | ~80,000円前後 |
素材 | 銀 |
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
明治一分銀は、別名「貨幣司一分銀」や、裏面の「常」字の1~3画が「川」の字に似ていることから「川常一分銀」と呼ばれることもある一分銀です。
倒幕によって誕生した新政府が、太政官に設立された貨幣司によって銀座で鋳造した一分銀のことを指しています。
明治元年に東京で300,508両2分が、明治元年~2年にかけて大阪で766,325両がそれぞれ鋳造されています。
一分銀の見分け方
一分銀は時代によってさまざまな種類が造られました。
また、一分銀によく似た古銭も存在するため、それぞれの違いを把握しておきましょう。
以下では、時代別の一分銀の種類やよく似た貨幣との見分け方をを解説します。
時代別の一分銀の見分け方
まずは天保一分銀、庄内一分銀、安政一分銀、明治一分銀それぞれの違いを確認していきましょう。
特に見分けやすいのは庄内一分銀で、貨幣の表面中程に「庄」の文字があるものが「庄内一分銀」と判別できます。
その他の3種類は字体によって判別することも可能ますが、より大きな違いは「逆桜の配置」と「側面の刻印」です。
この2点を詳しく解説しましょう。
逆桜の配置
一分銀は、「桜」がどこに配置されているかによって種類を見分けることができます。
桜の向きが通常と逆になっている刻印は「逆桜」と呼ばれ、どの一分銀にも1か所は配置されています。
天保一分銀は「貨幣の下部分」に、安政一分銀は「上部分」に、明治一分銀は「中程」に逆桜が刻印されています。
この違いによって、どの一分銀か区別することが可能です。
側面の刻印
天保一分銀と明治一分銀は、側面の刻印の有無で見分けることが可能です。
天保一分銀の側面には、上下に2つと左右に3つ「桜」の印が刻まれており、これが大きな特徴となっています。
しかし、明治一分銀の側面には「桜」の印はありません。
一朱銀と一分銀の見分け方
一朱色銀とは一分銀と同様に江戸時代後期に使われた貨幣で、「文政南鐐一朱銀」「嘉永一朱銀」「明治一朱銀」の3種類に分類されています。
文政南鐐一朱銀の表面には「以十六 換一兩」と書かれ、現代文に訳すと16枚で1両と交換できるという意味です。
貨幣の価値を周知するために、銀貨そのものに説明書きを彫り込んだとされています。
嘉永一朱銀と明治一朱銀の表面には「一朱銀」と額面が書かれています。
一分銀の表面には額面である「一分銀」と書かれているため、一朱銀と一分銀は容易に見分けが可能です。
一分金と一分銀の見分け方
一分金も一分銀と同様に、主に江戸時代に流通していた金貨で、正式には「一分判金」と呼ばれる古銭です。慶長4年(1599年)〜慶応3年(1867年)の期間に、12種類の一分金が発行されました。
素材には金を使用しているため、色だけでも一分銀との見分けがつきます。
短冊のような長方形で、表面には扇や桐紋、裏面には「光次」の署名や花押しなどが記され、種類によっては年代を表す漢字が裏面に記されています。
一分銀の本物と偽物の見分け方
一分銀は偽物が多い古銭の一つです。
江戸幕府に隠れて各藩が造った「別座一分銀」と言われる偽物の一分銀が出回っていたためです。
家にある一分銀が本物であるのか確認するためにも、偽物との見分け方を把握しておきましょう。
以下では、一分銀の本物と偽物を見分ける3つのポイントを紹介しています。
- ・重量を計る
- ・表面のデザインを見る
- ・側面を見る
それぞれ詳しく解説していきます。
重量を計る
一分銀の本物と偽物を見分けるには、重量を計る方法があります。素材の含有量と大きさが決まっているため、一分銀の重量はほぼ均一に造られています。
天保・庄内・安政・明治の一分銀の重さは、おおよそ8.6gです。本物の一分銀は多少のばらつきはあるものの8.5〜8.9gに収まっているため、8gを下回ったり9gを超えていたりした場合は偽物である可能性が高いです。
見た目から本物と偽物の判別が難しい場合は、まず重量を計ってみると良いでしょう。
表面のデザインを見る
一分銀は表面のデザインからでも偽物との判別が可能です。表面の文字まわりにある縦線の有無と、彫りの深さから確認できます。
縦線がなかったり、彫りが浅かったりした場合は偽物である可能性が高いです。
また、文字のデザインは多くのパターンが存在するため、偽物を見分けるのには向いていません。
表面のデザインから偽物を判別する際は、表面の文字まわりにある縦線の有無と、彫りの深さに注目してみてください。
側面を見る
一分銀の偽物は側面の仕上がり具合でも判別できます。本物と偽物では、やすりがけや桜の印の有無に違いがあるためです。
天保はやすりがけのない滑らかな面に、桜の印が彫られています。一方、安政・明治の側面はやすりがけをされ、桜の印が彫られています。
桜の印がなかったり、やすりがけされていたり、またはわざと傷を彫り込んでいるものは偽物の可能性が高いです。
本物の側面は光沢感があって、やすりがけも満遍なく施されているのに対し、偽物は側面のやすりがけや、桜の印が雑に施されている特徴があります。
高価買取の可能性のある一分銀
一分銀は江戸時代に多く流通していた貨幣ですが、なかには高価買取の可能性があるものも存在します。
主に「手変わり」と呼ばれるタイプや製造エラー品などです。
それぞれの特徴を解説していきましょう。
「手変わり」の一分銀
一分銀の中でも明治一分銀には「手変わり」と呼ばれる種類があります。
その種類は複数あり、「跳分」と呼ばれ表面の”分”の文字の1画が跳ねているものや、「非川常」と呼ばれ”常”の1~3画目が「川」の字になっていないものなどがあります。
これらの字体は通常のものと大きく異なるため、その分価値が大きく上がるでしょう。
また、種類によっても価値は変わります。
製造エラー品
鋳造時に職人のミスによって本来とは違う作りとなるエラー品は、高価買取の可能性が期待できます。
製造時のエラー発生はそう多くないため、その分希少価値があるからです。
エラー品と偽物の判別、あるいは「手変わり」との判別をつけるには専門知識が必要です。
エラー品の疑いがある場合には、まずは古銭専門の査定士に依頼してみましょう。
一分銀を高く売るコツ
一分銀を売却する際は、高値で買取してもらえるポイントを把握しておくと良いでしょう。
以下では、一分銀を高く売る4つのコツを解説していきます。
- ・良い状態を保つ
- ・付属品や鑑定書を一緒に査定に出す
- ・他の古銭も一緒に査定に出す
- ・信頼できる買取専門店へ依頼する
少しのことで買取価格が上乗せされる可能性があるため、参考にしてみてください。
いい保存状態を保つ
一分銀は、保管方法に注意していい保存状態を保ちましょう。
古銭は、日のあたらない、影になる場所で保管することが向いています。
そのほか、コインケースに入れて定期的に布で軽く拭くといった管理も効果的です。
しかし、一分銀を直接洗浄することは価値を下げるリスクがあるため避けましょう。
付属品や鑑定書を一緒に査定に出す
査定の際には、鑑定書や付属品を一緒に提示することをおすすめします。
鑑定書があれば本物の一分銀であることや、その価値を証明することが可能です。
また、専用ケースなどの付属品があれば、一緒に保管しておくことも重要です。
他の古銭も一緒に査定する
もし一分銀以外の古銭を持っている場合には、専門業者に一緒に査定をしてもらいましょう。
まとめて査定を依頼することで、合計価格がアップする可能性があります。
また、なかにはセット品としての価値をもつ古銭もあるため、複数の古銭を持っている場合は一緒に査定に出すことをおすすめします。
信頼できる買取専門店へ依頼する
持っている一分銀の価値を正しく判別してもらいたい際は、信頼できる買取専門店に依頼しましょう。
あまり知識をもっていない店舗やリサイクル専門店では、その価値を正しく判断してもらえず、相場より低い価格で査定をされる可能性があります。
価値のありそうな一分銀を査定に出す場合には、買取実績が豊富で、専門の査定士がいる買取店に依頼するといいでしょう。
一分銀を高く売るなら買取専門店のウリエルへ
ウリエルは、高価買取満足度No.1の高い実績をもつ業界トップクラスの買取専門店です。
「一分銀を少しでも高く買い取ってほしい」「持っている一分銀の種類や価値をはっきりさせたい」といったご要望があれば、まずはお気軽にお問い合わせください。
査定の際は、一分銀の状態や買取相場、査定額の根拠をわかりやすく丁寧に説明いたします。
一分銀や古銭の買取はウリエルにいつでもお任せください。
まとめ
一分銀は希少価値があり、コレクターから評価の高い貨幣です。
種類によっては製造枚数が少なく、100,000円以上の価値がつく場合もあります。
しかし、一分銀は偽物が多く出回り、書体も統一されていないため専門的な知識がないと本物と偽物の判別が難しいことが懸念されます。
古銭を正しく判別してもらうためには、信頼できる買取業者への依頼がおすすめです。
プロの査定士であれば偽物との判別はもちろん、手変わりや製造エラー品を的確に見分けられるため高価買取に期待できます。
ウリエルは古銭の専門的な知識や買取経験の豊富な査定士が在籍し、一つひとつ丁寧に査定します。
本物と偽物の判別だけしたいという方でも無料査定サービスを利用できるため、お気軽にご相談ください。
2つの買取方法