天保通宝の価値はどれくらい?買取相場を種類別に一覧で紹介!

天保通宝は、江戸時代末期に発行された貨幣であり、楕円に四角形の穴が空いているのが特徴です。
古銭自体に価値があるため、状態が良ければ高価買取も期待できます。
本記事では、天保通宝の価値や買取相場について解説します。
また、天保通宝を高値で買取してもらうコツも紹介しているので、売却を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
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目次
天保通宝の買取相場

天保通宝にはさまざまな種類がありますが、なかでも高価買取を期待できるのが、幕府が公式で発行している天保通宝の母銭です。
母銭は通用銭を製造する際の元型となる銭貨で、市場には流通しないため、希少価値が高いのが特徴です。
天保通宝の母銭の場合、50,000円~130,000円程度の買取価格をつけます。ほかにも藩が発行した独自の天保通宝も存在しているので、以下の見出しで詳しい買取相場について見ていきましょう。
【種類別】天保通宝の買取価格

天保通宝の買取相場を種類別に紹介します。
幕府が公式に発行したものと、藩が発行したものの違いについても見ていきましょう。
幕府が公式に製造・発行した天保通宝の買取相場
幕府が公式に製造・発行した天保通宝は以下の4種類です。
| ・本座長郭(ほんざちょうかく) ・本座細郭(ほんざさいかく) ・本座広郭(ほんざこうかく) ・本座中郭(ほんざちゅうかく) |
上記の4種類は、銅でできており、楕円の形状をしているのが特徴です。
また、これらの天保通宝はすべて、通常銭よりも母銭のほうが買取価格も上がります。
母銭とは、銭貨を製造する際に型を取るための元(見本)を示します。
ここでは、それぞれの製造年や買取相場、特徴などを確認しておきましょう。
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
本座長郭(ほんざちょうかく)
1835年(天保6年)に製造された「本座長郭」の「本座」とは、天保通宝を製造する中心となった銭座のことで、幕府が公式に製造したことを示しています。
他の天保通宝との違いは、真ん中に開けられた穴が縦長である点です。
通用銭の買取額は約1,000円ですが、母銭は約80,000円と高額買取が期待できるでしょう。
本座細郭(ほんざさいかく)
1835年(天保6年)に製造された「本座細郭」は、縁取りの幅が細く作られているのが特徴です。
発見された母銭の数は非常に少ないため、100,000~130,000円の買取価格が期待できます。
通用銭の買取額は約1,000円です。
本座広郭(ほんざこうかく)
1845年(弘化2年)に製造された「本座広郭」の特徴は、縁取りの幅が広く太い点です。
通用銭の買取額は約1,000円、母銭であれば約50,000円です。
また、2009年の古銭オークションでは母銭が200,000円、通常銭でも36,000円で取引されたこともあるため、美品であればさらに高額買取が期待できるでしょう。
本座中郭(ほんざちゅうかく)
1866年(慶應2年)に製造された「本座中郭」は、縁取りの幅が太くも細くもなく、シンプルに作られているのが特徴です。
母銭は現在も発見されていないため、見つかればかなり希少価値の高い古銭になるでしょう。
通用銭の買取額は約10,000円ですが、母銭は未発見のため買取額は不明です。
素人目では価値を判断できないため、1度専門業者に査定を依頼してみましょう。
藩が発行した有名な天保通宝の買取相場

慢性的な通貨不足であった天保年間では、日本全国の藩により天保通宝の密造が行われました。
各藩が偽造した天保通宝は「藩鋳銭」とも呼ばれており、種類が豊富でデザインも異なることからコレクションの対象としても人気の古銭です。
ここでは、藩が発行した有名な6種類の天保通宝を紹介します。
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
水戸藩鋳銭 短足寳
「水戸藩鋳銭 短足寳(みとはん たんそくほう)」は、江戸幕府から正式に認められて水戸藩が作っていた天保通宝です。
藩による天保通宝の鋳造は幕府によって禁止されていましたが、水戸藩など一部の藩は、幕府の許可を得て独自の天保通宝を作っていました。
鋳造期間が短かったにもかかわらず、さまざまな種類があります。
水戸藩鋳銭は短足寳の文字が太く、寶の点の部分が丸く短いのが特徴です。
買取相場は〜5,000円が一般的ですが、未使用品であれば10,000円ほどの高値で売れるでしょう。
薩摩藩 横郭 仰冠當
「薩摩藩 横郭 仰冠當(さつまはん おうか ぎょうかんとう」は、薩摩藩が幕府の許可を得ずに作っていた偽造通貨です。
中心に開けられた四角形の穴が横長になっていることから、「ガマ口」とも呼ばれています。
買取相場は〜3,000円ほどです。
偽造通貨だったため、当時は価値の付かない通貨でしたが、現在は古銭として根強い人気があります。
高知藩鋳銭
「高知藩鋳銭」は、高知藩が密造していた天保通宝です。
刻印されている文字よりも輪の位置が高く、「通」のしんにょうの尾が短いことから、「額輪短尾通」とも呼ばれています。
発行年は不明ですが、同じ書体の絵銭が発見されたことにより、高知藩によるものと判明しました。
買取価格の相場は3,000〜8,000円ほどで、比較的高値での買取が期待できます。
秋田藩 広郭
「秋田藩 広郭」は、秋田藩が密造していた天保通宝です。
「広郭」という名称が付いているように、中央に開けられた穴の縁が幅広に作られています。
また、花紋が大きめに描かれていたり、文字が縦長に刻まれていたりするのが特徴です。
買取相場は〜25,000円ほどと、比較的高値が付きやすいでしょう。
福岡藩鋳銭
「福岡藩鋳銭」は、福岡藩が鋳造した密鋳銭です。
「保」と「通」の字が真ん中の穴から離れていることから「離郭」とも呼ばれます。
古銭買取市場における買取相場は、通常銭で数百円ほどです。
萩藩鋳銭
「萩藩鋳銭」は、長州藩が密造した天保通宝です。
長州藩の藩庁が萩城に置かれていた当時、「萩藩」と呼ばれていたことに由来します。
また、「通」の字のしんにょうが長く伸びているため、「曳尾」と呼ばれることもあります。
一般的な買取相場は、通常銭で数百円程度です。
【一覧】有名な天保通宝の買取相場

上記で解説した天保通宝の買取相場と特徴を以下の表にまとめてみました。
| 名称 | 買取相場 | 特徴 | |
| 幕府公式 | 本座長郭 | 通用銭:約1,000円 母銭:約80,000円 | 中央の穴が縦長 |
| 本座細郭 | 通用銭:約1,000円 母銭:100,000~130,000円 | 縁取りの幅が細い | |
| 本座広郭 | 通用銭:約1,000円 母銭:約50,000円 | 縁取りの幅が広く太い | |
| 本座中郭 | 通用銭:約10,000円 母銭:不明 | 縁取りの幅がシンプル | |
| 藩が発行 | 水戸藩鋳銭 短足寳 | 〜5,000円 | 短足寳の文字が太く、寶の点の部分が丸く短い |
| 薩摩藩 横郭 仰冠當 | 〜3,000円 | 中央の四角形の穴が横長になっている | |
| 高知藩鋳銭 | 3,000〜8,000円 | 文字よりも輪の位置が高く、「通」のしんにょうの尾が短い | |
| 秋田藩 広郭 | 〜25,000円 | 中央の穴の縁が幅広い。花紋が大きく、文字が縦長に刻まれている | |
| 福岡藩鋳銭 | 数百円 | 「保」と「通」の字が中央の穴から離れている | |
| 萩藩鋳銭 | 数百円 | 「通」の字のしんにょうが伸びている |
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
一般的には、幕府が公式で発行している天保通宝の方が高価買取を期待できます。
プレミア価値が付く天保通宝の種類

天保通宝にはさまざまな種類がありますが、密造品の天保通宝にはプレミア価値が付きやすい傾向があります。
ここでは、プレミア価値が付く天保通宝の買取相場を紹介するので、参考にしてみてください。
| 名称 | 買取相場 | 特徴 |
| 盛岡銅山 | 〜100,000円 | 表面に「盛岡銅山」の文字が刻まれている |
| 南部銅山手 | ~50,000円 | 中心の穴に傾斜がある |
| 南部小字 | ~300,000円 | 刻まれている文字が小さい |
| 南部大字 | ~50,000円 | 文字の幅が太くて大きい |
| 秋田藩 長郭 | ~18,000円 | 中央の穴の縁取りが縦に長い |
| 会津広郭長足寶 | ~250,000円 | 「寶」の「ハ」の部分が長い |
| 会津長貝寶 | ~130,000円 | 「寶」の「貝」の部分が縦に長い |
| 会津短貝寶 | ~18,000円 | 「寶」の「貝」の部分が縦に短い |
| 山口大字平通 | ~80,000円 | 刻まれている文字が全体的に大きいく「通」の字の隙間が狭い |
| 山口方字 | ~15,000円 | 穴が真四角ではっきりしている |
| 山口曳尾 | ~25,000円 | 「通」のしんにょうが横長 |
| 福岡離郭 | ~36,000円 | 中心に開いている穴と上下の文字が離れている |
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
最低でも10,000円、高額なものだと数十万円の価値が付くものもあるため、密造品をお持ちの方は1度買取査定に出してみましょう。
その他の天保通宝の買取相場
| 名称 | 買取相場 |
| 水戸大字 | ~8,000円 |
| 水戸濶字退寶 | ~5,000円 |
| 高知額輪短尾通 | ~8,000円 |
| 岡痩通 | ~5,000円 |
| 薩摩広郭 | ~3,000円 |
| 薩摩短尾通横郭 | ~5,000円 |
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
天保通宝の母銭の見分け方

天保通宝の母銭とは、貨幣を鋳造する際に型として使用された見本を指します。
実際に流通していた貨幣は子銭と呼ばれます。
母銭は数量が限られており、現存数も少ないことから、古銭市場では高い希少価値を持つのが特徴です。
以下の見出しで天保通宝の母銭の見分け方について見ていきましょう。
大きめに作られている
子銭は、母銭に溶かした金属を流し込んで鋳造します。
金属は冷えると収縮する性質があるため、母銭は通用銭よりもやや大きめに作られているのが特徴です。
実際に並べて比較すると、母銭の方が一回りほど大きく見えますが、一目で判別できるほどの差ではないため、専門の査定士に鑑定してもらう必要があります。
刻印が鮮明になっている
母銭は鋳造の原型として使われるため、刻まれている文字や模様の刻印が鮮明です。
書体もしっかりしていて立体だと、母銭の可能性があります。
また、子銭のように流通して摩耗することがないため、現存する天保通宝の母銭も、彫りが深く刻印がくっきり残っているものが多いのもポイントです。
ほかのものより素材がよい
母銭には、子銭とは異なる素材が使われています。
これは、鋳造の工程で何度も使用されることから、劣化しないように耐久性に優れた良質な金属が求められるためです。
こうした素材の違いも、母銭を見分ける大きな判断材料のひとつとなります。
天保通宝を高値で買い取ってもらうコツ

天保通宝はそのままの状態でも高額買取を期待できますが、いくつかポイントを押さえることで、さらなる高額査定を引き出すことができます。
天保通宝の売却を検討している方は、以下4つのことを実践してみましょう。
| ・適切に保管する ・古銭の買取専門業者に依頼する ・鑑定書もセットで査定に出す ・1社だけの査定で売却を決めない |
すべて実践すれば、相場以上の高額買取を引き出すことも可能です。
適切に保管する
天保通宝の買取価格は保存状態に大きく左右されます。
高温多湿の場所に置いておくと劣化や変色の原因になるため、直射日光に当たらない風通しのよい場所に保管しましょう。
普段はコレクション用のケースに入れておき、できるだけ素手で触れず、空気に触れさせないようにすることが大切です。
保管することが難しい、維持管理が面倒だという場合は、状態がよいうちに早めに買取に出しましょう。
また、見た目をよくしようと、研磨剤やブラシを使って無理に磨くのはおすすめできません。
かえって刻印部分がすり減ったり傷付いたりして、価値が下がる可能性があります。
売却を検討している天保通宝があるなら、そのままの状態で査定に出しましょう。
古銭の買取専門業者に依頼する
天保通宝の正確な価値を判断できるのは、古銭の買取専門業者です。
古銭を専門に取り扱っていない業者では、古銭の価値がわかる査定士が在籍していないことが多く、適切な価値で買い取ってもらえないことがあります。
特に天保通宝は密造品が多かったことから、一つひとつの種類を素人が見極めるのは困難です。
オークションで売却することも可能ですが、正確な価値を判断できないと、安値で売ってしまって損をするかもしれません。
また、買取専門業者なら出張買取や宅配買取に対応している場合も多いため、近くにお店がない方でも気軽に依頼できます。
鑑定書もセットで査定に出す
天保通宝の鑑定書を持っている場合は、古銭とセットにして査定に出しましょう。
天保通宝を含む古銭の価値は、プロの査定士でも正確に見極めるのは困難だと言われています。
そのため、鑑定書がない場合は買取を断られてしまうことも珍しくありません。
鑑定書があるかないかで買取価格は大きく異なるため、鑑定書はなくさないよう大切に保管しておきましょう。
1社だけの査定で売却を決めない
天保通宝の実際の買取金額は、店舗によって大きく異なります。
そのため、最初から1社に絞って決めてしまうと、提示された金額が高いのか安いのかを判断できません。
相場を正しく見極めるためにも、なるべく複数の買取業者に依頼をして、最も高く買取してくれる業者で売却しましょう。
また、複数の業者を比較するときは、査定額だけでなく手数料も確認しておくことが大切です。
出張費や査定料などの手数料が発生してしまうと、査定額から差し引かれて結局他社よりも買取価格が低くなる場合があります。
なるべく手数料がかからない業者を選んで査定額を比較しましょう。
天保通宝の高価買取はウリエルにお任せください

ウリエルは、古銭の買取実績が豊富な買取専門業者です。
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さらに、出張費・査定費・キャンセル料などの手数料はすべて無料ですので、初めての方でも安心してご利用いただけます。
まとめ

天保通宝は、江戸時代末期に流通した古銭です。
表面に「天保通寳」と刻印されているのと、中心に四角形の穴が空いているのが特徴です。
古銭としての価値があり、母銭であれば100,000円以上の買取価格をつけることもあります。
状態のよいものはもちろん、汚れや傷があっても価値がある場合があるため、お手元に天保通宝がある方は、一度古銭に精通した専門業者で査定を受けてみてはいかがでしょうか。
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