人間国宝「志村ふくみ」の着物の特徴は?値段や買取相場についても解説!

2024年の9月30日に100歳を迎えた志村ふくみは、人間国宝にも認定された染織家です。
制作される着物には、「紬織り」と「草木染め」が駆使されており、独特の風合いを持ちます。
本記事では、志村ふくみの経歴や代表的な作品などについて紹介します。
また、志村ふくみ作品の値段や買取相場についても解説しているので、購入や売却を検討している方も、ぜひ参考にしてみてください。
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志村(しむら)ふくみとは?

引用:https://shimuranoiro.com/profile/
100歳を迎えた人間国宝「志村ふくみ」。
ここでは、その歩みや功績についてご紹介します。
志村ふくみの特徴と経歴
1924年滋賀県近江八幡で生まれた志村ふくみは、植物染料を用いた紬織物で知られる染色家です。
31歳の頃母親である小野豊の指導を受けて、織物の世界へと足を踏み入れました。
草木染めをした絹糸で作られる紬は独創的な美しさがあり、自然との共生を表現しています。
そんな志村ふくみの作品は広く認められており、1957年に第4回日本伝統工芸展に初出品をして入選を果たしてからは、さまざまな賞や勲章を受賞しています。
- ・日本伝統工芸展にて文化財保護委員会委員長賞などを受賞
- ・第30回京都賞受賞
- ・紫綬褒章受賞
- ・文化勲章受賞
- ・京都市名誉市民
そして1990年、元々は農民が手仕事で作るものであった「紬」を芸術品の域に高めた功績を認められ、重要無形文化財保持者(人間国宝)に選出されました。
植物や自然、命を大切にして作り上げる作品はとても貴重であり、着物を愛する人や有名人など多くの人に支持されています。
また随筆家としても活躍しており、1983年に「一色一生」で大佛次郎賞を、2006年には第14回井上靖文化賞を受賞しました。
今もなお現役で活躍する作家である
志村ふくみは、90歳を超えた今もなお、染織の世界で活躍しています。
1968年に京都市右京区嵯峨野で立ち上げた工房は、娘であり同じ染織家の志村洋子が受け継ぎ志村ふくみの作品世界を支えています。
高齢な志村ふくみですが、今も娘や孫のサポートにより、現役として活躍しているようです。
さらに、次の世代へ技術や考え方などを伝えていく活動も行なっています。
近代文明の危機を打破すべく芸術学校を設立
2011年3月の東日本大震災後、志村ふくみは自然と共に育んできた染織の文化が永遠のものではないと感じたようです。
そのことをきっかけに、娘の洋子、孫の昌司とともに芸術学校「Ars Shimura(アルスシムラ)」を開校しました。
1校目は2013年京都市左京区岡崎市にて、さらに2015年には右京区嵯峨にて2校目を設立しました。
芸術学校「Ars Shimura(アルスシムラ)」では、草木を使って糸を染め、手機で織ることを経験しながら学べる場です。
開校以来多くの人が、染織の技術だけでなく、志村ふくみと洋子が大切にしている精神を学んでいます。
志村ふくみの代表的な作品

引用:https://shimuranoiro.com/concept/
志村ふくみの代表的な作品は、アトリエシムラShop&Galleryで開催される特別展や東京国立近代美術館、京都国立近代美術館などさまざまな施設で展示されています。
藍色が印象的な「秋霞(1958年)」や月が登ってくる瞬間を描いた「月の出(1985年)」など他にはない志村ふくみならではの世界感が魅力です。
・鈴虫(1959年)
・嵯峨野(1960年)
・梅の段(1981年)
・風露(2000年)
・舞姫(2013年)
他にも多くの作品が芸術品として展示されているので、機会があればぜひご覧になってください。
また、志村ふくみは日本の伝統文化を代表するものとして、代表作を掲載した作品集も出版されています。
志村ふくみの作品(着物や帯など)の特徴

引用:https://shimuranoiro.com/profile/
天然の草木から抽出した「草木染め」
志村ふくみの作品には特徴の一つとして、植物から得られる天然色素を使って染める「草木染め」という手法があります。
工房がある嵯峨野は野山や自然が多く、工房の近くで採れる草木を素材として使用しています。
一般的な草木染めとは違い、志村ふくみの草木染めは独自の手法を使って進化させたもので、その仕上がりの美しさはまさに芸術品と言えるでしょう。
自然な色合いと奥行きのある風合いが魅力で、草木で染めたとは思えないほどに色鮮やかなのが特徴です。
丈夫で味のある風合いの「紬織り」
「紬織り」は、木綿を使ったものもありますが、志村ふくみが作る紬は絹糸が使われています。
蚕の繭から繰り出し手で撚りをかけて作られる糸は、太さが均一ではなく細い部分と太い部分があるのが特徴です。
そのため、平織に折り上げた際に畝(うね)が現れてざっくりとした雰囲気に仕上がります。
元々紬は農民が自分で着るために手機で織る織物で、丈夫で染めやすいこともあり、多くの一般庶民が着用するものでした。
しかし近年は、志村ふくみをはじめとする染織作家によって、紬の芸術的な価値が高められ、伝統工芸品として人気となっています。
絹糸で織られた紬は使うほどにツヤが増し、経年変化を長く楽しめます。
販売価格と買取相場は?

引用:https://shimuranoiro.com/profile/
志村ふくみの着物の販売価格と買取相場について紹介します。
購入や売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
志村ふくみによる作品の販売価格
志村ふくみの作品は女優や有名人などにもファンが多く、染織作家の中でも特に有名であり人気があります。
そのため、市場に出たとしてもすぐに買い手が見つかってしまい、なかなかお目にかかることが少ないでしょう。
その販売価格は、新品の振袖や訪問着なら100万〜250万円以上、紬絵羽だと500万円を超えることもあります。
未着用の新古品でも同じくニーズは高いため、販売価格は下がることがなく、300万円以上の価格になるでしょう。
志村ふくみの着物は長く手元に置いておきたいというファンが多いことから、中古品でも手放す人が少ない大変価値のある作品です。
志村ふくみによる作品の買取相場
買取市場でも高い人気を誇る志村ふくみの作品は、~15万円前後の買取価格になるケースがほとんどですが、状態によってその価格は大きく変動します。
志村ふくみの作品は元々希少価値が高いため、平均的な買取価格より高くなる場合も少なくありません。
また志村ふくみの作品は、着用の目的ではなく芸術品や美術品として鑑賞するために購入するというニーズもあるため、古い品や傷があるものでも査定に出してみる価値は十分にあります。
志村ふくみの作品を高価買取するポイント

志村ふくみの作品を高値で売るには、いくつかのポイントがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
状態がよいか
着物の状態は、買取価格に大きく影響します。
汚れやシミ、色あせ、虫食いなどがあると査定額が下がるため、日頃のメンテナンスや保管はとても重要です。
着物はきれいに畳み、たとう紙に包んでから、たんすで保管しましょう。
また、定期的に虫干しを行い、たとう紙を清潔なものに交換することも大切です。
正しい保管を続けることで、長期間きれいな状態を維持でき、売却時にも高値をつけやすくなるでしょう。
着物の詳しい保管方法については、以下の記事を参考にしてください。
なるべく付属品も一緒に
志村ふくみの作品には落款(らっかん)や証紙がありません。
そのため、着物を包むたとう紙などで本物であることが証明できれば高額査定される可能性が高まります。
また、着物以外に志村ふくみの帯もある場合や複数枚の着物がある場合には、なるべく一緒に査定に出しましょう。
同時に査定に出す方が、セットとしての価値が高まったり、交渉の材料となったりするため、高値が付きやすくなります。
なるべく早く売りに出す
着物は時間の経過とともに、少しずつ状態が劣化します。
特に、湿気や紫外線、虫の被害を受けやすく、定期的な虫干しやたとう紙の交換など、適切な管理が欠かせません。
しかし、専門知識のない素人が長期間にわたって良好な状態を維持するのは、とても手間がかかります。
そのため、使用予定がなくなった着物は、なるべく早めに売却するのがおすすめです。
劣化が少ないうちに手放すことで、より高額な金額での売却が期待できるでしょう。
着物買取専門店で査定
志村ふくみの着物はとても貴重なものであり、大量に出回っているものではありません。
あまり着物に詳しくないリサイクルショップや古着屋などに買取を依頼してしまうと、その価値が理解されず査定金額が低くなってしまうこともあるので注意しましょう。
価値が高い志村ふくみの着物を査定に出すなら、着物の専門知識を持つ査定士が在籍して買取業者に依頼することをおすすめします。
【志むらふくみ着物の価値を適切に評価】買取業者の選び方

志村ふくみの作品は希少価値が高く、高値をつけるため、その価値を適切に評価してくれる買取業者を選ぶことが大切です。
買取業者選びで参考にしたい項目について見ていきましょう。
着物の買取実績が豊富かチェック
志村ふくみのような価値ある着物を正しく査定してもらうためには、着物買取の実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。
過去に人間国宝の作品や伝統工芸品の買取実績があるかを確認することで、信頼性や専門性の目安になります。
多くの業者はホームページ上で過去の買取実績を紹介しているため、事前にチェックしておくと安心です。
実績が豊富な業者は、希少価値を正当に評価してくれる可能性が高く、満足のいく取引につながりやすいでしょう。
専門の査定士がいると安心
高額査定を狙うなら、着物に精通した専門の査定士が在籍しているかどうかも確認しておきましょう。
着物の価値は一見して分かりづらく、種類や作家、技法、素材、保存状態などによって細かく評価が分かれます。
特に、志村ふくみのような人間国宝の作品は、一般的なリサイクル業者では正しく査定されない可能性があります。
その点、知識のある査定士なら、志村ふくみ作品の価値もしっかりと見極めたうえで、適正な価格を提示してくれるでしょう。
出張買取に対応していると便利
志村ふくみの着物は高価であるため、持ち運びに不安を感じる方もいるでしょう。
そのような場合に便利なのが、出張買取サービスです。
出張買取なら自宅まで訪問して査定を行ってくれるため、大切な着物を傷める心配がありません。
また、忙しくて時間が取れない方や、店舗までの交通手段が限られている方にとっても、出張買取は大きな魅力です。
特に、複数枚を一度に売りたい場合などは、出張買取に対応している業者を選ぶと安心です。
着物の買取ならウリエルにお任せください

大切な着物の売却は、ウリエルにお任せください。
ウリエルでは、豊富な経験を持つ査定士が、志村ふくみ作品のような希少価値の高い着物も丁寧に査定いたします。
また、出張買取にも対応しているため、着物を持ち運ぶことなく自宅で査定を受けていただけます。
着物一枚からの査定も可能で、査定料・出張料・キャンセル料はすべて無料です。
捨てるのはもったいないと感じている着物がある方は、ぜひ一度ウリエルにご相談ください。
まとめ
今回は、人間国宝「志村ふくみ」について紹介しました。
志村ふくみは、天然色素を使った草木染めという手法と、絹糸を使った紬織りが特徴の染織家です。
奥深く味のある風合いで美術品としても高い人気を誇ります。
そのため、中古市場でも高い値段での買取が期待できるでしょう。
売却を検討している方は、ぜひ信頼できる着買取業者に一度相談してみてください。
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