ウール着物は買取できる?買取相場や高く売るポイントを解説!

家でも洗濯できる手軽さが魅力のウール着物ですが、買取に出すとその値段にがっかりすることも少なくありません。
実際、「ウールの着物は売れない」「買取の値段がつかない」といわれることもあります。
本記事では、ウール着物の買取相場や、少しでも高く売るためのポイントなどについて解説します。
ウール着物の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
※ウリエルでは「ウール着物」の買取を行なっておりません。
しかし、他の着物や和装着物は買取できる場合もありますのでまずはご相談ください。
ウールの着物とは

羊毛を指すウール着物の歴史は浅く、昭和の頃に普段着として着用され始めました。
昔は「セル着物」と呼ばれていたこともあります。
また、他の着物よりも簡単に作成できるため、リーズナブルな価格で提供されていました。
さらに、家でも洗濯できるウールの着物は、その手軽さで当時一世を風靡します。
身近な着物であったことから、柄やデザインが豊富に用意されているのも特徴で、カジュアルな着こなしを楽しめるウール着物は、若い世代を中心に人気を集めています。
ウールの着物の見分け方
ウールの着物を見分けるポイントはいくつかあります。
まず、質感はウール特有のザラザラ感があり、触るとチクチクした印象を受けます。
また、繊維が短いため、よく観察すると毛羽立ちを確認できることも特徴です。
さらに、生地自体が厚手なことも、見分けるポイントになります。
特に、畳んだ際にほかの着物と比べて厚みを感じられるでしょう。
これらのポイントを押さえることで、自宅にある着物がウール素材かどうかを確認できます。
ウールの着物は買取できない?

ウールの着物は、買取不可としている業者も少なくありません。
その理由は、防虫剤や乾燥剤を使用しなければ保管が難しく、管理コストがかかるためです。
ウール着物に虫害が発生した場合、ほかの着物にまで被害が広がるリスクがあるため、特に避けられる傾向にあります。
また、ウールは着物の中では比較的安価な素材であり、市場での価値が低いことも、買取価格がつきづらい理由の一つとして挙げられます。
ウール着物の買取価格相場

ウール着物の買取価格は、保管状態やブランドに左右されますが、およそ1,000〜1,700円が相場です。
もともとリーズナブルな価格で流通していることもあり、高額査定を狙うのは難しいでしょう。
また、通常の着物と異なり、ウール着物は買取不可としている買取店も多いので注意が必要です。
ただし、着る人を選ばない160cm以上の大きめサイズや未着用のもの、保管状態のよいもの、ブランドや人気デザインの着物は市場での需要が高いため、高値が付くこともあります。
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではありません。
ウール着物を高く売るポイント

ウール着物はどこに売っても同じというわけではありません。
お店によって査定士は異なるため、同じウール着物でも買取価格に差が出てきます。
今まで愛用してきたウール着物を少しでも高く売りたいなら、以下のポイントをすべて押さえておきましょう。
相見積もりをとる
ウール着物はお店によって買取価格が異なります。
在庫状況によって買取価格は変動するため、必ず相見積もりをとりましょう。
1社から見積もりをとっただけでは、その査定額が高いのか安いのか判断できません。
複数のお店に査定を依頼して金額を比較すれば、おおよその買取相場がわかります。
見積もりだけであれば多くのお店が無料で対応しているので、少なくとも3〜4つのお店から見積もりをとることをおすすめします。
綺麗に保管する
ウール着物の買取価格は、見た目の状態に大きく左右されます。
シミ・シワ・虫食い跡・黄ばみ・汚れ・カビ・裾切れ・糸のほつれがあると、減額査定の対象になるため要注意です。
簡単にとれる汚れは、査定に出す前にとっておきましょう。
なかでもウールは虫食いされやすいので、防虫対策はもちろん、絹の着物や小物と一緒に保管しないように注意してください。
ウールに限らず着物は傷みやすいため、着用機会がないのであれば早めに売却することをおすすめします。
また、ウール着物を高く売りたいからといって、クリーニングに出すのはやめたほうがよいでしょう。
かえってクリーニング代金のほうが高くなり、結果として割に合わないことになりかねません。
自分でとれない汚れはそのままの状態で査定に出すことをおすすめします。
着物の保管方法については詳しくはコチラ
着物の保管に使う「たとう紙」について詳しくはコチラ
小物類も一式まとめて売る
ウール着物だけ査定に出すのではなく、帯や足袋、下駄、扇子、草履、かんざしなどの和装小物と一緒に出すと、査定額アップを期待できます。
証紙もあれば必ず一緒に提出しましょう。
もともと安価なウール着物は、正絹の着物に比べて高額査定が出る可能性は低いですが、小物と一緒に査定に出すことで買取価格に上乗せしてもらえる場合があります。
使わなくなった和装小物があれば、まとめて査定に出しましょう。
着物買取専門店で売る
ウール着物を高値で売りたいなら、必ずウール着物の買取実績が豊富な着物買取専門店を選びましょう。
リサイクルショップや古着屋にはウール着物の知識をもつ査定士がいない可能性が高いため、安値で買取されてしまいます。
ブランド着物であっても、他の着物と同じ値段を付けられたり洋服と同じような扱いをされたりするため、高額買取は期待できません。
一方で、専門店なら、着物の知識に長けている査定士が1点1点丁寧に査定してくれます。
有名ブランドの着物なら、高値での売却も可能です。
さらに、出張買取や現金買取にも対応しているため、利便性も高いといえるでしょう。
ただし、買取業者によっては、ウール着物自体買取不可の場合もある点には注意が必要です。 。
ウール着物のメリット

ウール着物が人気を集める理由は、通常の着物と異なるメリットをもつためです。
ここでは、ウール着物の特徴を紹介します。
機能性が高い
ウールは保温性・撥水性・伸縮性に優れており、絹や木綿を使用した一般的な着物よりも日常的に扱いやすいメリットがあります。
畳んで引き出しに保管してもシワになりにくい点や水に強くウール100%の着物なら家で洗濯できる点も特徴です。
また、天然素材であるウールは暖かく、蒸れることなく湿度を適度に調節してくれるので快適な着心地を楽しめます。
日常生活に使えるカジュアルな着物
ウール着物は着こなしに細かいルールがないため、自由なコーディネートを楽しめます。
そのため、近所への買いものや気軽なランチなど、日常生活の延長上に利用したり、個性的な装いを楽しんだりしたい人に適した着物だといえます。
ただし基本的にカジュアルな着物なので、結婚式や葬儀などの儀礼的なフォーマルな場には不向きです。
格式の高い着物ではないため、フォーマル用の着物は別に用意しておきましょう。
リーズナブルな価格
比較的安価な値段で購入できるのも、ウール着物の魅力です。
新品でも1万円前後で購入できるため、「着物を着てみたいけど価格が高い」と思っている方におすすめです。
さらに、価格だけでなくお手入れも簡単なので、気軽に着物を楽しめる点も支持されています。
着用シーズンが長い
ウール着物は、春・秋・冬と3シーズンに渡って着用できるのが特徴です。
晩秋や冬の寒い時期は厚手のウール生地、気温が高い時期は通気性に優れるサマーウールを選ぶことで季節ごとに快適に楽しめます。
また、ウール着物は単衣仕立てが多いのですが、これは家庭での修復や仕立て直しが簡単にできることと、着用シーズンが長いことが理由です。
ウール着物に使用される代表的な生地

引用:https://someorikodamas.com/product/58593
ウール着物の中でも特に高い評価を受けているのが、国内最高峰といわれている「西陣ウール」です。
西陣ウールには、長い歴史をもつ西陣織りの技術が使われており、軽量で暖かい特徴があります。また、発色がよく、さまざまな色や柄を楽しめる「モスリン」も、年齢問わず人気の生地です。
暖かく蒸れず、洗濯しやすいため、ウール着物の中でも特に扱いやすい生地といえます。
他にも、静岡で生産されている「浜松ウール」、絹糸を織り混ぜた質感が人気の「三勝染シルクウール」などもウール着物に使用される代表的な生地です。
ウール着物に使用される柄

引用:https://someorikodamas.com/product/58583
伝統的なウール着物は、絣や格子、幾何学模様といった柄が特徴で、2~3色を使った配色が一般的です。
一方で、現代ではモノトーンや無地、ドット柄などシンプルでモダンな雰囲気の柄が増えています。
市場では、季節感のあるデザインやレトロなデザインが人気を集めており、多様なスタイルが楽しめます。
ウール着物の取り扱い(お手入れ)

水や汚れに強いウール着物は単衣仕立てなので、自宅で洗えるのが魅力です。
ただし、ウールは虫に食われやすい面もあるため、洗濯した後の保管方法には十分注意しましょう。
おしゃれ着用洗剤で洗濯
ウール着物はおしゃれ用洗剤で手洗いするのが基本です。
脱水時間は50秒ほどで、洗濯した後は必ず陰干ししましょう。
洗濯機で洗う場合は、着物洗濯ネットに畳んだ状態で入れて、手洗いモードやおしゃれ着コースなどの優しい洗い方を選択します。
脱水時間が長いと型崩れの原因になるので、10秒ほどの短い時間に設定しておきましょう。
自宅で洗濯するのが面倒な場合は、着物専門のクリーニングに出すのも一つの方法です。
シミなどの汚れも、クリーニングなら綺麗に除去できます。
必ず防腐剤を入れて保管
ウール着物を長持ちさせるためにも、防腐剤を必ず一緒に入れて保管しましょう。
ただし、使用する防虫剤や乾燥剤は1種類だけにしておきましょう。
複数の防腐剤を入れると、薬剤同士が化学反応を起こして変色や傷みの原因になるので注意が必要です。
また、無臭かつ天然成分由来のものだと安心して利用できます。
他の素材と一緒に保管しない
ウール着物を他の素材の服と一緒に保管するのは避けましょう。
特に絹と一緒に保管してはいけません。
虫はウールの着物を好むため、一緒に保管してしまうとウールに寄ってきた虫が絹の着物まで食べてしまう恐れがあります。
また、着物と小物を分けて片付けることも大切です。
プラスチックやゴムを使用した小物と一緒に保管してしまうと、防虫剤との化学変化で着物が変色することがあります。
小物は小物だけでまとめて保管しておきましょう。
ウールの着物に関するよくある疑問

ウール着物の着用シーンや合わせる帯など、よくある疑問について見ていきましょう。
ウールの着物はいつ着る?
ウールは保温性の高い着物であるため、秋から春にかけての涼しい季節に最適です。
一方で、気温が高い時期には薄手の生地で作られたサマーウールがおすすめです。
サマーウールなら、さらっとした肌触りで、気候によっては初夏でも涼しく着られるでしょう。
また、着用するシーンとしては、カジュアルな場面が向いています。
そのため、ウールの着物は、肌寒い時期の普段のお出かけや、気軽な集まりなどに利用されることが一般的です。
ウールの着物に合わせる帯は?
ウールの着物に合わせる帯は、半幅帯や名古屋帯が一般的です。
ウールはカジュアルな素材のため、合わせる帯の選択肢も広いのが特徴です。
普段のお出かけには気軽に結べる半幅帯、少し上品に見せたい場合は名古屋帯といったように、自由に使い分けができます。
一方で、礼装用の袋帯は格式が高すぎるため、ウールの着物には不向きです。
着用シーンや雰囲気に合わせ、自由にコーディネートを楽しめるのがウール着物の魅力といえるでしょう。
ウールの着物以外に買い取れない着物はある?
ウールの着物以外に買取が難しいものとして、化学繊維の着物が挙げられます。
化学繊維の着物は、ウール同様に元の価値が低く、市場での需要も限られているため、買取不可とされることも珍しくありません。
また、素材が良くてもシミや虫食いなど状態が悪い着物も買取対象外になる可能性があります。
そのため、買取に出す前は着物の素材や状態をしっかり確認しておくことが大切です。
また、保管時には乾燥剤や防虫剤を使用するなどの手間をかけることも怠らないようにしましょう。
着物の買取ならウリエルにお任せください

着物の買取を検討している方は、ウリエルをチェックしてみてください。
ウリエルではウール着物の買取は行っていませんが、そのほかの着物は高価買取が可能です。
また、ウリエルでは出張査定にも対応しているため、複数点査定に出したい方でも安心してご利用いただけます。
経験豊富な査定員が丁寧に対応いたしますので、自宅に使っていない着物が眠っている方は、ぜひウリエルをご利用ください。
まとめ

ウールの着物は素材の価値が低いことから、値段がつかないケースもありますが、丁寧に保管したり、買取先をしっかり検討したりすることで、売却できる可能性があります。
特に、相見積もりを取ることで相場感を把握できるため、手間はかかりますが複数社に査定依頼を出すことも大切です。
お手元に不要なウール着物がある方は、まずは着物買取業社で見積もりを取るところから始めてみてください。
※ウリエルでは「ウール着物」は買取をしておりません。
しかし、他の着物や和装小物は買い取れる可能性があるので、まずはお気軽にご相談ください。


2つの買取方法