リトグラフの価値の6つの決まり方!高く売るコツも解説!

リトグラフは独特な技法を用いた版画の一種であるため、多くの収集家やアートファンから注目されています。
本記事では、リトグラフの特徴や価値が決まる仕組み、さらに高値で売るコツを詳しく解説していきます。
初めてリトグラフに触れる方にもわかりやすい言葉でまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
リトグラフとはどんな美術品?

リトグラフは、石や金属板に水と油の反発を活用してデザインを描き、そのまま紙に転写する平版画技法の一種です。
通常木版画や銅版画では版に彫刻した凸部分や凹部分を使いますが、リトグラフでは版の表面が基本的に平らであることが特徴とされています。
そのため、ブラシやペンなどフリーハンドの感覚で繊細な線や豊かな色彩を表現しやすく、アーティストの表現力がそのまま作品に反映される点で高い芸術性を持ちます。
リトグラフとほかの版画との違い

版画にはリトグラフのほかに、シルクスクリーン、木版画、銅版画などさまざまな種類があります。
それぞれの技法に応じてインクののり方や色彩の出方に違いがあり、作品のタッチや質感にも大きな影響を及ぼすところがポイントです。
技法による違いを理解すると、リトグラフの特性や価値がさらに明確になります。
シルクスクリーンとの違い
リトグラフは油と水の反発を利用する平版印刷であるため、作家の細やかな筆使いやグラデーション表現が反映されやすい点が特徴です。
一方、シルクスクリーンは型となるメッシュ版を使い、インクを刷り込んで紙などに転写します。メッシュを通して塗布するので、色の発色が強くポップな表現が得意とされます。
リトグラフの場合はニュアンス豊かな線や繊細なトーンを表現できるのに対し、シルクスクリーンでは大胆な色彩のデザインやくっきりした塗りが際立ちます。
一般的な版画との違い
木版画や銅版画では、木や金属の版を彫刻刀やニードルなどの道具で彫ったり削ったりして、凹凸を作り出します。彫った部分や残した部分にインクをのせ、その上に紙を置いて圧力をかけることで版の形が紙に転写されます。
リトグラフは石や金属板の平らな面に直接描画するため、彫刻のような工程は必要とされません。その結果、彩色や筆使いの軽妙さをそのまま表現できるので、複雑なグラデーションや微妙な表情を生み出します。
絵画のような柔らかさと版画ならではの再現性をあわせ持つ点も、リトグラフの大きな魅力と言えるでしょう。
リトグラフは「オリジナル」と「複製品」で価値が大きく違う

リトグラフというと、同じデザインを何枚も刷る版画という性質上、作品ごとの価値に差が出にくいと思われがちです。
しかし実際は完全に作家の手によるオリジナル作品と、市場向けに複製されたリトグラフでは評価が大きく変わります。
特に真のオリジナル版は作者による独自の描画や限定的なエディション数を持つため、その分希少価値が高く取引価格も高騰する傾向です。
「オリジナル」のリトグラフとは
オリジナルリトグラフとは作家自身が下絵を描き、製版から印刷までの全工程を行うか、またはその監修を行った作品を指します。このため、作家の直接的な関与があることが重要です。
芸術性や投資価値が非常に高いのが一般的で、限定エディションが設定されることも多く、それらには作家のサインやエディションナンバーが記載されます。
そのため、オリジナルリトグラフは単なる印刷物ではなく、作家の創作活動の一部として高く評価されています。
「複製品」のリトグラフとは
既存の絵画や版画を模写する形で印刷されたリトグラフを複製品と位置づけることが多いです。
複製品は作家本人が直接関わっていないため大量生産が可能となり、広く流通します。価格が比較的手頃なことからコレクションの入門として購入する人も多く、アートを身近に感じられる存在と言えるでしょう。
ただし、あくまで鑑賞やインテリア向けとしての需要が中心であり、投資目的での価値はオリジナル作品ほど期待しにくい特徴があります。
「オリジナル」と「複製品」の価値の違い
オリジナルリトグラフは、作家の手が加わった独自性と限定的な数での発行が強みです。そのため需要が高く、価格も高額に設定されやすい傾向にあります。
一方、複製品のリトグラフは大量生産が可能で、品質が均一に保たれているのが特徴です。ただし作家の関与がないため、資産価値はオリジナル作品に比べて低くなります。
このように、リトグラフは「芸術作品としての価値」を重視するか、「手軽に楽しめるアート」として選ぶかによって、オリジナルと複製品のどちらを選ぶべきかが変わってきます。
「オリジナル」と「複製品」の見分け方
リトグラフのオリジナルと複製品を見極めるには、エディションナンバーや作家の直筆サインの有無、版上の描画のタッチなどを総合的にチェックすることが重要です。
由来を証明するレターや公的な鑑定書があれば、より確実に真贋を見分けられます。オリジナルリトグラフの市場価格は非常に高額になるので、購入や売却の際には必ず正規の証明を確認するようにしましょう。
信頼できるギャラリーや専門業者に相談し、慎重に判断することが大切です。
リトグラフの価値を決める6つのポイント

リトグラフの価値は複数の要素が影響しあって決まります。特に注目したい6つのポイントを解説します。
- ・作家の知名度と人気
- ・直筆サインの有無
- ・エディションナンバー
- ・作品の状態
- ・モチーフや図柄の人気度
- ・作品の来歴
これらの要素を総合的に評価することで、市場での取引額や将来的な資産価値が左右されるのです。
作家の知名度と人気
リトグラフを含む美術作品では、作家の知名度や市場での人気度が非常に大きなウェイトを占めます。
世界的に高い評価を受ける作家の作品ほど需要が高まり、結果的に価格もアップします。有名作家のリトグラフはオークションやギャラリーでも注目されやすく、資産としての価値も期待できます。
特に、国内外で個展を開いた経歴や受賞歴がある作家の作品はコレクター間で安定した需要があり、将来的な価値上昇も見込まれる点が魅力です。
直筆サインの有無
作家が直筆でサインを入れたリトグラフは、作品の真正性を示す重要な要素となります。
多くの場合、サインは印刷後に作家本人が鉛筆などで余白の右下部分へ書き入れます。サインがあるだけでなく、日付やエディションナンバーが明記されている場合、さらに信頼性が上がり、そのぶん市場評価も高くなる傾向があります。
サインの入った限られた部数だけがオリジナルとみなされるケースもあるため、取引価格に大きな差を生むポイントです。
エディションナンバー
リトグラフの多くは限定部数が設定されており、何枚目に刷られたのかを表すエディションナンバーが記載されます。
版画の余白部分には「10/100」などの数字が書かれていることがあり、これは100枚のうち10枚目の作品という意味を持ちます。限定数が少なければ少ないほど希少性が増し、コレクターの人気を集めやすくなります。
特に作家が「限定〇部」と明確に示している作品は、市場価値が高く安定しやすいのが特徴です。
作品の状態
リトグラフの価値は、まず作品の状態によって大きく左右されます。紙の黄ばみや経年変色、湿気によるシミやカビは査定額に直接影響します。額装されていてもガラスの傷や額縁の劣化は減額対象です。
一方で保存状態が良好であれば、同じ作品でも高い査定が期待できます。実際に、作家直筆サイン入りの作品で紙焼けが少ないものは、状態が悪い同作品よりも明らかに高額で取引されます。
コレクション価値を保つためには直射日光や湿気を避け、適切な額装と保存環境の管理が重要です。
モチーフや図柄の人気度
リトグラフの価格には、作品のテーマや図柄がどれだけ魅力を持つかも深く関わっています。
有名作家の代表的な図柄や人気シリーズであれば、買取業者側も再販を想定しやすいため、評価が上がりやすい傾向があります。特に人物・風景・動物など鑑賞性が高いテーマは需要が安定しており、作品価値を判断する際の指標とされています。
鑑定士やコレクターの間でも、人気のモチーフかどうかが真っ先に注目されるため、購入や売却の際に意識しておきたいポイントです。
作品の来歴
作家の直筆サインやエディション番号、展示歴・落札歴といった「作品の来歴」は、リトグラフの価値を大きく左右します。
特に、ギャラリーや著名なコレクターが所蔵していた場合は、真贋の信頼性が高まり、評価額が上がりやすくなります。また、限定部数であることや来歴が明確な作品は、買取業者にとって「真作性」と「希少性」を裏づける重要な判断材料です。
査定前にこれらの情報を整理しておくことで、より納得のいく買取結果を得やすくなります。
【有名作家別】リトグラフの価値と買取相場

| 種類 | 買取相場 |
| クリスチャン・ラッセン | 〜3万円 |
| 草間彌生 | ~1,000万円 |
| ロバート・ラウシェンバーグ | ~100万円 |
| 平山郁夫 | ~50万円 |
| パブロ・ピカソ | ~500万円 |
| マルク・シャガール | ~300万円 |
| ジャスパー・ジョーンズ | ~400万円 |
| 東山魁夷 | ~42万円 |
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
有名作家によるリトグラフは、たとえ同じ技法でも一般的な作家の作品と比べて相場が大きく異なります。リトグラフで特に高評価を得ている作家は、以下のとおりです。
- ・クリスチャン・ラッセン
- ・草間彌生
- ・ロバート・ラウシェンバーグ
- ・平山郁夫
- ・パブロ・ピカソ
- ・マルク・シャガール
- ・ジャスパー・ジョーンズ
- ・東山魁夷
ここでは、有名作家別の作品の特徴と相場について解説します。
クリスチャン・ラッセン
クリスチャン・ラッセンは海洋画の巨匠として知られ、幻想的な海の世界を描く作品が多くのファンを魅了しています。
彼のリトグラフは美しい色使いが特長で、高品質の紙と限定エディションが設定されることが多いため、高値がつきやすい傾向にあります。特にサーフスタイルや海洋風景を好むコレクター層から根強い人気を得ています。
ラッセン作品は、近年では〜3万円前後で取引されています。 保存状態が良く額装に劣化のない作品は、さらなる査定アップが期待できます。
クリスチャン・ラッセン作品の買取相場!査定ポイントや高く売るコツも解説!
草間彌生
草間彌生のリトグラフは、世界的な現代アートの象徴として高値取引が続いています。独創的な水玉模様で世界中にファンを持ち、投資対象としても大きく注目されています。
特に「南瓜」や「レモンスカッシュ」などの代表モチーフは人気が集中し、限定部数や直筆サインの有無で価格が大きく変動します。
市場で評価される理由は作品自体に高い芸術的完成度があり、さらに国際的な知名度と希少性が加わるためです。直筆サイン入りの作品は〜1,000万円に達する例もあります。
ロバート・ラウシェンバーグ
抽象表現の巨匠ロバート・ラウシェンバーグのリトグラフは、戦後アートの中でも特に投資価値が高いです。ポップアートの旗手として有名で、コラージュ的な要素が特徴です。
実験的なアプローチを多用する作家として、版画作品にも新しい技術を積極的に取り入れました。彼のリトグラフは色彩や素材感の融合がユニークで、オークションでも話題となることが多く、高い評価を得ています。
作品の評価は制作年代や版数、直筆サインの有無で大きく変わります。市場では数十万円〜100万円前後の買取例があります。
平山郁夫
平山郁夫は日本の代表的な日本画家として知られ、仏教やシルクロードを題材にした作品が高い人気を博しています。彼のリトグラフは日本画の柔らかな色合いを再現しており、和の静寂感と奥深さを表現しています。
国内外のコレクターから常に需要があり、作品の状態が良いものは高額で取引される傾向が強いです。特にサイン入りで保存状態の良い作品は、50万円前後で取引されたケースもあります。
また、作家本人が監修したリトグラフも多く、版画でありながら高い芸術性を保っているのが特徴です。
パブロ・ピカソ
パブロ・ピカソは20世紀を代表する巨匠で、その作品は美術史に多大な影響を与えました。ピカソのリトグラフは彼の絵画作品に比べると比較的手に入れやすいものの、それでも市場価値は非常に高いです。
特に有名な連作や限定エディションに関してはオークションで高額落札が相次ぎ、世界的なステータスシンボルともいえる存在です。過去には、人物をモチーフにした作品が数百万円で取引されたケースもあります。
希少性や直筆サイン・保存状態が揃ったピカソのリトグラフは、資産価値としても魅力的です。
マルク・シャガール
夢幻的な構図と鮮やかな色彩が特徴のマルク・シャガールは、多くの人々の心を捉え続ける作家です。
彼のリトグラフ作品は油彩とはまた違ったテイストを楽しめるうえ、収集家にとっては非常に魅力的なアイテムとなります。限定版やサイン入りの作品は希少性が高く、高値での取引が続いています。
「ダフニスとクロエ」や「サーカス」は特に評価が高く、数百万円で取引されることがあります。 サインがない場合も数十万円で取引されたケースもありますが、直筆のサインや明確なエディション番号があれば、価値はさらに上がります。
ジャスパー・ジョーンズ
ジャスパー・ジョーンズはアメリカンポップアートの重要作家であり、国旗や数字などのモチーフを大胆に描く作品で有名です。リトグラフでも彼の独特なモチーフや配色が際立ち、コレクションアイテムとして大変人気があります。
エディション数が少ない作品や特別なサイン入りは、アート市場で高騰することも珍しくありません。
特に1960年代に制作された初期の版画・リトグラフ作品は、版数が少なかったりサイン入りだったりすると、海外オークションで数百万円の落札例も見られます。国内でも、直筆サイン入りで状態の良い作品が400万円前後で取引されています。
東山魁夷
東山魁夷の作品は、日本の風景や四季の移ろいを穏やかに描く作風で広く愛されています。リトグラフでも原画の色彩や静けさを忠実に再現し、青や緑を基調とした深みのある色調で、観る人に落ち着きと神秘性を感じさせます。
国内のコレクターはもちろん、海外の日本美術愛好家からも高い評価を得ており、代表的な風景モチーフの作品は常に需要が絶えません。
直筆サイン入りでエディション番号が明確な作品は、数十万円前後での買取が期待できます。
リトグラフを少しでも高く売るコツ

売却の際には保管や業者選びなど、少しの工夫でリトグラフの査定額を上げることができます。代表的なポイントを以下にまとめました。
- ・鑑定書など付属品は必ず添付
- ・無理にお手入れをしない
- ・買取キャンペーンを利用する
- ・美術品に詳しい買取業者に依頼する
- ・出張買取を利用する
ここでは、リトグラフを少しでも高く売る5つのコツをご紹介します。
鑑定書など付属品は必ず添付
リトグラフを高く売るには、作品の真贋や来歴を証明する書類を添えることが欠かせません。鑑定書や真作証明書、エディションナンバー入りのサインなどが揃っていれば買い手の信頼が高まり、査定額の向上につながります。
特にオリジナル作品は、証明書の有無で価値が大きく変わることが少なくありません。
証明書が揃っていることで査定額が数十%アップする可能性もあるため、紛失しないよう注意し売却前には必ず書類の確認を行うことが重要です。
無理にお手入れをしない
査定前にリトグラフを綺麗にしたいと考えても、自己流の手入れは避けるべきです。紙に水分が触れるとインクが滲み、作品を傷つけてしまう恐れがあります。
ホコリを落とす程度なら柔らかい筆で軽く払う程度に留めましょう。汚れが目立つ場合やカビが発生している場合は、専門業者に依頼するのが安全です。適切な保存環境も重要で、直射日光を避け湿気の少ない場所で保管することで劣化を防ぎます。
こうした正しい管理を心がけることで作品の状態を守り、査定額に影響するリスクを最小限に抑えられます。
買取キャンペーンを利用する
リトグラフを高く売るなら、買取キャンペーンを上手に活用しましょう。多くの美術品買取業者では、季節の節目や決算期に査定額アップキャンペーンを実施しています。
たとえば「査定額20%アップ」や「複数点まとめ査定でボーナス付与」などが代表的です。こうした期間中に売却することで、通常よりも高い金額での取引が期待できるので、タイミングを計って売却するのも一つの手です。
キャンペーン情報は事前に公式サイトで確認し、売却の準備を整えておくことでより満足のいく取引につなげられます。
美術品に詳しい買取業者に依頼する
リトグラフのような版画作品は、アート知識の豊富な専門業者に持ち込むほうが正確な査定が期待できます。一般的なリサイクル店では、作家や技法の知識が十分でなく、適正価格がつかないことも少なくありません。
実績のある買取業者やギャラリーは、作家の市場動向や作品の来歴を深く理解しているため、公正な価格を提示してくれる可能性が高いです。
リトグラフを売却する際には実績や専門資格、取扱い作家の幅をチェックして信頼できる業者を選びましょう。
出張買取を利用する
額装されたリトグラフや大型作品は、搬送中の衝撃や気温・湿度の変化でダメージを与えるリスクがあります。
出張買取を利用すれば梱包や持ち運びの必要がないので、自宅にいながら安全に査定を受けられます。作品を良好な状態のまま査定できるので、価値を最大限に見てもらいやすくなるのです。
また、出張費や手数料が無料の業者も多く、複数作品の査定にも便利です。状態が悪い作品でも、査定士が直接確認することで思わぬ高額評価につながることもあります。
価値のあるリトグラフの高価買取はウリエルにお任せください!

ウリエルでは、リトグラフをはじめとする版画や美術品全般の買取を多数手がけています。実績と専門知識を持ったプロのスタッフが査定を担当し、納得のいく査定額をご提示します。
また、全国どこでも出張買取に対応しており、自宅からスムーズに手放すことができます。「リトグラフの買取について知りたい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
リトグラフは同じ版画技法であっても、オリジナル作品と複製品では資産価値や需要が大きく異なります。
リトグラフを手放す場合は作家のサイン、エディションナンバー、作品状態など複数のポイントを押さえることで査定額を上げられる可能性があります。
また、売却の際は専門業者を選ぶことも欠かせません。アート作品としての魅力と資産性を両立したリトグラフだからこそ、その価値をしっかり見極められるプロに相談してみてください。
2つの買取方法


