益子焼の買取相場!高く売れる益子焼の特徴や少しでも高く売るコツも解説!

益子焼は、栃木県益子町周辺で生産される陶器で、江戸時代末期から歴史を重ねながらも今なお多くの愛好家を魅了しています。近年では芸術品としてだけでなく、日常使いの器や花器などとしても注目され、国内外の需要が高まり続けています。
そんな益子焼を手放す際には、思わぬ高値で買取される可能性もあり、作家の知名度や付属品の有無が査定額に大きく影響します。
この記事では、益子焼の買取相場をはじめ、高額査定につながりやすい特徴や高く売るための工夫などを詳しく解説します。
なお、陶器・和食器の買取をご検討の方は電話やメールからウリエルの無料査定をご利用ください。
益子焼の買取相場

種類 | 買取相場 |
赤繪六角花生 濱田庄司 | ~260,000円 |
象嵌 赤繪皿 島岡達三 | ~200,000円 |
益子焼小瓶 合田好道 | ~85,000円 |
益子焼花瓶 濱田庄司 | ~77,000円 |
益子焼天目釉壺 木村一郎 | ~68,000円 |
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
益子焼は、作品の状態や付属品の有無、さらにはどの作家が製作したかによって価格帯が大幅に変わります。
作品本来の美しさや希少価値を正しく見極められる買取店を選ぶことはとても重要です。同じ品物でも、鑑定の専門知識がない店と豊富な実績をもつ専門店では査定額に差が出ることがあるため、売却先を慎重に選ぶこともお忘れなく。
保管状態が悪いと髙額査定は難しくなります。ホコリや汚れを落とすだけでなく、割れやヒビ、欠けなどがないかを入念にチェックして、なるべく状態よく保てるようにすることが大切です。
買取相場の高い益子焼の人気作家一覧

益子焼のなかでも、特に高額で取引される人気作家の作品を知っておくことは重要です。
益子焼は、多くの名だたる陶芸家によってその芸術性が高められてきました。とりわけ民藝運動以降は、生活と芸術を結びつけた温かみのある作品が増え、国内外で高い注目を集めています。
買取相場の高い益子焼の人気作家は以下の通りです。
- ・濱田庄司
- ・木村一郎
- ・島岡達三
- ・加守田章二
- ・佐久間藤太郎
- ・合田好道
ここでは、これらの高価買取の傾向が強い作家について詳しく解説します。
濱田 庄司(はまだ しょうじ)
濱田庄司は、益子焼を世界に広めた立役者として知られ、民藝運動の中心的存在でもあり、栃木県益子町に定住して益子焼の中興の祖となりました。シンプルかつ力強いデザインが特徴で、国内外のコレクターから絶大な支持を得ています。
濱田庄司は、1930年に益子町で作陶を始めました。彼の作風はほとんど手轆轤のみを使用するシンプルな造形と、釉薬の流描による大胆な模様が特徴で、日本の伝統と西洋の影響が融合した独自のスタイルを確立しました。
濱田庄司の希少な作品は、コレクターが高値で争奪戦を繰り広げることもあるほど需要が高く、大作や特別な釉薬が施されたものはとりわけ高額になりやすい傾向です。
特に柿釉抜絵皿や黒釉錆流樹花生などの代表作は数万円から数十万円の相場で取引されています。
木村 一郎(きむら いちろう)
木村一郎は1915年6月29日に益子町の名家に生まれ、1978年8月21日に63歳で亡くなった益子焼の陶芸家です。民藝の精神を受け継ぎながらも、型にはまらない自由な発想で新たな技法に挑戦し続けました。
木村一郎の作品は、濱田庄司の影響を受けた柿釉をはじめ、河井寛次郎から学んだ練上げや辰砂釉、富本憲吉からの象眼技法、バーナード・リーチからの筒描きなど、多彩な技法を駆使したものが特徴です。
伝統的な益子焼らしさを保ちつつも、独創的な色使いや形状で幅広いファンを獲得しており、オリジナリティを評価される作品は高値がつくことも珍しくありません。
日常使いを想定した器や花器も多く、生活に溶け込むデザインも特徴です。こうした“用の美”を重視した作品は、近年のライフスタイルにも合致しやすく、海外からの支持も広がっています。
島岡 達三(しまおか たつぞう)
島岡達三の作品は、豪快で力強い象嵌技法や、土の質感を生かした個性的な造形が魅力です。
「益子焼の中興の祖」である濱田庄司に師事し、独自の「縄文象嵌技法」を考案したことで知られ、のちに重要無形文化財保持者(人間国宝)となりました。栃木県初の「栃木県名誉県民」の称号も贈られています。
作品にみなぎる力強さと深い色合いが評価され、希少性も相まって骨董品市場では高い人気を誇ります。
島岡の作品は、現在も骨董品市場で高い価値を持ち、特に縄文象嵌の大皿や壺などは数十万円から百万円以上の価格で取引されることもあります。
特に大型の作品や特別な展覧会で発表されたものは、高額査定につながるケースが多いです。保存状態が良ければさらに評価が上がるため、しっかりと手入れをしておくと良いです。
加守田 章二(かもだ しょうじ)
加守田章二は、前衛的ともいえる斬新な意匠と、伝統的な技法を組み合わせるセンスが際立つ作家です。作品ごとに異なる大胆なアプローチが魅力を放ち、コレクター心理をくすぐる要素があります。
彼の作品は時期によって大きく変化しています。初期は中世の焼き物を模範とする穴窯による自然釉作品に取り組み、その後「灰釉」作品で独自の作風を確立しました。
益子の土を轆轤で挽き上げ、還元焼成で緑青色の渋い釉調を持つこの作品は見る人を魅了しました。さらに「炉器」と呼ばれる焼き締めの器物を手がけ、これを「酸化文」と命名しています。
従来の益子焼とはひと味違ったモダンな雰囲気を醸し出すため、その独創性を高く買われているのが特徴です。変わった形状や釉薬の掛け方が希少な作品は、より高値で取引される可能性があります。
佐久間 藤太郎(さくま とうたろう)
佐久間藤太郎は、益子焼の伝統を守りながら、日用雑器から観賞用まで幅広い作品を手掛けています。落ち着いた色味と丁寧な作りが特徴で、その実用性の高さや親しみやすいデザインが人気を集めています。
1924年には商工省工芸展覧会に入選し、1927年には国画創作協会の工芸部でも入選。1928年には東京で初めての個展を開き成功を収めました。
戦後は益子町町会議員や益子陶器工業組合の理事を務め、日本民芸協会栃木県支部の理事など、「民芸の町・益子」を発展させる活動を続けました。1959年には栃木県文化功労賞を受賞し、1973年には勲五等瑞宝章を受章しています。
丁寧な手仕事だからこそ実現する使いやすさや耐久性が評価され、日常使いの器でも高い査定額がつくことがあります。古い作品ほど希少価値が高まる傾向にあるため、保管を怠らないようにすることが重要です。
合田 好道(ごうだ よしみち)
合田 好道は、“生活に密着した道具としての美”をテーマに掲げ、使い勝手の良さと温かみのあるデザインにこだわり続けた作家です。使うほどに愛着が湧く器が多く、ファンが根強いのも特徴です。
元々は油絵画家を志して1929年に上京し、春陽会に入選するなど将来を有望視されていました。戦後の1946年、濱田庄司を頼って益子に移住し、「たくみ工芸店」の益子出張員となりました。
1994年にはマロニエ文化賞、1995年には栃木県文化功労賞と下野県民文化賞、1999年には地域文化功労者文部大臣表彰を受賞しています。
合田好道の作品は日常空間に自然と溶け込みつつ、さりげなく存在感を放つため、実用性と芸術性を兼ね備えた価値の高い作りとなっています。共箱がある場合はより信頼性が高く、高額査定につながることが期待できます。
高価買取が期待できる益子焼の特徴

基本的に作品の保存状態や付属品の有無、鑑定書や作家のサインといった証明事項が揃っているほど、査定額は高くなる傾向にあります。特に有名作家の作品ともなれば、状態が良いことが大前提で相場を上回る価格がつくこともあり得ます。
高価買取される理由には、以下のような共通点があります。
- ・保存状態のいい作品
- ・共箱・共布・栞などの付属品がそろっている作品
- ・鑑定書がある作品
- ・有名作家の作品
ここでは、これらの高価買取につながる重要なポイントを具体的に紹介していきます。
保存状態のいい作品
傷や汚れが少なく、ヒビや欠けがないものは査定評価が上がりやすいです。益子焼は土の質感を楽しむものが多いだけに、割れやすいリスクもあります。購入時についてきた緩衝材や箱を使って丁寧に管理すると良いです。
具体的には、釉薬の状態が良く、原型をとどめている作品、使用による擦れや汚れが最小限である作品が高価買取の対象となります。長年保管されていた作品でも、直射日光や湿気によって変色や劣化が進んでいない状態であることが望ましいです。
もし軽微な汚れであれば、やさしく拭く程度であまり強くこすらないことがポイントです。適切な保管状態を維持することで、本来の美しさと価値を損なわずに済みます。
保存状態を良く保つためには、使わないときは柔らかい布で包み、箱に入れて保管することが有効です。
共箱・共布・栞などの付属品がそろっている作品
作家のサインや落款、箱書きがある共箱は、その作品の正当性を示す重要な証拠でもあります。これらが揃っていることで贋作のリスクが低くなり、購入者にとっても安心材料となるため、査定額にもプラスが見込めます。
共布や栞があると作品の由来などがさらに詳しく分かることもあり、コレクター心理をくすぐる要素になります。例えば、濱田庄司や島岡達三といった人間国宝の作品では、共箱の有無が買取価格を30%以上も変動させる要因になることがあります。
付属品の保存状態も重要です。共箱が傷んでいたり、虫食いがあったりすると、評価は下がります。理想的には、作品と同様に良好な状態で保存されていることが望ましいです。特に木箱は湿気に弱いため、カビや変形に注意が必要です。
作品の魅力を最大限アピールするためにも、これら付属品はなるべく揃えておくことが重要です。
鑑定書がある作品
鑑定書や真贋証明書は、その作品が本物であることを第三者が証明する書類です。専門の鑑定家や作家本人が発行するケースもあり、正真正銘の価値を裏付ける強力な要素となります。
こうした書類があると、仮に市場での偽物が出回っていても購入者が安心して手に取れるため、市場価値が向上します。特に高価な作品や希少な作家の場合は、鑑定書があるだけで大幅に価格が上積みされることもあります。
鑑定書には一般的に、作品の名称、制作年代、作家名、寸法、技法、状態などの基本情報に加え、作品の特徴や価値に関する専門家の見解が記されています。こうした第三者による客観的な評価は、買取業者にとっても重要な判断材料となります。
特に重要なのは、鑑定書の発行元の信頼性です。日本陶磁協会や各美術館、著名な美術評論家などが発行した鑑定書は高い信頼性を持ちます。
有名作家の作品
島岡達三や濱田庄司のような著名な作家の作品は、それだけで高い需要があるため相場以上の価格で取引されやすいです。特に人間国宝に認定された作家や著名な陶芸家の作品は、その芸術性と希少価値から高額査定が期待できます。
保管状態が良好で付属品が揃っていれば、さらなる価格上昇が見込める場合があります。
また、展覧会の出品歴や受賞歴、限定制作といった情報が付属していると、コレクターにとって非常に価値ある資料となり、高額査定の後押しにつながることがあります。
作品の真贋を判断する上で重要なのは、作家特有の技法や釉薬の使い方、轆轤の挽き方などの特徴です。多くの作家は作品に署名や印章(落款)を入れており、これが真贋判断の鍵となります。
ただし、偽作や模倣品も少なくないため、専門知識を持つ買取業者に査定を依頼することが重要です。
益子焼の買取価格を少しでも高くするコツ

益子焼の売却で少しでも高額査定を狙うのであれば、事前の準備や売却先の選び方が重要になります。実際に相見積もりを取ったり、買取キャンペーンを活用したりするなどの積極的なアクションで価格に差が出ることがあります。
益子焼の査定額を上げるためには、売却前に以下の点をチェックすることが重要です。
- ・実績豊富な買取店で売る
- ・共箱や鑑定書もまとめて売る
- ・買取キャンペーンのタイミングを狙う
- ・出張買取を利用する
ここでは、これらの益子焼をできるだけ高く売るためのコツについて詳しく解説します。
実績豊富な買取店で売る
益子焼の取り扱い実績が多い店舗であれば、相場や作品の需要を正確に把握しており、適正価格で査定してもらえる可能性が高くなります。実績と専門知識は査定額に直結するポイントです。
専門買取店は独自の販路を持っていることも大きな利点です。骨董品や美術品のオークション、専門コレクターへの直接販売など、一般的な中古品市場とは異なるルートで作品を流通させることができるため、高い価格での買取が可能になります。
インターネットや口コミを活用して、買取実績や専門性が高い業者をリサーチしておくと、安心して取引ができます。
複数の専門店で査定を受けることで、より適正な価格での売却が可能になります。特に高価値が予想される作品の場合は、複数の査定を比較することが非常に重要です。
共箱や鑑定書もまとめて売る
先述の通り、共箱や共布、鑑定書などが作品と揃っていることで、作品の真贋や来歴が明確になります。それらは査定時に大きなプラス要素となるため、バラバラに保管していた場合は一式まとめて出すことが重要です。
もし共箱を紛失している場合は、代替の箱や証明書では十分な効果が得られないことが多く、真贋を証明しにくいので注意が必要です。
その他にも、購入時のレシートや展覧会の図録など、一見すると価値がないように思える付属品も、作品との関連性を証明する資料として重要です。特に展覧会に出品された経歴があることを示す資料は、作品の価値を高める重要な要素となります。
古い木箱や紙類は、一見すると価値がないように見えても、実は重要な共箱や証明書である可能性があるので、慎重に扱うべきです。
買取キャンペーンのタイミングを狙う
買取店によっては、期間限定で査定額アップや買取価格の割増キャンペーンを行うことがあります。こうしたキャンペーンを上手に利用すれば、通常よりも高い価格での売却を狙えます。
買取キャンペーンは主に季節的な要因や特別なイベントに合わせて実施されることが多いです。特に年度末や年末の在庫処分、セール前などに実施されるケースがあるため、定期的に情報をチェックしておくと良いです。
キャンペーン情報を入手するには、各買取店の公式ウェブサイトやSNS、メールマガジンをチェックするのが効果的です。また、複数の買取店のキャンペーン時期を比較し、最も条件の良い時期に売却することも大切です。
ただし、キャンペーンを待つあまり、市場価値が下がってしまうリスクもあることを念頭においておく必要があります。キャンペーンの利点と市場動向のバランスを見極めることが重要です。
出張買取を利用する
陶器は非常に割れやすいため、持ち運びの途中で破損してしまうリスクを考慮する必要があります。出張買取を利用すれば、専門スタッフが自宅まで来て査定をしてくれるため、安全かつスピーディーに売却が可能です。
出張費用が無料の業者も多く、時間や手間をかけずに高額査定を狙える方法として注目されています。
出張買取では直接交渉できることも重要なポイントです。作品の背景や入手経路、保管状態などを詳しく説明することで、査定士の理解を深め、より適正な評価につなげることができます。その場で疑問点の解消や、即決での買取価格交渉も可能です。
最近では、事前に写真を送って概算査定を受け、その後出張買取で正式な査定を行うという流れも増えています。これにより、おおよその価格を把握した上で出張買取を依頼できるため、より効率的に取引を進められます。
益子焼の無料査定は買取ウリエルにお任せください!

買取ウリエルでは、益子焼を含む陶磁器全般について幅広く取り扱っています。特に著名作家の作品や珍しい意匠の品物においては、その希少性と価値を的確に評価し、高めの査定額を提示できます。
共箱や鑑定書などの付属品が揃っている場合はもちろん、状態チェックや真贋判定も丁寧に行うため、納得のいくかたちで売却を進められるのが特徴です。
日程調整や費用面の不安にも柔軟に応じているので、迷ったときはまず一度査定を依頼してみるのがおすすめです。
まとめ
益子焼は作家の知名度や作品の状態、付属品の有無によって大きく買取価格が左右されます。人気作家の作品や状態の良い作品であれば、買取相場より高い査定が期待できます。
買取ウリエルでは、骨董品の買取に精通した査定士が一点一点丁寧に拝見いたします。
お品物の状態や査定額の根拠をわかりやすく説明する明朗査定ですので、初めて買取店をご利用の方もお気軽に無料査定にお問い合わせください。
2つの買取方法