着物買取2025年01月27日

古い着物に付着した臭いの消し方は?臭いの原因や対処法・注意点を解説

着物臭い取りアイキャッチ画像

古い着物は、長期間の保管によりカビや防虫剤の臭いが付着しやすいのが特徴です。
しかし、これらの臭いは、適切な対処を行うことで消臭できます。

本記事では、古い着物に付着した臭いの消し方について解説します。

また、臭い取りの際に注意すべきポイントについても紹介するので、自宅に眠る古い着物の臭いが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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着物の臭いの原因とは

マスクをした浴衣姿の女性

着物の臭いの原因として多いのが「カビ」と「防虫剤」です。

それぞれ詳しく解説します。

カビによって臭いが発生するパターン

着物の不快な臭いの多くはカビによるものが多いです。

着物を着た後に付着した水分を飛ばさずに着物を着ると、カビの菌が発生して臭いの原因になります。

カビの種類は主に以下の3種類です。

白カビ
黄カビ
黒カビ

この中で簡単に落とせるのは白カビです。

白カビは白く点在したカビで、ご家庭で簡単に応急処置ができます。

黄カビは白カビを長い間放置して、若干黄色くなったカビです。

そこからさらに時間が経つと、カビの色が黒や茶に変色します。

ここまでくるとカビの繁殖がかなり進んでいるため自分で落とすことは難しいでしょう。

その場合はクリーニングに出すのがおすすめです。

また、カビを落とすことは大事ですが、それ以前にカビへの対策をしましょう。

後述しますが、陰干しを定期的に行い着物の湿気を落とすことでカビの発生を防止できます。

着物のカビの取り方

着用時に汚れが付着してしまったパターン

着物を着用中に付着した食べこぼしや汗などの汚れは、臭いを引き起こす原因の一つです。

これらの汚れを放置したまま保管すると、腐敗や酸化が進み、不快な臭いにつながります。

また、臭いだけでなく、生地に変色が生じるケースもあります。

特に、汗や皮脂汚れは見えにくい場合も多いため、注意しなければいけません

着物の着用後は目に見える汚れだけでなく、目立たない部分の汚れもしっかりと確認し、適切なケアを行うことが大切です。

防虫剤の臭いが移るパターン

防虫剤の臭いが着物に移るパターンもあります。

防虫剤に含まれる、ナフタリンや樟脳といった物質は虫が寄ってくるのを防止できますが、特有の強い臭いを放つのが特徴です。

そのような臭いを防ぐために、無香料の防虫剤なども販売されています。しかし、他の防虫剤と併用すると化学変化を起こし、着物を傷めてしまう場合もあるので注意しましょう。

古い着物についた臭いの消し方

洗濯物

着物の臭いを取る方法はさまざまです。

それぞれ以下で解説します。

表面のカビをとる

カビ臭さをとるためには、まずは表面についたカビを落とすとよいでしょう。

用意するもの

・着物用のハンガー
・タオルや布など
・ビニール袋
・カビから身を守るもの(軍手やマスクなど)

具体的な手順

1.部屋の換気やマスク・手袋の着用を行う
2.布を軽く当てて払うようにカビを落とす(強く押さないように注意)
3.陰干しをする(陰干しについては後述)
4.部屋の掃除をする

注意点

表面のカビ取りは、天気のよい日に屋外で行うのが理想ですが、室内で行う場合は換気をしっかりと行い、床に新聞紙を敷くなどしてカビが付着するのを防ぎましょう。

作業中はカビの胞子を吸い込まないように、軍手やマスクなどを必ず着用してください。

また、作業後はしっかりと部屋の換気を行って掃除を行いましょう。

換気や掃除をしていないと、カビの胞子が部屋に残り、アレルギーなどを引き起こす可能性があります。

陰干しして臭いを飛ばす

臭いの対策には陰干し(かげぼし)が有効です。

陰干しとは日光のあたらない場所で着物を干しておくことを指します。

具体的な方法

着物ハンガーに着物をかけ、形を整えて干します。

そのまま2~3時間経ったら着物をたたみ、たとう紙(着物を包むための紙)に包んで収納しましょう。

陰干しを屋外で行う場合は直射日光を避けること、屋内で行う場合は換気をしておくことが大切です。

陰干しする注意点

・長時間の陰干しは避ける(2~3時間を守る)
・日光は絶対に直接当てない(色あせの原因になる)
・夕方は湿気が多いため取り込む

着物を着る予定があれば、予定日の数日前に陰干しを行っておくと、臭いを軽減できるでしょう。

また、着る機会がなくても定期的な陰干しによって、カビや害虫の発生を防止できます。

風をあてて乾燥させる

陰干しだけでは臭いが取れない場合があります。

そのような場合はドライヤーの冷風扇風機の風を利用して臭いを飛ばすとよいでしょう。

具体的な手順

着物を着物ハンガーで吊るし、ドライヤー又は扇風機で風を送ります。

風を当てる場所を変えながら風が着物全体に当たるように工夫しましょう。

着物が風でねじれない程度の風量で行うことがポイントです。

また、日光には当てないようにしましょう。

ドライヤーを用いる際の注意点

・温風は絶対にあてない(生地がかなり傷みます)
・スイッチがONの状態で放置しない(火災の原因になります)

即効性のある方法なので、すぐに着物が必要になったときは実践してみてもよいでしょう。

お茶の葉を使う方法

緑茶の葉は着物の臭い取りにはとても効果的です。

用意するもの

・お茶の葉
・和紙か半紙
・フライパンかお鍋
・たとう紙(たとうし:着物を包むための紙)

具体的な手順

1.お茶の葉をフライパンで炒る
2.お茶の葉が緑色から茶色に変わったら火を止めて粗熱を取る
3.炒った茶葉を半紙に包む
4.畳んだ着物の間に半紙で包んだ茶葉を入れる
5.最後にたとう紙で着物を包みタンスなどに収納する

日常的に着用しない高価な着物は、カビや防虫剤の臭いがつきやすい傾向にあります。

長時間の収納が予想される場合は、紹介したお茶の葉を使った方法をお試しください。

また、半紙からお茶の葉が漏れないように半紙の包み方は厳重に行いましょう。

変色の原因となります。

備長炭シートを使用

備長炭シート

楽天「備長炭シート」

着物の臭い対策には備長炭シートの使用がおすすめです。

備長炭シートには、以下の効果があります。

・調湿効果
・防虫効果
・抗菌効果

備長炭シートがあれば、梅雨などの湿気が多い時期でも湿度を下げ、カビの発生を防いでくれるでしょう。

また、備長炭には「酸化還元効果(アルカリ化)」という機能も存在します。

この効果によって、酸化した場所を好む雑菌や害虫などを寄せ付けません

備長炭シートは1度貼れば効果は長続きします。

使い方は簡単で、収納スペースの底部分に適度な大きさに切って貼っておくだけです。

価格帯も手ごろで、ホームセンターやインターネットを利用すれば1000~10,000円ほどで購入できます。

根付いたカビは取れにくいため専門店に相談を

根付いたカビは取れにくいため専門店に相談を

着物に根付いたカビは、応急処置では完全に除去するのが難しいため、専門のクリーニング店に相談することをおすすめします。

クリーニング店なら、着物を傷めることなくカビの除去が可能です。

しかし、クリーニング店に出す場合は、カビ取りのコースがあるかをチェックしましょう。

ドライクリーニングしか対応していない場合は、カビを完全に除去できず、再び臭いが発生する可能性があるため注意が必要です。

着物のクリーニングは下記のような専門業者がおすすめです。

着物クリーニング専門きもの辻

着物の臭い消しを行う時の注意点

臭いが気になる女性

着物の臭い消しは、適切な方法で行わなければ逆効果になります。

着物の臭い消しを行う際の注意点について見ていきましょう。

カビを水分を含んだもので拭かない

着物のカビを水分を含んだタオルなどで拭くのはやめましょう。

カビの増殖を手助けしてしまう可能性があります。

もしどうしても乾いた布だけでは落ちないカビを水を使って落とす場合は、カビを落とした後に少なくとも1~2日以上の陰干しを行って完全に水分を飛ばさなければいけません。

水分が残った状態で着物を着用すると、以前よりもカビが増殖する可能性があります。

消臭スプレーやアルコールは使わない

着物の臭いが気になるからといって、消臭スプレーを使うのは絶対にやめましょう。

水分が多いため、カビやシミの原因になります。

またアルコールの使用も、着物の生地を傷めてしまうため、使用は絶対に控えましょう。

正絹は湿気に非常に弱く、さまざまな化学成分に対しても耐性がありません。

着物の変色や生地の変性、色落ちの原因となるため、消臭スプレーとアルコールは使用しないでください。

直射日光にさらさない

着物を日光に当ててしまうと色あせの原因になるため、必ず着物は陰干ししましょう。

また、陰干しであっても、長時間干し続けるとやはり色あせてしまいます。

干す際は日陰で2~3時間程度をまもり、湿度の高い夕方は避けましょう。

帯の臭い取りの方法は?

帯

着物だけではなく、にもカビ臭さが漂うことがあります。

帯も着物同様に湿度の対策はしておきましょう。

帯芯のカビが臭いの原因

帯がカビ臭いと感じる場合は、帯芯のカビを疑いましょう。

帯芯は目に見えない部分なので、繁殖がかなり進んだ状態で気付くことがあります。

そのような場合、帯芯の交換が必要とされることがほとんどです。

帯芯のクリーニングやシミ抜きも出来ますが、対応していないお店も多いため、交換する方が無難でしょう。

帯の臭い取りは専門店へ任せよう

帯の臭いを取るには帯芯の交換が必要です。

その場合は着物をクリーニングに出しましょう。

また、着物のクリーニングは「洗い張り」を行っている業者がおすすめです。

「洗い張り」とは、着物を洗う前に1度糸を抜いて生地に戻し、再び仕立て直す方法です。

帯の洗い張りの価格帯はさまざまですが、8,000円前後が多いです。

以下参考にしてみてください。

着物ふじぜん

手縫い仕立て屋和裁公房まゆ

着物に臭いをつけないようにする対策法

着物に臭いをつけないようにする対策法

着物の臭いは、適切な対策を取ることで防止できます。

着物に臭いをつけないようにする対策法について見ていきましょう。

着用時に香水は使用しない

着物を着用する際は、香水を使用しないようにしましょう

着物の臭いを消そうと、着用時に香水をかける方がいますが、そうすると香水ともとの臭いが合わさり、より強いに臭いになってしまう場合があります。

また、香水に含まれるアルコールやその他の成分が、生地に染み込むことで着物が傷んだり、変色を引き起こしたりする可能性もあります。

さらに、臭い移りの原因にもなるため、着物は香水や化粧品などと一緒に保管しないことも大切です。

収納するときはたとう紙を使う

着物を保管する際には、たとう紙を使用することで臭いの発生を防止できます

たとう紙とは、着物を包むために使われる紙で、湿気やほこりから着物を守る役割があります。

除湿効果が高く、保管中に湿気を吸収することでカビの発生を抑制できるのが特徴です。

また、たとう紙に包むことで、着物にほこりや汚れが付着するのも防げるため、カビやほこり、汚れが原因となる臭いや変色の防止も可能です。

たとう紙は半年を目安に新しいものに入れ替えることで、着物をより長く美しい状態で保管できます

たとう紙について詳しくはこちら 

着用後はこまめにメンテナンスをする

着物の着用後は、こまにメンテナンスすることで臭いの対策につながります。

着物の取り扱い絵表示に手洗いマークが記載されているものは手洗いができるので、軽い汚れに関しては、自宅での手洗いで落としましょう

手洗いする場合は、洗浄力の弱い中性洗剤を使うことと、優しく洗うことが大切です。

なお、手洗いできるかわからないものや、汚れが根強い場合はクリーニングに出しましょう

こまめなメンテナンスによって、着物の美しさを長期的に維持できます。

古い着物についた臭いが消せないときは売却も視野に

古い着物についた臭いが消せないときは売却も視野に

古い着物についた臭いが消せず処分に困っている場合は、売却に出すのもおすすめです。

買取専門店ウリエルでは、臭いがついた古い着物の買取も可能です。ウリエルに在籍している鑑定士が、適正な査定額を提示いたします。

出張査定は無料です。お問い合わせフォーム、もしくはお電話からお気軽にお問い合わせください。

状態の悪い着物が眠っている方は、ウリエルにお任せください。

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まとめ

今回は、古い着物の臭いの消し方について紹介しました。

古い着物に付着した臭いは、原因に応じた適切な方法で取り除けます。

着物につく臭いは、陰干しや緑茶の葉を活用した消臭方法が有効ですが、根深いカビの場合は専門のクリーニング店に相談するのが安心です。

また、臭いを防ぐためには、着用後のこまめな手入れや、たとう紙を使用した正しい保管方法を実践することも大切です。

日々のメンテナンスと適切な対策で、大切な着物を美しく保ちましょう。

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