菊切手とは?偽物のほうが価値が高い理由と本物の見分け方・高額買取のコツ

菊切手は、1899年から1908年にかけて発行された日本の普通切手です。菊のデザインが特徴で、額面や色、用紙のバリエーションも豊富。
偽造事件で知られる希少な菊切手は、コレクター市場で高値で取引されることもあり、プレミア価格が付くものも存在します。
本記事では、菊切手の種類、歴史、偽物の見分け方、高価買取のコツまで詳しく解説します。菊切手の価値を知り、売却を検討している方は必見です。
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菊切手とは

菊切手は1899年(明治32年)~1908年(明治41年)まで9年間にわたって発行された普通切手です。
菊のデザインが大きく描かれており、さらに20種類とバリエーションが多いのも特徴です。
また、額面5円と10円の切手のみ「神功皇后」の図案となっています。
菊切手の歴史
菊切手が発行された当時、日本は日清戦争や日露戦争などの戦争で勝利をおさめていました。
天皇家の象徴である菊の花が描かれており、戦争で勝利をおさめた日本勢を象徴する図案とも言えます。
菊切手は1913年(大正2年)に贋作が発見されましたが、郵便局員が早期に発見したため、市場に出回ることはありませんでした。
これを機に偽造防止の取り組みが強化され、後の印刷技術に大きな影響を与えたことから、「菊切手偽造事件」と言われています。
菊切手の種類
菊切手は5厘~1円まで15種ほど展開されていますが、絵柄のバリエーションも豊富なため、すべて合わせると約20種になります。
菊切手が発行された明治時代、日本における切手の印刷技術は未熟でした。
当時、インクの調合は機械ではなく人が行なっていたため、同じ種類の菊切手であっても、発行年によってはインクの色や用紙の白さにわずかな違いが生じます。
菊切手の価値

切手の価値は残存枚数、状態、種類によって大きく異なります。菊切手は明治時代にしては比較的長い期間発行されているため、価値は下がるように思うかもしれません。
ここでは、菊切手の価値について詳しく解説します。
菊切手は希少価値が高く高値がつきやすい
比較的長期間発行されていた菊切手ですが、現存する菊切手はそれほど多くありません。そのため、状態が良ければ高値が付く可能性もあります。
菊切手は額面が高いほど価値が高い傾向にあるため、お手持ちの菊切手がある方は額面をチェックしてみてください。神功皇后が描かれている5円・10円の菊切手は特に希少価値が高く、驚愕の買取額が付く場合もあります。
偽物の菊切手にもプレミア価値がつく
菊切手は、偽物の方がプレミア価値がつくことがある珍しい切手です。菊切手の偽物は、1900年頃に起きた「菊切手偽造事件」で作られました。
この事件で作られた偽造切手は、精巧な出来栄えで、当時郵便局で実際に使用されたものも多数存在したと言われています。ところが事件はすぐに解決したため、そもそも発行枚数が少なかったのです。
一部は市場に出回り、現在ではコレクターズアイテムとして高値で取引されています。
菊切手の本物・偽物の見分け方

菊切手の真贋を見分けることは、専門家でさえ難しい場合があります。しかし、ポイントを押さえておけば、見分けられる可能性があります。
代表的な見分け方「目打ち」「色合い」「文字」について、詳しく解説していきます。
目打ち
菊切手の真贋を見分ける上で、目打ちは重要なポイントです。目打ちとは、切手をシートから切り離す際に用いられる、ギザギザの穴のことです。
もっともわかりやすい判断ポイントは、目打ちの数です。目打ちの数は切手の種類によって異なりますが、菊切手の場合は13個です。13個よりも多かったり少なかったりする場合は、偽物の可能性が高いでしょう。
また、目打ちの間隔にも注目してみてください。菊切手の目打ちは、等間隔に開けられています。偽物の中には、この間隔が不均一なものがあります。特に、切手の四隅の部分は、目打ちの間隔が狭くなったり広くなったりしやすいので、注意深く観察しましょう。
色合い
本物の菊切手は、製造時期や種類によって微妙に色味が異なります。偽物はこの微妙な違いを再現することが難しいため、色合いに違和感が残りやすいのです。例えば、菊切手1銭は黄褐色ですが、偽物は黄色が強すぎたり、褐色が薄すぎたりします。
また、本物の菊切手のインクは、経年変化によって変色・退色します。偽物のインクは、経年変化を再現することが難しいため、色合いに不自然な部分が残りがちです。
菊切手の色合いを見分けるためには、実物と見比べるのが一番です。実物を見る機会がない場合は、切手カタログやインターネットで公開されている画像を参考にしてみてください。
文字
菊切手の本物と偽物を見分けるうえで、文字の確認は重要なポイントです。肉眼での確認が難しい場合でも、ルーペの使用で判別できる場合があります。
特に注目すべきは、「菊」の文字、「郵便」の文字、額面の数字です。例えば、「菊」の文字では、花びらの先端の形状や、中心部の複雑な模様に注目してみてください。 本物の菊切手は、精巧な技術によって細部まで緻密に描かれています。一方、偽物の菊切手は、細部が簡略化されていたり、ぼやけていたりすることがあります。
菊切手を高額買取してもらうには

菊切手などの高い価値がある切手でも、状態が悪いと買取価格は大幅に下がってしまいます。
また状態がよくても、売却先を間違えると安値で買取されることもあるので要注意です。
ここでは、菊切手を高額買取してもらうためのポイントをいくつか紹介します。
専門の鑑定士がいる業者に依頼する
額面以上の買取額が期待できる切手は、切手専門の買取業者に査定を依頼しましょう。
切手専門の買取業者には、古い切手の価値がわかる査定士がいるうえ、買取した切手を切手コレクター向けに販売するルートを持っているため、高額査定を期待できます。
金券ショップでも切手の買取は可能ですが、基本的に扱っているのは実用目的の切手なので、菊切手のように額面以上の買取が期待できる切手の売却先にはおすすめできません。
また、ネットオークションやフリマアプリなどを利用して売ることもできますが、出品準備や配送手続きなどに手間がかかりがちです。
さらに出品してもいつ落札されるかわからず、クレームをつけられる可能性もあるため、スムーズな取引を望む方には不向きだと言えます。
菊切手などの希少性が高い切手は、専門的な知識がないと見極めが難しいので、切手を専門的に扱っている買取業者に査定を依頼しましょう。
複数の業者に査定を依頼する
切手の買取価格は業者によって異なります。
査定士の知識レベルやお店の在庫状況などによって買取価格は変動するため、同じ切手買取の専門業者でも査定額に違いが出るでしょう。
特に、希少価値が高い切手は査定額の差も大きくなりやすい傾向にあります。
一番高値で買取してくれる業者を見極めるためにも、なるべく複数の業者に査定を依頼しましょう。
査定だけであれば、基本的にどの業者も無料で対応してくれます。
できれば3〜4社に査定を依頼して、菊切手の高価買取を実現しましょう。
切手は丁寧に扱う
切手は紙でできているため、丁寧に扱わなければすぐに劣化してしまいます。
切手を取り扱うときは、ピンセットを使いましょう。
指で触れると皮脂や汚れが切手に移ってしまい、シミができる原因になるので注意する必要があります。
柄が長く先端が丸い形状のピンセットであれば、切手を持ちやすく傷付けにくいので安心です。
ピンセットはインターネットやホームセンターなどで簡単に購入できるので、切手を扱うのであれば持っておくとよいでしょう。
経年劣化に気を付ける
切手の保存方法を間違えると経年劣化が早まってしまいます。
菊切手は100年以上前に製造されたものなので、保管する際には細心の注意が必要です。
劣化を防ぐために、風通しのよい清潔な部屋や気温が安定している場所に保管しましょう。
切手は湿気に弱いため、高温多湿な場所で長期間保管していると、裏のりが溶けたりカビが生えて変色したりします。
また、直射日光に当たる場所に保管すると切手が色あせてしまうため、日中でも日が当たらない場所に保管することをおすすめします。
ストックブックなどの切手専用のバインダーに入れて保管するのがよいでしょう。
無理に補修しない
菊切手の状態が悪くても、無理に補修するのはやめましょう。
たとえば、裏面に付いているヒンジを無理に剥がしてしまうと、切手自体が破れてしまう可能性があります。
破れてしまった切手は買取額が極端に下がることもあるので注意が必要です。
たとえ状態が悪い切手であっても、無理に補修をしないでそのままの状態で査定に出しましょう。
菊切手以外の10銭切手

ここからは、菊切手以外の10銭切手で高値がつく可能性のある切手について解説します。菊切手以外で10銭切手を所有している方は、ぜひ参考にしてください。
桜切手
「桜切手」は、日本最古の「竜切手」に続き、2番目に発行された普通切手です。
桜切手の呼称は、切手の四隅に桜が描かれていたことに由来します。
色・額面・素材は発行年によって徐々に変化したため、現代では多種多様な桜切手が存在します。
第2次昭和 「勅額(ちょくがく)」
第2次昭和 「勅額」は、太平洋戦争のさなかに作られた切手です。
額は元寇の頃に亀山上皇が戦勝を祈願して書いたものとされています。
当初は1つ前の第1次昭和切手に負けないほどのクオリティでしたが、戦局が悪化したことや、切手の制作作業員が徴兵された影響などもあり、徐々に質は低下していきました。
その他の希少価値が高い切手

菊切手以外にも、希少性が高い切手は数多く存在します。
発行枚数が少ない古い切手であれば高い価値が付く可能性もあるので、一度査定に出してみましょう。
ここからは、高額買取を期待できる昔の切手をご紹介します。
見返り美人切手
「見返り美人切手」は、1948年(昭和23年)に150万枚限定で発行された特殊切手です。
切手の図案には、菱川師宣が描いた浮世絵・見返り美人が採用されています。
当時、浮世絵が切手の図案に採用されたことは珍しく、また縦長の形をした切手自体が当時は珍しかったため、日本の切手ブームの火付け役となりました。
150万枚しか発行されなかったためとても希少性が高く、切手の状態がよければ高値が付くでしょう。
月に雁
「月に雁(かり)」は、歌川広重の浮世絵・月に雁が図案に採用されている特殊切手です。
見返り美人切手が好評だったことを受けて、翌年の1949年(昭和24年)に続けざまに発行されました。
月に雁切手は見返り美人切手に負けず劣らず根強い人気があり、昭和時代に発行された切手の中でも価値の高い切手です。
シートの状態であれば高額買取を期待できますが、バラ切手でも額面を上回るでしょう。
小判切手
「小判切手」は、国内初となる印刷機を使って大量生産された普通切手です。
1876~1892年に発行された小判切手は、長方形の図案の中に楕円形の図が描かれており、そのデザインが小判のように見えることから「小判切手」と呼ばれるようになりました。
赤・黄・緑・青など額面に色が異なり、そのデザイン性の高さから切手コレクターに人気の切手です。
軍事切手
1910~1944年に発行された「軍事切手」は、当時の軍人が郵便物を出すために使われていた切手です。
当時発行されていた菊切手などの普通切手に「軍事」の文字が書かれているのが特徴で、海外に駐屯していた軍人に毎月1人2枚が公布されていました。
大衆向けに発行された切手ではないため、発行枚数が少なく希少性が高いことから、高額買取を期待できます。
なかでも、「菊軍事」と「大正白紙軍事」は切手コレクターからの人気が高いため、他の軍事切手よりも高値で売れる見込みが高いです。
田沢切手
「田沢切手」は日本で初めてデザインを公募で決めた普通切手です。
1913年(大正2年)~1937年(昭和12年)にかけて24年間発行されていたもので、正式名称は「田沢型大正白紙(たざわがたたいしょうはくし)」と言います。
田沢切手という呼称は、採用されたデザインの考案者が田沢昌言という人物であったことに由来するものです。
発行期間が長かったものの、1円の田沢切手は枚数が少ないため、高い買取価格が期待できるでしょう。
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菊切手は、希少価値が高く、高額で取引されるプレミア切手です。適切な価格で買取ってもらうためには、信頼できる買取業者を選ぶことが重要です。
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また、ウリエルは偽物の菊切手の買取にも対応しています。専門スタッフが厳密に鑑定を行い、適切な価格で買取いたしますのでどうぞ安心してご相談ください。
まとめ

菊切手は、100年以上前に発行された歴史的価値がある切手です。
現存している数がとても少なく、現在では希少な切手の一つとされているため、状態次第では高値が付く可能性があります。
古いからと捨ててしまわず、不要であれば一度査定に出してみましょう。
菊切手の価値を見極めるには専門知識が必要です。
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