特殊切手

特殊切手の買取について

特殊切手とは

特殊切手とは、国家宣伝や郵便局が行っているキャンペーン、文化財の紹介などを目的に発行された切手です。

バラエティー豊かなデザインが特徴的で、美しい自然や風景、人気キャラクターなどのイラストが描かれることがあります。

普通切手とは違い、販売時期や販売場所が指定されていて、希少価値が高いものも存在します。

特殊切手の歴史

日本で初めて発行された特殊切手は、1936年の国立公園切手です。

1936年～1974年に2回発行されたシリーズもので、切手には日光、吉野熊野、阿蘇などの日本を代表する名勝地が描かれています。

昭和の半ばに切手の収集ブームが起きた影響で、日本三景切手や文化人切手などの様々な特殊切手が発行されました。

旅をコンセプトにしたシリーズや、天体の世界を題材としたもの、絵本の世界を題材としたシリーズなど、毎年20個近くの特殊切手が発行されています。

現在でもコレクターに人気のあるアイテムです。

特殊切手の種類と買取価格相場：一覧

文化人切手

文化人切手とは、1949年～1952年にかけて発行された、歴史的な偉人が描かれた特殊切手です。

全部で18種類あり、それぞれ18人の偉人の肖像画が描かれています。

描かれた18人の偉人の名前は以下の通りです。

野口英世	森鴎外
福澤諭吉	正岡子規
夏目漱石	菱田春草
坪内逍遥	西周
九代目団十郎	梅謙次郎
新島襄	木村栄
狩野芳崖	新渡戸稲造
内村鑑三	寺田寅彦
樋口一葉	岡倉天

文化人切手はプレミア切手とも言われ、額面よりも高い値段で買取がされます。

描かれている偉人によって価値が変わり、買取相場は単片だと10円～500円、シートだと2,000円～25,000円です。

特に、西周の未使用切手は現存のものが非常に少なく、高い値が付きます。

日本三景切手

日本三景切手とは、1960年に発行された宮城県の松島、京都府の天橋立、広島県の厳島の日本三景が描かれた10円切手です。

未使用で3つの景勝地の切手が残っているものは希少性があり、買取価格は2,000円前後になります。

国立公園切手

国立公園切手は、1936年に全国各地に国立公園が指定されたことを記念して発行されました。

これが日本で初めて発行された特殊切手とも言われています。

「1銭5厘」「3銭」「6銭」「10銭」の全部で4種類が発行され、それぞれに富士山が描かれています。

買取相場は1枚300円～1,000円です。

国立公園切手の買取

観光地百選切手

観光地百選切手は、1951年と1953年に発行された全20種類の特殊切手です。

毎日新聞が開催した観光地の人気投票で、1位になった場所が図柄に採用されています。

買取相場は1枚300円～500円で、希少性の高い日本平24円切手は1枚5,000円程の値が付きます。

20種類全て揃うと1万円以上の高額買取が期待できます。

国宝シリーズ

国宝シリーズ切手は、日本の国宝が紹介されている特殊切手で、1967年~1969年に第1次、1976年~1978年に第2次が発行されています。

多色刷りの鮮やかな図柄が特徴的です。

買取相場は1枚数十円、シートで400円～1,000円程度です。

鳥シリーズ

鳥シリーズ切手は1963年～1964年に発行された10円切手です。

「ルリカケス」「ライチョウ」「コウノトリ」「キジバト」「ホオジロ」「ウグイス」の6種類の鳥が描かれています。

買取相場は1枚10円程度と額面と同じくらいの買取価格ですが、シリーズが揃っていれば買取価格は上がるでしょう。

国際文通週間切手

国際文通週間切手は、カナダで行われた1957年の第14回万国郵便連大会議をきっかけに発行が始まりました。

1958年の東海道五十三次「京師」を始めとして、毎年発行されています。

買取相場はバラだと40円～180円で、シートだと数千円～1万円の価値が付くこともあります。

発行から年月が経っているものの方が買取価格が高くなります。

切手趣味週間シリーズ

切手趣味週間は、1955年から現在も続く切手シリーズで、毎年4月の切手趣味週間に発行されています。

なかでも特に価値が高いとされているのが「見返り美人」や「月に雁」などで、買取相場は、シートだと数万円〜バラでも5,000円前後と高価買取が期待できます。

切手趣味週間シリーズについて

国定公園切手

国定公園切手は、全国の国定公園が印刷されたシリーズの切手で、1958年〜1973年にかけて発行されました。

特殊切手の中で最多の「41回」発行された切手でもあります。

「国立公園切手」と混同されやすいですが、国立公園は国が管理、国定公園は各都道府県が管理を行っている公園です。

買取相場は数百円〜1シート2,000円で取引きされることもあります。

キャラクター切手

キャラクター切手はアニメ作品などのキャラクターがデザインされた切手で、「ディスニー」や「ドラえもん」「スヌーピー」「ワンピース」など、さまざまな種類があります。

発行が新しく流通量が多いものは基本的に額面通りの買取価格になりますが、記念切手などの限定品は発行枚数が少なく、1シート数千円で取引きされることもあります。

キャラクター切手について

価値の高い特殊切手は？

現存数が少なく希少価値の高いもの

現存数が少なく、価値の高い特殊切手は、文化人切手の西周や観光地百選切手です。

西周は近現代日本を作るのには欠かせない人物でしたが、あまり名が知られていなかったため、西周の肖像画が描いてある切手は普通の切手と同じように使用されました。

そのため、未使用のものが非常に少なくなっており、現在では高額で取引がされています。

観光地百選切手は20種類と発行された種類が多いため、全て揃っている状態が大変珍しく、希少価値があります。

日本平24円切手がバラでも高額で取引されるため、全て揃っている状態だと高額買取が期待できます。

保存状態が良く劣化の少ないもの

保存状態が良く、劣化の少ない特殊切手は価値が高くなります。

切手は紙製のため、日焼け、汚れ、カビ、破れ、のり落ちなどの劣化が起こりやすいです。

そのため、劣化の少ないきれいな切手はプレミアの価値が付くことがあります。

できるだけきれいな状態の方がコレクターにも人気があり、シート切手のミシンの切れ目や切手の折り目などにも気を付けましょう。

特殊切手を少しでも高く売るには

不要な切手をまとめて査定に出す

不要な切手をまとめて査定に出すと、高い買取額になることがあります。

基本的にバラよりもシートの方が高額で買取がされるので、シートの場合は切り離さずにそのまま査定に出しましょう。

また、まとめて査定に出すことで、思わぬ掘り出し物やプレミア切手が見つかることもあります。

まとめて出す場合は、切手の種類ごとに分けたり、できるだけ他の切手との摩擦を少なくすると査定がスムーズに進みます。

日光や湿気に注意し専用ブックで保管

切手は専用ブックで保管をするようにすると良いでしょう。

専用ブックで保管をすると、日光による日焼けや切手同士の摩擦を防ぐことができます。

破けることや折れることも防ぐことができ、比較的良い状態で保管をすることが可能です。

湿気が気になる場合は、定期的に陰干しをしてカビが生えないように気を付けましょう。