京都×着物

京都府には代表的な着物である「京友禅」「西陣織」「京小紋」があります。

• 京友禅

  京友禅の歴史は元禄時代までさかのぼり、日本三大友禅の中で最も歴史が古いといわれています。
  京友禅には手描き友禅と型友禅があり、手描き友禅は模様のすべてを刷毛や筆を用い手作業で色付けされることでつくられる、美しいグラデーションが大きな特徴です。
  その後、型友禅が誕生し手描きで行う工程を型を用いて行うことで、大量生産が可能になりました。
  京友禅は多色を用い、刺繍や金銀箔を積極的に施した豪華絢爛さが最大の魅力。
  振袖や留袖などハレの日に相応しい優美なデザインで愛されています。

• 西陣織

  西陣織は京都（西陣）で生産されている先染の紋織物の総称で、昭和51年に伝統工芸品に指定されました。
  西陣織の歴史は古墳時代にまでさかのぼるとされており、5-6世紀ごろ渡来人の一族が現在の京都太秦あたりで、養蚕と絹織物の技術を伝えたことが始まりだといわれています。
  大陸の技術を取り入れた先染めを用いることで、紋織を可能にし高級織物である西陣織の基礎を築きました。
  その後も明（中国）の技術を取り入れ、さらに優れた織物を生み出し発展を続け絹織物の代表する存在となったのです。

• 京小紋

  京小紋は、京都府で主に生産されている織物です。
  京都は古くから織物、特に染め織の中心地として知られ、染め以外にも型彫の技術にも優れていました。
  小紋とは武士の「かみしも」に描かれている小さな文様を型染めしたものをいいます。
  京小紋は、同じく京都の伝統工芸品である「京友禅」の影響を受け、独自の小紋として発展したものです。
  色遣いが多彩で気品にあふれた風合いが魅力的な織物。
  最近では着物だけでなく、バッグや洋服、小物類でも京小紋が使われています。

• 藤井寛

  藤井寛は下絵師である藤井桃陰のもとに生まれ、大学卒業後は父に師事。
  幼少から伝統美に触れ、父から技術と心を受け継いだ藤井寛の作品は卓越した技術と、他に類を見ない品格のある作風が愛されています。
  また皇室献上友禅作家としても知られ、上皇后美智子様や皇后雅子様、秋篠宮妃紀子様も藤井寛の手がけた作品をお召しになられました。
  また、日蓮宗法音寺京都別院・法輪寺本堂には藤井寛が手がけた手描き友禅の天井画が奉納されています。

• 松井青々

  松井青々は、京都の伝統工芸品である「京友禅」を代表する作家です。
  「松の井の水とともに、松の緑がいつまでも青々と生き生きしているように、作風もそうである事を願った」のが青々の名の由来で、現在はマツヰ染繍株式会社の三代目がその名を受け継いでいます。
  初代松井青々は、日本画と友禅の技法を学び染織総合デザイナーとして独立、通商産業大臣賞・京都府知事賞など多くの賞を受賞。
  その長男として、父の元で友禅の技法を学んだ二代目も数々の賞を受賞しています。