アラビア

アラビアについて

アラビアとは

北欧デザインの食器で知られるイッタラグループの傘下に入っているアラビアは、フィンランドを代表する陶器ブランドの一つです。

テーブルウェアやキッチングッズ、花器などの陶器を扱っています。

北欧を代表するキャラクターであるムーミンを描いたものや、色鮮やかで芸術的なデザインで人気のアラビアは、デザイン性に加えて機能性の高さでも世界で高い評価を受けています。

アラビアの歴史

フィンランドにアラビアが誕生したのは1873年のこと、スウェーデン王室御用達窯であるロールストランド傘下の製陶所の一つとして創業。

フィンランド国内の陶器の半分以上を出荷する窯元として、たくさんの陶磁器を作っていました。

1867年のパリ万国博覧会ではその高い技術が認められて金賞を受賞。

順風満帆でしたが、1914年に第一次世界大戦が勃発、フィンランドがロシアに弾圧される中スウェーデンは中立宣言を行い、ロールストランドはアラビアを売却、アラビアは独立することになりました。

フィンランドはロシアに政治的には弾圧されていましたが、ロシアを大きな輸出先に経済的発展。

アラビアはフィンランドを代表する陶器メーカーとして知られる存在となっていきました。

1945年には著名なデザイナーであるカイ・フランクを迎えてさらに世界的に有名な人気ブランドに成長。

現在も、芸術品のように美しく実用的なアラビアの陶器は世界中で愛されています。

アラビアの人気シリーズと買取相場

パラティッシ

アラビアのアート部門で活躍していた陶芸作家のビルゲル・カイピアイネンによって、1968年に作られたのがパラティッシです。

「楽園」という意味をもつこのシリーズは、植物や果物を大胆に描かれていて、「ブラック」「パープル」「カラー」の3種類があります。

パラティッシの買取相場

プレート1枚	1,000円〜
カップ＆ソーサー 2客	3,000円〜

北欧テイストの人気によって、現行の量産型のパラティッシでも中古市場でのニーズが高く査定金額がつきますが、初期のものだとさらに高値が期待できます。

24h アベック

フィンランドで価値のあるデザイン賞である「カイ・フランク賞」を受賞したヘイッキ・オルヴィラによって作られた24hに、カティ・トゥオミネン＝ニーットゥラという陶芸デザイナーがデザインを施したのが24h アベックとよばれます。

日本での欧風デザイン人気のきっかけにもなった映画「かもめ食堂」にておにぎりが盛り付けられていたことでも有名。

まるで畳のように細かな絵柄は、日本の食卓にもなじむことから人気が高いシリーズです。

24h アベックの買取相場

プレート1枚(新品)	2,000円〜
プレート4枚(美品)	3,000円〜

2003年にアラビアの創業130周年を記念して作られた24h アベックは特にブルーが人気。

また、プレートの裏のバックスタンプはアラビアのものとイッタラのものが存在します。

アネモネ

1962年から1976年の間生産されていたアネモネは、その当時はもちろん現在も人気があるシリーズです。

デザイナーのウラ・プロコッペが描いたアネモネは深い青の濃淡が美しく、日本でもファンが多いと言われています。

アネモネの買取相場

カップ&ソーサー2客	3,000円〜
スープ皿	4,000円〜

生産が終了した後、1980年代にリバイバルされ、その時の製品の裏には「アネモネ」のロゴがプリントされています。

初代のアネモネの方が価値は高いとはいえ、リバイバル版も数多く流通しているものではないので同じく貴重です。

ムーミン

フィンランドの作家、トーベ・ヤンソンによるムーミンの世界をデザインしたシリーズは、1990年に発売されました。

現在もアラビアを代表するシリーズの一つとして人気があり、毎年登場する新作や限定品、記念モデルなどに世界中のファンが夢中になっています。

ムーミンの買取相場

マグ(初代)	数万円
マグ(シリアルナンバー付き限定品)	数十万円
マグ(シーズン限定)	10,000円〜

販売個数が少ないものや、すでに廃盤になっているものなど希少価値が高い製品は買取価格が高くなります。

バレンシア

1960年にデザイナーのウッラ・プロコッペによって作られたのがアラビアです。

スペインのバレンシアの陶器をモチーフにした、深いブルーを使った絵柄が特徴的。

アラビアのアート部門が廃止されたことで廃盤となりましたが、2004年にリバイバルされました。

バレンシアの買取相場

プレート1枚	2,000円
カップ&ソーサー1客	3,000円
プレート(初期のもの)	10,000円〜

製作された時期によって色味が違っていたり、バックスタンプやサインが異なります。

希少価値が高いものほど買取価格は高額になるので、初期の手描きのバレンシアは高値がつくケースが多いです。

ココ

すっきりとしたシルエットのシンプルさが魅力のココは、2005年に登場しました。

クリスティーナ・リスカとカティ・トゥオミネン＝ニーットゥラが作り出したデザインは、同じ色で揃えても違う色と合わせても自然に使えるおしゃれさで人気があります。

ココの買取相場

ボウル(250ml)	100円〜
プレート(23cm)	〜1,000円

単品だと価格が低くなりますが、セットになると上昇する傾向があります。

また、廃盤のモデルやカラーの場合も価値が高くなるので高値が期待できるでしょう。

ルノ

アラビアの代名詞的シリーズであるパラティッシを元にしてデザインされたルノは2009年に誕生しました。

デザインは「スプリングドロップ」「サマーレイ」「オータムグロー」「ウィンタースター」の4種類です。

ルノの買取相場

カップ&ソーサー1客	2,000円
プレート1枚	〜1,000円

フィンランドの四季を感じさせる絵柄はとても美しく、コレクションをしている人も多い人気シリーズです。

その他

アラビアの製品は、全てが日本で展開されている訳ではありません。

中にはフィンランドや欧州だけで販売されているものも。

手に入りにくいアラビアの製品は希少価値が高いので、高値での買取が期待できます。

このようなアラビアは高価買取いたします

セットが揃っている

複数のカップ＆ソーサーのセットや複数のプレートなど、セットになっているものは単品よりも価値が上がります。

アラビアの製品は色が違うものでもセットとしての買取が可能なものもあるので、査定に出す際にはまとめて出すのがおすすめです。

保存状態が良い物

食器の買取は、保存状態が価格に大きく影響します。

製造された時期が古いヴィンテージ食器でも、傷や破損、使用感が少ないものが理想的です。

また日常的に使っている食器だと、どうしても傷みが出てしまうものなので、日頃から劣化しないように丁寧に扱うようにしましょう。

ムーミンマグ・バレンシアなど初期の物

ムーミンマグは比較的新しい製品ですが、熱狂的なファンやコレクターが多いアイテムなので、生産個数が少ないものは特に高値での買取となります。

また、バレンシアやアネモネ、パラティッシなどリバイバルされて販売されている人気シリーズの初期のものはとても貴重です。

特にアート部門のデザイナーや陶芸家が絵付けをした製品は、中古市場でも一目置かれる存在です。

アラビアを少しでも高く売るために

付属品はセットにする

アラビアの製品を査定に出す際は、入手した時に付いてきた付属品を全てセットにして出しましょう。

箱に入っていたものならば、箱に入れた状態で買取査定を依頼することが大事です。

未使用の食器の場合は、箱があるだけでその食器の価値が高くなります。

汚れなどは手入れしてから査定

日常的に使いやすいアラビアの食器は、使っているとどうしても汚れが付いてしまいます。

アラビアは北欧ブームもあって人気が高いため、使用感があっても査定がつく場合も少なくありません。

それでもできるだけ汚れは取っておくと、より査定の金額が高くなる可能性が高まります。