愛知×食器

愛知県には代表的な伝統工芸品「常滑焼」「瀬戸染付焼」があります。

• 常滑焼

  常滑焼（とこなめやき）は、愛知県常滑市を中心に作られている焼き物で、越前焼などと並び「日本六古窯」の一つに数えられています。
  平安末期の1100年頃に始まったとされ、知多半島の丘陵地に3,000基を超える窯跡があり、この頃の焼き物は「古常滑」と呼ばれています。
  原料である東海湖の堆積物由来の土には鉄分が多く、低温でも焼き締まるため、甕や壺など大きな焼き物も多く作られました。
  なかでも有名な朱泥製品は江戸時代後半から作られ、明治以降には機械の導入により製品の種類や生産量が増え、発展を遂げています。

• 瀬戸染付焼

  瀬戸染付焼は、愛知県瀬戸市や尾張旭市で作られている焼き物です。
  江戸時代、陶工の加藤民吉（かとうたみきち）が九州で磁器の製造を学び、瀬戸で広めたことが始まりとされています。
  その磁器の製造技術に中国風の絵付けの繊細な技術が加わり、現在の瀬戸染付焼の基礎となりました。
  白地に藍色の絵付けで鳥や花など瀬戸の自然を繊細に描き上げているのが特徴で、食器や茶器、花器類だけでなく室内装飾品に至るまで多くの作品が作られています。

• 山田常山

  山田常山は常滑焼の陶芸家で、1961年に襲名した三代目は、人間国宝に認定されました。
  初代の祖父と二代目の父に師事し、数々の展覧会で賞を受賞しています。
  1998年、常滑焼の急須が国の重要無形文化財に指定され、技術保持者として三代目が認定されました。
  その作品は、さまざまな技法によってデザインも古風からモダンまで多様に作られ、100種類以上もの形があるとされています。