福井×食器

福井県には代表的な伝統工芸品「越前焼」があります。

• 越前焼

  越前焼は福井県丹生郡越前町で作られています。
  その歴史は古く、平安時代末期から作られ、戦後に信楽焼や備前焼などと並び「日本六古窯」に数えられたことから全国的に有名になりました。
  1971年、越前町小曽原に越前陶芸村が建設されたことで窯元が増え、現在でも多くの作家が伝統を継承しつつ新たな作品を生み出しています。
  越前焼は、釉薬を使用せず越前の土を生かして焼き上げる素朴な風合いが特徴。
  頑丈で水漏れもしないため、甕や壺、茶器をはじめ多くの陶器が存在し、歴史的評価の高さからも買取需要があります。

• 北野七左衛門

  北野七左衛門は、1935年、織田村に「八劔（はっけん）窯」（後に「北窯洞」と改称）を開いた陶芸家です。
  陶磁器の研究者である水野九右衛門、小山冨士夫とともに、「小曽原焼」「織田焼」など複数の呼称があった越前の陶磁器を「越前焼」と名付け、有名になるきっかけを作ったとされています。
  開窯当初は絵付けを中心としていましたが、本格的に作陶を始めると、越前の土を生かした作風に変化していきました。
  福井県の美術展覧会で市長賞や県知事賞を受賞した功績をもち、多くの弟子を育成して越前焼の普及に大きく貢献しました。

• 藤田重良右衛門

  藤田重良右衛門は、古くから窯業を営み、その名を代々受け継いでいる陶芸家です。
  江戸時代の中期頃、藤田家は平等村に「たいら窯」を開き、甕や壺、酒器などを中心に作陶してきました。
  1986年、大型陶器の成形法である「越前輪積み技法」が無形文化財に指定され、伝承者であった八代目重良右衛門は技術の保持者として認定を受けました。
  福井県伝統的工芸優秀継承者表彰など、さまざまな受賞歴をもつ八代目の技術は、九代目やその他多くの弟子たちに引き継がれています。