福岡×食器

福岡県には代表的な伝統工芸品「小石原焼」と「上野焼」があります。

• 小石原焼

  福岡県朝倉郡東峰村で製作されている伝統工芸品の一つです。
  約350年の伝統をもつこの陶器は、1682年に藩主・黒田光之が伊万里の陶工を呼び、焼かせたものが始まりとされています。
  特徴は、「飛び鉋」や「刷毛目」という技法から生まれる独特な模様で、統一性がありながらも優しい雰囲気を感じ取れます。
  また、小石原焼の窯には、ガス窯以外にも薪で焼く登り窯があり、一つひとつ異なる雰囲気の作品が仕上がります。

• 上野焼

  福岡県田川郡の香春町・福智町・大任町で製作されている伝統工芸品の一つです。
  1602年、豊前小倉藩主の「細川忠興公」が陶工の尊楷を呼び、上野で窯を開いたのが最初とされています。
  4種類の釉薬（青緑釉・鉄釉・白褐釉・黄褐釉）が窯の中で溶けだすことで創り出される模様。
  それにより、2つと同じものは作れない表情を描きだすのが特徴です。
  また、上野焼は薄い生地が用いられており、従来の陶器より重さが軽いことも特徴的です。

• 福島　善三

  300年以上続く「ちがいわ窯」の十六代目
  1959年、小石原焼を支える「ちがいわ窯」に生まれ、陶芸家の家庭で育ちました。
  大学時代には各地の窯を訪れるようになり、自身との結びつきが深い小石原焼に興味をもち始めました。
  卒業後は十六代目として家業を受け継ぎます。
  多様な技法が用いられた作品は「紫綬褒章」など多くの賞を受賞しており、58歳の時には、重要無形文化財「小石原焼」の保持者に認定されました。

• 上野　喜蔵　肉付け

  上野焼の創始者
  元々は、尊楷という陶工で「上野焼・八代焼の祖」として知られています。
  文禄・慶長の役のあとに加藤清正という人物に従い、上野の土地で上野焼を焼き始めたことが始まりといわれています。